王曰先生少之乎
斉威王田因斉曰く「先生はこれを少ないとするのですか?」と。
髡曰何敢王曰笑豈有說乎
淳于髡曰く、「どうして敢(あ)えて」と。斉威王田因斉「笑ったのはいったいわけが有るのですか?」と。
髡曰今者臣從東方來見道傍有禳田者
淳于髡曰く、「今、わたしは東方から来て、道の傍(かたわ)らに田を御祓(おはら)いしている者が有り、
操一豚蹄酒一盂祝曰
一つの豚の蹄(ひづめ)と、酒一わんを手に持っているのを見ました。祈(いの)って曰く、
甌窶滿篝汙邪滿車五穀蕃熟穰穰滿家
『高地の狭い畑では竹かごが満たされ、低くてかたむいた畑では車に満たされ、五穀は茂って熟(う)れ、穣穣(じょうじょう)と豊富に家に満たされますように』と。
臣見其所持者狹而所欲者奢故笑之
わたしはその持つところの者が少なくて、欲するところの者が奢(おご)っているのを見て、故(ゆえ)に笑ったのです」と。
於是齊威王乃益齎黃金千溢白璧十雙車馬百駟
ここに於いて斉威王田因斉はそこで贈り物の黄金は千溢(溢=片手にいっぱいの量)、白い璧(へき)は十対(つい)、車馬は四頭立て馬車百台に増やした。
髡辭而行至趙
淳于髡は辞して行き、趙に至った。
趙王與之精兵十萬革車千乘
趙王はこれに精兵十万人、革車(革でおおった兵車)千台を与(あた)えた。
楚聞之夜引兵而去
楚はこれを聞いて、夜に兵を引いて去った。
威王大說置酒後宮召髡賜之酒
斉威王田因斉は大いに喜んで、酒宴を後宮に準備し、淳于髡を召(め)してこれに酒を賜(たまわ)わった。
問曰先生能飲幾何而醉
問うて曰く、「先生はどのくらい飲めば酔うことができますか?」と。
對曰臣飲一斗亦醉一石亦醉
応(こた)えて曰く、「わたしは一斗を飲んでもまた酔い、一石(十斗)でもまた酔います」と。
威王曰先生飲一斗而醉
斉威王田因斉曰く、「先生は、一斗を飲んで酔うならば、
惡能飲一石哉其說可得聞乎
どうして一石を飲むことができるのかな。そのわけは聞かせてもらえることができるだろうか」と。
斉威王田因斉曰く「先生はこれを少ないとするのですか?」と。
髡曰何敢王曰笑豈有說乎
淳于髡曰く、「どうして敢(あ)えて」と。斉威王田因斉「笑ったのはいったいわけが有るのですか?」と。
髡曰今者臣從東方來見道傍有禳田者
淳于髡曰く、「今、わたしは東方から来て、道の傍(かたわ)らに田を御祓(おはら)いしている者が有り、
操一豚蹄酒一盂祝曰
一つの豚の蹄(ひづめ)と、酒一わんを手に持っているのを見ました。祈(いの)って曰く、
甌窶滿篝汙邪滿車五穀蕃熟穰穰滿家
『高地の狭い畑では竹かごが満たされ、低くてかたむいた畑では車に満たされ、五穀は茂って熟(う)れ、穣穣(じょうじょう)と豊富に家に満たされますように』と。
臣見其所持者狹而所欲者奢故笑之
わたしはその持つところの者が少なくて、欲するところの者が奢(おご)っているのを見て、故(ゆえ)に笑ったのです」と。
於是齊威王乃益齎黃金千溢白璧十雙車馬百駟
ここに於いて斉威王田因斉はそこで贈り物の黄金は千溢(溢=片手にいっぱいの量)、白い璧(へき)は十対(つい)、車馬は四頭立て馬車百台に増やした。
髡辭而行至趙
淳于髡は辞して行き、趙に至った。
趙王與之精兵十萬革車千乘
趙王はこれに精兵十万人、革車(革でおおった兵車)千台を与(あた)えた。
楚聞之夜引兵而去
楚はこれを聞いて、夜に兵を引いて去った。
威王大說置酒後宮召髡賜之酒
斉威王田因斉は大いに喜んで、酒宴を後宮に準備し、淳于髡を召(め)してこれに酒を賜(たまわ)わった。
問曰先生能飲幾何而醉
問うて曰く、「先生はどのくらい飲めば酔うことができますか?」と。
對曰臣飲一斗亦醉一石亦醉
応(こた)えて曰く、「わたしは一斗を飲んでもまた酔い、一石(十斗)でもまた酔います」と。
威王曰先生飲一斗而醉
斉威王田因斉曰く、「先生は、一斗を飲んで酔うならば、
惡能飲一石哉其說可得聞乎
どうして一石を飲むことができるのかな。そのわけは聞かせてもらえることができるだろうか」と。