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Channel: 倭人伝を解く
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昔者越王句踐困於會稽之上

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昔者越王句踐困於會稽之上乃用范蠡計然

昔、越王句踐が会稽のほとりで困(こま)り、そこで范蠡(人名)、計然(人名)を用いた。

計然曰知斗則修備時用則知物

計然曰く、「ひしゃくを知れば、備(そな)えを修(おさ)め、用いるをうかがえば、物を知る。

二者形則萬貨之情可得而觀已故歲在金穰

二者が形になれば、万(よろず)の貨の情況は得てして観(み)ることができるのみ。故(ゆえ)に実りの時は金に在(あ)り、豊穣(ほうじょう)は、

水毀木饑火旱

水に在(あ)り、毀(こぼ)つは、木に在(あ)り、飢饉(ききん)は火、旱魃(かんばつ)に在(あ)る。

旱則資舟水則資車物之理也

日照りになれば、舟を役ににたて、洪水になれば、車を役にたてるは、物の理(り)である。

六歲穰六歲旱十二歲一大饑

六年ごとに豊穣(ほうじょう)になり、六年ごとに日照りになり、十二年に一度大きな飢饉(ききん)になる。

夫糶二十病農九十病末

それ、穀物を売り出すに、二十で農を病(や)み、九十で商売を病(や)む。

末病則財不出農病則草不辟矣

商売が病(や)めば、品物が出ず、農が病めば草は除(のぞ)かれず、

上不過八十下不減三十則農末俱利

上が八十を過ぎず、下が三十を減(へ)らなければ、すなわち、農、商はともに利(り)して、

平糶齊物關市不乏治國之道也

穀物を売り出すを平(たいら)かにして物をととのえ、関の市(いち)は乏(とぼ)しくならず、国を治(おさ)める道である。

積著之理務完物無息幣

適(つりあう 著(ちゃく)=適(ちゃく)?)の道理を積(つ)み、物をまっとうさせることに務(つと)め、貨幣を休ませること無かれ。

以物相貿易腐敗而食之貨勿留無敢居貴

物を以って相(あい)貿易(ぼうえき)し、腐敗させて食糧の品が留(とど)まることなく、敢(あ)えて値段を高く据(す)えること無かれ。

論其有餘不足則知貴賤

その有余(ゆうよ)、不足(ふそく)を論(ろん)ずれば、すなわち高い、安いを知る。

貴上極則反賤賤下極則反貴

高値が上に極(きわ)まれば、反(かえ)して安くなり、安値が下に極(きわ)まれば反(かえ)して高くなる。

貴出如糞土賤取如珠玉財幣欲其行如流水

高ければ糞土(ふんど)の如(ごと)く出して、安ければ珠玉(しゅぎょく)の如(ごと)く取る。
財幣はその流水の如(ごと)く行くことを欲する」と。

修之十年國富厚賂戰士士赴矢石

これを修(おさ)めて十年、国は富(と)み、賄賂(わいろ)を(呉に)厚(あつ)くし、士を戦わせ、士は戦場に赴(おもむ)き、

如渴得飲遂報彊吳觀兵中國稱號五霸

のどが渇(かわ)いて飲むを得たが如(ごと)く、遂(つい)に強い呉に報(むく)い、戦いを中国に観(み)て、称(しょう)して、五覇、と号(ごう)した。

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