Quantcast
Channel: 倭人伝を解く
Viewing all articles
Browse latest Browse all 2176

王曰先生少之乎

$
0
0
王曰先生少之乎

斉威王田因斉曰く「先生はこれを少ないとするのですか?」と。

髡曰何敢王曰笑豈有說乎

淳于髡曰く、「どうして敢(あ)えて」と。斉威王田因斉「笑ったのはいったいわけが有るのですか?」と。

髡曰今者臣從東方來見道傍有禳田者

淳于髡曰く、「今、わたしは東方から来て、道の傍(かたわ)らに田を御祓(おはら)いしている者が有り、

操一豚蹄酒一盂祝曰

一つの豚の蹄(ひづめ)と、酒一わんを手に持っているのを見ました。祈(いの)って曰く、

甌窶滿篝汙邪滿車五穀蕃熟穰穰滿家

『高地の狭い畑では竹かごが満たされ、低くてかたむいた畑では車に満たされ、五穀は茂って熟(う)れ、穣穣(じょうじょう)と豊富に家に満たされますように』と。

臣見其所持者狹而所欲者奢故笑之

わたしはその持つところの者が少なくて、欲するところの者が奢(おご)っているのを見て、故(ゆえ)に笑ったのです」と。

於是齊威王乃益齎黃金千溢白璧十雙車馬百駟

ここに於いて斉威王田因斉はそこで贈り物の黄金は千溢(溢=片手にいっぱいの量)、白い璧(へき)は十対(つい)、車馬は四頭立て馬車百台に増やした。

髡辭而行至趙

淳于髡は辞して行き、趙に至った。

趙王與之精兵十萬革車千乘

趙王はこれに精兵十万人、革車(革でおおった兵車)千台を与(あた)えた。

楚聞之夜引兵而去

楚はこれを聞いて、夜に兵を引いて去った。

威王大說置酒後宮召髡賜之酒

斉威王田因斉は大いに喜んで、酒宴を後宮に準備し、淳于髡を召(め)してこれに酒を賜(たまわ)わった。

問曰先生能飲幾何而醉

問うて曰く、「先生はどのくらい飲めば酔うことができますか?」と。

對曰臣飲一斗亦醉一石亦醉

応(こた)えて曰く、「わたしは一斗を飲んでもまた酔い、一石(十斗)でもまた酔います」と。

威王曰先生飲一斗而醉

斉威王田因斉曰く、「先生は、一斗を飲んで酔うならば、

惡能飲一石哉其說可得聞乎

どうして一石を飲むことができるのかな。そのわけは聞かせてもらえることができるだろうか」と。

Viewing all articles
Browse latest Browse all 2176

Trending Articles