東海の内、北海の隅には、
国が有って、名はコツメカワウソという。小さいカワウソで、
その獣は、川に住み、人に親しみ、人を好む。
西海の内、流沙の中には、
国が有って、名はビロードカワウソという。
西海の内、流沙の西には、
国が有って、名はコイタチという。
流沙の西には鳥山というものが有って、三水が出でる。
ここには、黄金、美しい玉、
赤い金属、銀、鉄が有って、
みな、この中に流れる。
また淮山が有って、好水が出でる。
流沙の東、黒水の西には、
朝雲の国、司彘の国が有る。
カモメの同類のワシカモメは、オオセグロカモメに似る。
オオセグロカモメは若水に住み、ハクガンに似る。
ハクガンは、ヒシクイのような頭で、小さく、
黒い尾で、赤いくちばしで、白い身で、
足は赤く、短身で、
稲の実を食べ、阿女という。
コブハクチョウ、オオハクチョウに似る。
流沙の東、黒水の間には、
山が有って、名は不死の山という。
崋山の青水の東には、
山が有って、名は肇山という。
鳥がいて、名はマナヅルという。
マナヅルはここに於いて休息し、別のところに行く。
西南の黒水の間には、
都広の野が有って、モモイロペリカンが住む。
ここには、穀物のまめ、穀物の稲、
穀物のキビ、穀物のねばりけのないキビが有る。
多くの穀物が自生し、
夏になると、茎を茂らせる。
キンケイは時々歌をうたい、ギンケイは時々舞をまい、
チョウセンウグイスは、時々歌をうたう。草木の集まる所である。
ここにはアナグマがいて、あい群れてここに住む。
ここの鼠は、夏に到までには見えなくなる。
南海の内は、黒水、青水の間で、
木が有って、名はイロハモミジという。若水が出でる。
禺中の国が有る。列襄の国が有る。
霊山が有って、赤いスズメがいて、木の上にいる。
名はベニスズメという。穀物を食べる。
ハイイロガンの国が有る。
鳥がいて、赤い嘴で、
名はハイイロガンという。
九種類のチドリがいて、川で漁り、
名は陶唐の丘、叔得の丘、孟盈の丘、
タゲリ、ダイゼン、ケリ、
参衛の丘、武夫の丘、神民の丘、という。
木が有って、シソのような葉で、紫色の茎で、
うす赤色の花で、黄色い実で、名はアンズという。
高木のケンポナシは、長い枝が有り、木の実は脹れた枝が有り、
その実は茶の実のようで、その葉は梅の葉のようで、
大いに甘く、テナガザル、大ざる、多くの鳥の食べるところである。
コイタチがいて、黒い頭で、これは鳥を食べる。
小さい獣がいて、イタチのような顔で、名はオコジョという。
西南にマナヅルの国が有る。
タンチョウはカナダヅルに似る。
カナダヅルはナベヅルに似る。
ナベヅルはマナヅルに似る。
マナヅルは、これ、舞楽が上手である。
国が有って、名はダイサギという。
その域の地は方三百里で、
その出だすはこれ、湿った土である。
巴遂山が有って、澠水が出でる。
又、朱巻の国が有る。
クロサイがいて、長いけづので、葉を食べる。
南方にマレーグマがいて、
白い顔で、長い背中で、
黒い身には模様が有り、
大きい爪で、人を見れば、木にあがり、また木にあがり
舌はその顔の二倍で、ハチミツを舐めるのである。
また、ズグロカモメがいて、黒い頭で、だいだい色の足で、
黒い嘴で、カモメのような翼で、あるきまわって食べる。
シメがいて、太い嘴である。
マガモがいる。
鳥がいて、ナベコウという。
鳥がいて、黒い頭で、茶色の身で、大きいものはヒイクイのようで、
オスとメスが同じ色で、むらさき色の翼をつけ、
嘴の先は黄色で、名はカルガモという。
人君は得てして、これをうたげのごちそうにして、天下に覇する。
キンケイがいて、ときどき歌い、ギンケイがいて、ときどき舞う。
ギンケイの頭の模様は徳という。翼の模様は順という。
胸の模様は仁という。背の模様は義という。
現れれば、天下は和する。
又、小さい獣がいて、ウサギのようで、名はコミミトビネズミという。
マクジャクがいる。インドクジャクがいる。
南海の内には衡山が有る。菌山が有る。
桂山が有る。山が有って名は三天子の都という。
南方の蒼梧の丘、蒼梧の淵には、
その中に九嶷山が有って、
ワシカモメのいる所で、長沙零陵界の中に在る。
北海の内には、蛇山というものが有って、蛇水が出でて、東へ海に入る。
五彩の鳥がいて、飛ぶと一郷でつかれる。名はインドクジャクという。
また不距の山が有って、巧倕がその西にいる。
北海の内には、トキとハクチョウをよせ集めたようなものがいて、
黄色を帯びて、嘴はこれの頭の二倍で、
名はモモイロペリカンという。
モモイロペリカンはオオセグロカモメに似る。
オオセグロカモメは白いトキに似る。
白いトキがこれ、色はヘラサギに似る。
ヘラサギは黄色の身である。
北海の内には山が有って、
名は幽都の山という。黒水が出でる。
その上には玄鳥、玄蛇、玄豹、玄虎、玄狐、蓬尾がいる。
大玄の山が有って、イスカがいる。
オオカモメの国が有る。
ウソがいる。
サバンナシマウマの国が有って、
その馬はひざ以下より模様が有って、
馬のひづめは善く走る。
オオヅルの同類は、ソデグロヅルで、
ソデグロヅルの仲間は、赤い頭巾の鳥での嘉鳥のタンチョウで、
タンチョウヅルの育って三年が、これ、カナダヅルに似る。
歌うことが上手で、
カナダヅルはここに、翔、楽舞を為すことが上手である。
トキがサカツラガンに似る。
サカツラガンがハクガンに似る。
ハクガンはここにセウロカモメと為る。
ウミウは、ダイサギに似る。ダイサギは、ムラサキサギに似る。
ムラサキサギはササゴイに似る。これは、狩りをするのが上手である。
ササゴイは、ゴイサギに似る。ゴイサギはアオサギに似る。
アオサギはこれ、木に巣をつくることが上手である。
コハクチョウはヒシクイに似る。
ヒシクイはこれ、ヒシの実を食べるのが上手である。
ウミウの同類のカワウは、強いくちばし、足を持ち、
春分、秋分を以て、国に下りる。
カワウはこれ、川に住んで、地の多くのの魚を食べるのが上手である。
ウミウはヒメウに似る。
ヒメウはこれ、水にもぐる。
ウミウには、同類が八種類いて、
これ、羽を干すのが上手である。
ウミウはゴイサギに似る。ゴイサギはアオサギに似る。
アオサギはこれ、地を耕すのが上手である。
これ、喉をして、多くのの魚を満たすのが上手であるのは、
コシベニペリカンで、多くのの魚を腹いっぱいに食べる。
コシベニペリカンの同類は曰く、モモイロペリカンと。
これ、行列を作って、漁るのが、上手である。
カンムリカイツブリは、これ、音楽をつくるのが上手である。
ウミネコ、セグロカモメはこれ、土地に布くのが、上手であり、
多くの州にひとしく落ち着く。
ヒシクイの仲間で、
赤水の鳥のオオヒシクイはハイイロガンに似る。
ハイイロガンは、ハクガンに似る。
ハクガンは、ワシカモメに似る。
ワシカモメはオオセグロカモメに似る。
オオセグロカモメは江水に降りて住む。
コハクチョウに似る。コハクチョウはオオハクチョウに似る。
オオハクチョウの嘴は黄色が大きい。
これ、また、大きい鳥で、江水に住む。
コハクチョウはオオハクチョウに似る。
オオハクチョウはコブハクチョウに似る。
コブハクチョウはサイチョウに似て瘤が有る。
洪水が天にはびこった。
セグロカモメは帝の息壌を説いて、洪水をふさごうとしたが、
帝のいいつけを治めなかった。
帝はオオセグロカモメに令して、セグロカモメを羽郊にしりぞけた。
セグロカモメはまた ウミネコに似る。
帝はすなわちウミネコに命じて、土地に布かせ、多くの州に落ち着いた。
国が有って、名はコツメカワウソという。小さいカワウソで、
その獣は、川に住み、人に親しみ、人を好む。
西海の内、流沙の中には、
国が有って、名はビロードカワウソという。
西海の内、流沙の西には、
国が有って、名はコイタチという。
流沙の西には鳥山というものが有って、三水が出でる。
ここには、黄金、美しい玉、
赤い金属、銀、鉄が有って、
みな、この中に流れる。
また淮山が有って、好水が出でる。
流沙の東、黒水の西には、
朝雲の国、司彘の国が有る。
カモメの同類のワシカモメは、オオセグロカモメに似る。
オオセグロカモメは若水に住み、ハクガンに似る。
ハクガンは、ヒシクイのような頭で、小さく、
黒い尾で、赤いくちばしで、白い身で、
足は赤く、短身で、
稲の実を食べ、阿女という。
コブハクチョウ、オオハクチョウに似る。
流沙の東、黒水の間には、
山が有って、名は不死の山という。
崋山の青水の東には、
山が有って、名は肇山という。
鳥がいて、名はマナヅルという。
マナヅルはここに於いて休息し、別のところに行く。
西南の黒水の間には、
都広の野が有って、モモイロペリカンが住む。
ここには、穀物のまめ、穀物の稲、
穀物のキビ、穀物のねばりけのないキビが有る。
多くの穀物が自生し、
夏になると、茎を茂らせる。
キンケイは時々歌をうたい、ギンケイは時々舞をまい、
チョウセンウグイスは、時々歌をうたう。草木の集まる所である。
ここにはアナグマがいて、あい群れてここに住む。
ここの鼠は、夏に到までには見えなくなる。
南海の内は、黒水、青水の間で、
木が有って、名はイロハモミジという。若水が出でる。
禺中の国が有る。列襄の国が有る。
霊山が有って、赤いスズメがいて、木の上にいる。
名はベニスズメという。穀物を食べる。
ハイイロガンの国が有る。
鳥がいて、赤い嘴で、
名はハイイロガンという。
九種類のチドリがいて、川で漁り、
名は陶唐の丘、叔得の丘、孟盈の丘、
タゲリ、ダイゼン、ケリ、
参衛の丘、武夫の丘、神民の丘、という。
木が有って、シソのような葉で、紫色の茎で、
うす赤色の花で、黄色い実で、名はアンズという。
高木のケンポナシは、長い枝が有り、木の実は脹れた枝が有り、
その実は茶の実のようで、その葉は梅の葉のようで、
大いに甘く、テナガザル、大ざる、多くの鳥の食べるところである。
コイタチがいて、黒い頭で、これは鳥を食べる。
小さい獣がいて、イタチのような顔で、名はオコジョという。
西南にマナヅルの国が有る。
タンチョウはカナダヅルに似る。
カナダヅルはナベヅルに似る。
ナベヅルはマナヅルに似る。
マナヅルは、これ、舞楽が上手である。
国が有って、名はダイサギという。
その域の地は方三百里で、
その出だすはこれ、湿った土である。
巴遂山が有って、澠水が出でる。
又、朱巻の国が有る。
クロサイがいて、長いけづので、葉を食べる。
南方にマレーグマがいて、
白い顔で、長い背中で、
黒い身には模様が有り、
大きい爪で、人を見れば、木にあがり、また木にあがり
舌はその顔の二倍で、ハチミツを舐めるのである。
また、ズグロカモメがいて、黒い頭で、だいだい色の足で、
黒い嘴で、カモメのような翼で、あるきまわって食べる。
シメがいて、太い嘴である。
マガモがいる。
鳥がいて、ナベコウという。
鳥がいて、黒い頭で、茶色の身で、大きいものはヒイクイのようで、
オスとメスが同じ色で、むらさき色の翼をつけ、
嘴の先は黄色で、名はカルガモという。
人君は得てして、これをうたげのごちそうにして、天下に覇する。
キンケイがいて、ときどき歌い、ギンケイがいて、ときどき舞う。
ギンケイの頭の模様は徳という。翼の模様は順という。
胸の模様は仁という。背の模様は義という。
現れれば、天下は和する。
又、小さい獣がいて、ウサギのようで、名はコミミトビネズミという。
マクジャクがいる。インドクジャクがいる。
南海の内には衡山が有る。菌山が有る。
桂山が有る。山が有って名は三天子の都という。
南方の蒼梧の丘、蒼梧の淵には、
その中に九嶷山が有って、
ワシカモメのいる所で、長沙零陵界の中に在る。
北海の内には、蛇山というものが有って、蛇水が出でて、東へ海に入る。
五彩の鳥がいて、飛ぶと一郷でつかれる。名はインドクジャクという。
また不距の山が有って、巧倕がその西にいる。
北海の内には、トキとハクチョウをよせ集めたようなものがいて、
黄色を帯びて、嘴はこれの頭の二倍で、
名はモモイロペリカンという。
モモイロペリカンはオオセグロカモメに似る。
オオセグロカモメは白いトキに似る。
白いトキがこれ、色はヘラサギに似る。
ヘラサギは黄色の身である。
北海の内には山が有って、
名は幽都の山という。黒水が出でる。
その上には玄鳥、玄蛇、玄豹、玄虎、玄狐、蓬尾がいる。
大玄の山が有って、イスカがいる。
オオカモメの国が有る。
ウソがいる。
サバンナシマウマの国が有って、
その馬はひざ以下より模様が有って、
馬のひづめは善く走る。
オオヅルの同類は、ソデグロヅルで、
ソデグロヅルの仲間は、赤い頭巾の鳥での嘉鳥のタンチョウで、
タンチョウヅルの育って三年が、これ、カナダヅルに似る。
歌うことが上手で、
カナダヅルはここに、翔、楽舞を為すことが上手である。
トキがサカツラガンに似る。
サカツラガンがハクガンに似る。
ハクガンはここにセウロカモメと為る。
ウミウは、ダイサギに似る。ダイサギは、ムラサキサギに似る。
ムラサキサギはササゴイに似る。これは、狩りをするのが上手である。
ササゴイは、ゴイサギに似る。ゴイサギはアオサギに似る。
アオサギはこれ、木に巣をつくることが上手である。
コハクチョウはヒシクイに似る。
ヒシクイはこれ、ヒシの実を食べるのが上手である。
ウミウの同類のカワウは、強いくちばし、足を持ち、
春分、秋分を以て、国に下りる。
カワウはこれ、川に住んで、地の多くのの魚を食べるのが上手である。
ウミウはヒメウに似る。
ヒメウはこれ、水にもぐる。
ウミウには、同類が八種類いて、
これ、羽を干すのが上手である。
ウミウはゴイサギに似る。ゴイサギはアオサギに似る。
アオサギはこれ、地を耕すのが上手である。
これ、喉をして、多くのの魚を満たすのが上手であるのは、
コシベニペリカンで、多くのの魚を腹いっぱいに食べる。
コシベニペリカンの同類は曰く、モモイロペリカンと。
これ、行列を作って、漁るのが、上手である。
カンムリカイツブリは、これ、音楽をつくるのが上手である。
ウミネコ、セグロカモメはこれ、土地に布くのが、上手であり、
多くの州にひとしく落ち着く。
ヒシクイの仲間で、
赤水の鳥のオオヒシクイはハイイロガンに似る。
ハイイロガンは、ハクガンに似る。
ハクガンは、ワシカモメに似る。
ワシカモメはオオセグロカモメに似る。
オオセグロカモメは江水に降りて住む。
コハクチョウに似る。コハクチョウはオオハクチョウに似る。
オオハクチョウの嘴は黄色が大きい。
これ、また、大きい鳥で、江水に住む。
コハクチョウはオオハクチョウに似る。
オオハクチョウはコブハクチョウに似る。
コブハクチョウはサイチョウに似て瘤が有る。
洪水が天にはびこった。
セグロカモメは帝の息壌を説いて、洪水をふさごうとしたが、
帝のいいつけを治めなかった。
帝はオオセグロカモメに令して、セグロカモメを羽郊にしりぞけた。
セグロカモメはまた ウミネコに似る。
帝はすなわちウミネコに命じて、土地に布かせ、多くの州に落ち着いた。