山海経　海内東経　和訳

海内は東北のすみ以南のものである。
マウンテンゴートが東北のすみにいる。
国の砂漠の中に在る者は、埻端、璽㬇で、崑崙の高い山の東南にいる。
一に、海内の郡で、郡県に為らずは、砂漠の中に在る、という。

国の砂漠の外に在るものは大夏で、
豎沙は繇に居し、
月支の国である。

西胡の白玉山は大夏の東に在り、
蒼梧は白玉山の西南に在り、みな砂漠の西、
崑崙の高い山の東南に在る。
崑崙山は西胡の西に在り、
皆、西北に在る。

雷沢の中にはワシカモメがいて、
ハクチョウのような身で、カモメのような頭で、
そのくちばしを鳴らす。呉の西にいる。

ノスリが海中にいる。
一に郁州という。

トビが、渤海の間、琅瑘の東にいる。　
その北にはハヤブサがいる。一に海の間にいるという。

マガンが海中の
ノスリの南にいる。

アオバトが海中の、
マガンの南にいる。

会稽山は大楚の南に在る。
岷の三江のはじめは大江が汶山に出でて、
北江は曼山に出でて、南江は高山に出でる。
高山は城都の西に在る。
海に入るは、長州の南に在る。

浙江は三天子都に出でて、その東に在る。
閩の西北に在って、海の余暨の南に入る。
廬江は三天子都に出でて、江の彭沢の西に入る。
一に天子鄣という。

淮水は余山に出でて、
余山は朝陽の東、
義鄉の西に在り、海の淮浦の北に入る。

湘水は舜葬の東南陬に出でて、
西にこれをめぐり、
洞庭の下に入る。
一に東南の西沢という。

漢水は鮒魚の山に出でて、
コツメカワウソが南側にいて、
ミンクが北側にいる。
オジロワシがこれを味わう。

濛水は漢陽西に出でて、
江の聶陽の西に入る。

温水は崆峒に出でて、
崆峒山は臨汾の南に在る。
河の華陽の北に入る。

潁水は少室に出でて、
少室山は、雍氏の南に在り、
淮西鄢の北に入る。
一に緱氏という。

汝水は、天息山に出でて、
梁勉鄉の西南に在り、
淮極の西北に入る。
一に淮は期思の北に在るという。

水は、長城北山に出でて、
山は、郁郅長垣北に在り、　
北に渭戲の北に入る。

渭水は、鳥鼠同穴山に出でて、
東へ河に注ぎ、華陰の北に入る。

白水は蜀に出でて、
東南に江に注ぎ、
江州城の下に入る。

沅水山は象郡鐔城の西に出でて、
東に入り、江に注ぎ、
下雋の西に入り、
洞庭の中に合う。

贛水は聶都東山に出でて、
東北に江に注ぎ、
彭沢の西に入る。

泗水は、呉の東北に出でて、南にいき、
西南に湖陵の西を過ぎ、
東南に東海に注ぎ、
淮陰の北に入る。

鬱水は象郡に出でて、
西南へ南海に注ぎ、
須陵の東南に入る。

肄水は臨晋の西南に出でて、
東南に海に注ぎ、
番禺の西に入る。

潢水は桂陽の西北の山に出でて、
東南に肄水に注ぎ、
敦浦の西に入る。

洛水は、洛西山に出でて、
東北に河に注ぎ、
成皋の西に入る。

汾水は、上窳の北に出でて、
西南に河に注ぎ、
皮氏の南に入る。

沁水は井陘山の東に出でて、
東南に河に注ぎ、
懷東南に入る。

済水は、共山南東丘に出でて、
鉅鹿の沢に入り、
渤海に注ぎ、
斎の琅槐東北に入る。

潦水は衛皋の東へ出でて、
東南に渤海に注ぎ、
潦陽に入る。

虖沱水は晋陽城の南に出でて、
西に陽曲の北に至り、
東に渤海に注ぎ、
越の章武の北に入る。

漳水は山陽の東に出でて、
東に渤海に注ぎ、章武の南に入る。

建平元年四月丙戌の日、待詔太常属臣の望が校正し、
侍中光祿勳臣の龔、侍中奉車都尉光祿大夫臣の秀が監修した。