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Channel: 倭人伝を解く
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山海経 東次四経 和訳

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また東次四経のはじめは曰く、北号の山と。北海を臨む。
ヒボケが有って、そのかたちはヤマモモのようで、赤い花で、その実はナツメのようで、果実の中で種子をつつむものが無い。
その味はあまずっぱく、これを食べるとマラリアにならない。
食水が出でて、そして東北に流れて海に注ぐ。
獣がいて、そのかたちはクマのようで、赤いあたまで、小さい目で、その鳴き声はブタのようで、名は曰くエゾヒグマ、と。これは獣を食べる。

鳥がいて、そのかたちはニワトリのようで、白いあたまで、朱色の足で、ケヅメがあり、その名は曰くコサンケイ、と。また獣を食べる。
また南へ三百里、曰く旄山と。草木が無い。
蒼体の川が出でて、そして西に流れて展水に注ぐ。
その中にはズグロカモメが多く、そのかたちはカモメのようで、まゆずみいろのあたまで、食べた者はイボにならない。

また南へ三百二十里、曰く東始の山と。その上には蒼い玉が多い。
木が有って、そのかたちは棪のようで、赤い木肌で、その汁は漆のようで、
実がならない。その名は曰く、トキンイバラ、と。馬に服させることができる。
水が出でて、そして東北に流れて海に注ぐ。その中には美貝が多く、
バリケンが多く、そのかたちはマガモのようで、七面鳥のようなあたまで、ガンのような身で、
その臭いは蘪蕪のようで、これを食べると屁をしなくなる。

また東南へ三百里、曰く女烝の山と。その上には草木が無い。
石膏水が出でて、そして西に流れて鬲水に注ぐ。
その中にはシロカモメが多く、そのかたちはオオカモメのようで、赤い目で、
その鳴き声はオウのようで、あらわれれば天下が大日照りになる。

また東南へ二百里、曰く欽山と。金属や玉が多く、そして石が無い。
師水が出でて、そして北に流れて皋沢に注ぐ。その中にはズグロカモメが多く、模様のある貝が多い。
獣がいて、そのかたちはブタのようで、牙が有り、
その名は曰く、バビルーサ、と。その名は自らの声である。あらわれれば天下は大豊作になる。

また東南へ二百里、曰く子桐の山と。
子桐の川が出でて、そして西に流れて余如の沢に注ぐ。
その中にはナンキンオシが多く、そのかたちはカモのようで、黒い翼で、
はねには光沢が有り、その鳴き声はオシドリのようで、あらわれれば天下は大日照りになる。

また東北に二百里、曰く剡山と。金属や玉が多い。
獣がいて、そのかたちはテンのようで、黒い顔で、
黄色い身で、茶色の尾で、その名は曰く、キエリテン、と。その鳴き声は赤ん坊のよう。
この獣は獣を食べる。また虫、鳥を食べ、あらわれれば天下は大水になる。

また東へ二百里、曰く太山と。上には金属や玉、ネズミモチが多い。
獣がいて、そのかたちは牛のようで、白いあたまで、ヤギのような目で、小さい尾で、その名は曰く、ニホンカモシカ、と。
川を行けばすらすらと泳ぎ、山を行けば、登り、あらわれれば天下は疫病の大流行になる。
鉤水が出でて、そして北に流れて労水に注ぐ。その中にはズグロカモメが多い。

凡そ東次四経の依拠するは北号の山より太山に至るまでの、凡そ八つの山で、一千七百二十里。
東経の山のおぼえがきは凡そ四十六の山で、一万八千八百六十里である。

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