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Channel: 倭人伝を解く
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人之所病病疾多

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人之所病病疾多

人の病(や)むところ、病気が多く、

而醫之所病病道少

しこうして、医の病(や)むところ、病(やまい)の療法が少ない。

故病有六不治驕恣不論於理一不治也

故(ゆえ)に病には六つの不治が有り、おごりたかぶってほしいままにし、道理を説(と)かないのが、一の不治である。

輕身重財二不治也

身を軽(かろ)んじて財(ざい)を重んずるのが、二の不治である。

衣食不能適三不治也

着たり食べたりがほどよくできないのが、三の不治である。

陰陽并藏氣不定四不治也

陰、陽があわさり、内臓、気が定まらないのが、四の不治である。

形羸不能服藥五不治也

からだが疲れきって薬を服用できないのが、五の不治である。

信巫不信醫六不治也

巫(みこ)を信じて医者を信じないのが、六の不治である。

有此一者則重難治也

この一つの者でも有れば、治療をいっそう難(むず)かしくするのである。

扁鵲名聞天下

扁鵲の名は天下に聞こえた。

過邯鄲聞貴婦人即為帶下醫

邯鄲に立ち寄って、婦人を貴(とうと)ぶと聞き、すなわち婦人病の医者に為り、

過雒陽聞周人愛老人即為耳目痹醫

雒陽に立ち寄って、周人は老人を敬愛すると聞くと、すなわち耳、目、しびれの医者に為り、

來入咸陽聞秦人愛小兒即為小兒醫

咸陽に来て入ると、秦人は小児を愛(まな)でると聞き、すなわち小児医に為り、

隨俗為變秦太醫令李醯自知伎不如扁鵲也使人刺殺之

俗(ぞく)につきしたがって変化した。秦の太医令の李醯は自(みずか)らを腕前(うでまえ)が扁鵲におよばないと知って、人をしてこれ(扁鵲)を刺し殺させた。

至今天下言脈者由扁鵲也

今に至り天下の脈(みゃく)を言う者は、扁鵲に由(よ)るのである。

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