若因其時埶及其虛曠還南虜於陰山歸河西於內地上申光武權宜之略下防戎羯亂華之變使耿國之筭不謬於當世袁安之議見從於後王平易正直若此其弘也
若し、其の時勢に因りて、其の虛曠(から)に及び、南虜を陰山に還し、河西を内地に帰し、上は光武権宜(一時のまにあわせの解決策)の略を申し、下は戎羯乱華の変を防ぎ、耿国の筭(はかりごと)をして、当世に於いて不謬(あやまらない)し、 袁安の議が後王に於いて見従(したがわせる)すれば、平易正直は、此れその弘のごとし。
而竇憲矜三捷之效忽經世之規狼戾不端專行威惠遂復更立北虜反其故庭並恩兩護以私己福棄蔑天公坐樹大鯁
而して、竇憲は三捷の効を矜(ほこる)し、経世の規を忽(ゆるがせにする)し、狼戾(よくばりで道理にはずれる)は不端(限りない)し、専ら威恵を行った。遂に復(また)北虜を更立し、其の故(前)の庭に返した。恩を並べ護(まもる)を両(ふたつ)し、己福(おのれの福)を私するを以てし、天公を棄て蔑み、座して大鯁(おおきなわざわい)を樹(たてる)した。
永言前載何恨憤之深乎自後經綸失方畔服不一其為疢毒胡可單言
永く、前載を言い、何と恨憤の深いことか。後より経綸(国家を治めること)は方を失い、畔服は不一で、其の疢毒と為り、胡(どうして)は単(ことごとく)言うことができるだろうか。
降及後世,翫為常俗終於吞噬神鄉丘墟帝宅嗚呼千里之差興自毫端失得之源百世不磨矣
降って後世に及び、翫(なれる)して常俗と為り、神鄉を吞噬(のみこむ)、帝宅を丘墟(廃墟)に終えた。嗚呼(ああ)、千里の差は毫端より興り、失得の源は、百世に不磨する、と。
贊曰匈奴既分羽書稀聞野心難悔終亦紛紜
贊曰く、匈奴が既に別れ、羽書(将軍が出す至急の命令文)は稀(まれ)に聞く。野心は悔やみがたく、終いまで亦、紛紜(入り乱れる)した、と。
今日で後漢書 南匈奴伝は終わりです。次からは三国志魏書匈奴伝に入ります。ヤフーブログが終了しますので、別のブログに引っ越しをしたいと思います。引っ越し先は明日か明後日にお知らせしたいと思います。ヤフーブログ様には長い間大変お世話になり、ありがとうございました。又、こちらへお見えになった皆様には心より感謝申し上げます。引っ越し後も引き続きよろしくお願いいたします。
若し、其の時勢に因りて、其の虛曠(から)に及び、南虜を陰山に還し、河西を内地に帰し、上は光武権宜(一時のまにあわせの解決策)の略を申し、下は戎羯乱華の変を防ぎ、耿国の筭(はかりごと)をして、当世に於いて不謬(あやまらない)し、 袁安の議が後王に於いて見従(したがわせる)すれば、平易正直は、此れその弘のごとし。
而竇憲矜三捷之效忽經世之規狼戾不端專行威惠遂復更立北虜反其故庭並恩兩護以私己福棄蔑天公坐樹大鯁
而して、竇憲は三捷の効を矜(ほこる)し、経世の規を忽(ゆるがせにする)し、狼戾(よくばりで道理にはずれる)は不端(限りない)し、専ら威恵を行った。遂に復(また)北虜を更立し、其の故(前)の庭に返した。恩を並べ護(まもる)を両(ふたつ)し、己福(おのれの福)を私するを以てし、天公を棄て蔑み、座して大鯁(おおきなわざわい)を樹(たてる)した。
永言前載何恨憤之深乎自後經綸失方畔服不一其為疢毒胡可單言
永く、前載を言い、何と恨憤の深いことか。後より経綸(国家を治めること)は方を失い、畔服は不一で、其の疢毒と為り、胡(どうして)は単(ことごとく)言うことができるだろうか。
降及後世,翫為常俗終於吞噬神鄉丘墟帝宅嗚呼千里之差興自毫端失得之源百世不磨矣
降って後世に及び、翫(なれる)して常俗と為り、神鄉を吞噬(のみこむ)、帝宅を丘墟(廃墟)に終えた。嗚呼(ああ)、千里の差は毫端より興り、失得の源は、百世に不磨する、と。
贊曰匈奴既分羽書稀聞野心難悔終亦紛紜
贊曰く、匈奴が既に別れ、羽書(将軍が出す至急の命令文)は稀(まれ)に聞く。野心は悔やみがたく、終いまで亦、紛紜(入り乱れる)した、と。
今日で後漢書 南匈奴伝は終わりです。次からは三国志魏書匈奴伝に入ります。ヤフーブログが終了しますので、別のブログに引っ越しをしたいと思います。引っ越し先は明日か明後日にお知らせしたいと思います。ヤフーブログ様には長い間大変お世話になり、ありがとうございました。又、こちらへお見えになった皆様には心より感謝申し上げます。引っ越し後も引き続きよろしくお願いいたします。