然後聖人作為鞉鼓椌楬壎篪此六者音之音也
然(しか)る後、聖人は鞉(ふりつづみ)、鼓(つづみ)、椌(柷(しゅく)の小さいもの)、楬(たてふだ)、壎(土笛)、篪(ちの笛)を為して作り、この六者は徳音の音(曲)である。
然後鐘磬竽瑟以和之干戚旄狄以舞之
然(しか)る後に、鐘(かね)、磬(玉や石でへの字形につくり、これをつるしてたたく楽器)、竽(しょうの笛の大きいもの)、瑟(おおごと)がこれに和(わ)するを以ってし、干(たて)と戚(まさかり)、旄(旗)と狄(羽(はね)? 狄(てき)=翟(てき きじの羽)?)はこれを舞うを以ってする。
此所以祭先王之廟也所以獻醻酳酢也
これは、先王の廟(びょう)を祭る所以(ゆえん)であり、主人が返杯を献(けん)じ、客が返杯をさしてすすめる所以(ゆえん)であり、
所以官序貴賤各得其宜也
官の序列、貴賎の各(おのおの)がその宜(よろ)しきを得る所以(ゆえん)であり、
此所以示後世有尊卑長幼序也
これが尊卑、長幼の順序を有して後世に示(しめ)す所以(ゆえん)である。
鐘聲鏗鏗以立號號以立以立武
鐘(かね)の声(ひびき)は鏗(澄んだ音)で、鏗(澄んだ音)は号令を立てるを以ってし、号令は横(水平に広がる)を立てるを以ってし、横(水平に広がる)すれば武(ぶ)を立てるを以ってする。
君子聽鐘聲則思武臣
君子が鐘(かね)の声(ひびき)を聴けば、武臣を思う。
石聲硁硁以立別別以致死
磬(玉や石でへの字形につくり、これをつるしてたたく楽器)の声(ひびき)は硁(石を打つ音)で、硁(石を打つ音)は別(わか)れを立てるを以ってし、別(わか)れは死を致(いた)すを以ってする。
君子聽磬聲則思死封疆之臣
君子が磬(玉や石でへの字形につくり、これをつるしてたたく楽器)の響(ひび)きを聴けば、封疆(境界)で死んだ臣を思う。
絲聲哀哀以立廉廉以立志
糸(弦)の声(響き)は哀(かな)しく、哀(かな)しいは廉(行いが清らかである)を立てるを以ってし、廉(行いが清らかである)は志(こころざし)を立てるを以ってする。
君子聽琴瑟之聲則思志義之臣
君子が琴(こと)瑟(おおごと)の声(ひびき)を聴けば、義(ぎ)を志(こころざ)す臣を思う。
竹聲濫濫以立會會以聚眾
竹(管楽器)の声(響き)は濫(あふれる)で、濫(あふれる)は会(あ)うを立てるを以ってし、
会(あ)うは多くを集めるを以ってする。
君子聽竽笙簫管之聲則思畜聚之臣
君子が竽(しょうの笛の大きいもの)笙(しょうの笛)簫管(しょうの笛)の声(ひびき)を聴けば家畜を集める臣を思う。
鼓鼙之聲讙讙以立動動以進眾
鼓(つづみ)、鼙(攻めつづみ)の声(響き)は讙(かまびすしい)で、讙(かまびすしい)は動くを立てるを以ってし、動くは衆人を進(すす)めるを以ってする。
君子聽鼓鼙之聲則思將帥之臣
君子が鼓(つづみ)鼙(攻めつづみ)の声(響き)を聴けば将帥(しょうすい)の臣を思う。
君子之聽音非聽其鏗鎗而已也彼亦有所合之也
君子が音(曲)を聴くは、その鏗鎗(こうそう 金属や宝玉のふれあう音)を聴いてそれのみでは非(あら)ざるなり、彼(か)のまたこれを合わせるところを有するのであります」と。
然(しか)る後、聖人は鞉(ふりつづみ)、鼓(つづみ)、椌(柷(しゅく)の小さいもの)、楬(たてふだ)、壎(土笛)、篪(ちの笛)を為して作り、この六者は徳音の音(曲)である。
然後鐘磬竽瑟以和之干戚旄狄以舞之
然(しか)る後に、鐘(かね)、磬(玉や石でへの字形につくり、これをつるしてたたく楽器)、竽(しょうの笛の大きいもの)、瑟(おおごと)がこれに和(わ)するを以ってし、干(たて)と戚(まさかり)、旄(旗)と狄(羽(はね)? 狄(てき)=翟(てき きじの羽)?)はこれを舞うを以ってする。
此所以祭先王之廟也所以獻醻酳酢也
これは、先王の廟(びょう)を祭る所以(ゆえん)であり、主人が返杯を献(けん)じ、客が返杯をさしてすすめる所以(ゆえん)であり、
所以官序貴賤各得其宜也
官の序列、貴賎の各(おのおの)がその宜(よろ)しきを得る所以(ゆえん)であり、
此所以示後世有尊卑長幼序也
これが尊卑、長幼の順序を有して後世に示(しめ)す所以(ゆえん)である。
鐘聲鏗鏗以立號號以立以立武
鐘(かね)の声(ひびき)は鏗(澄んだ音)で、鏗(澄んだ音)は号令を立てるを以ってし、号令は横(水平に広がる)を立てるを以ってし、横(水平に広がる)すれば武(ぶ)を立てるを以ってする。
君子聽鐘聲則思武臣
君子が鐘(かね)の声(ひびき)を聴けば、武臣を思う。
石聲硁硁以立別別以致死
磬(玉や石でへの字形につくり、これをつるしてたたく楽器)の声(ひびき)は硁(石を打つ音)で、硁(石を打つ音)は別(わか)れを立てるを以ってし、別(わか)れは死を致(いた)すを以ってする。
君子聽磬聲則思死封疆之臣
君子が磬(玉や石でへの字形につくり、これをつるしてたたく楽器)の響(ひび)きを聴けば、封疆(境界)で死んだ臣を思う。
絲聲哀哀以立廉廉以立志
糸(弦)の声(響き)は哀(かな)しく、哀(かな)しいは廉(行いが清らかである)を立てるを以ってし、廉(行いが清らかである)は志(こころざし)を立てるを以ってする。
君子聽琴瑟之聲則思志義之臣
君子が琴(こと)瑟(おおごと)の声(ひびき)を聴けば、義(ぎ)を志(こころざ)す臣を思う。
竹聲濫濫以立會會以聚眾
竹(管楽器)の声(響き)は濫(あふれる)で、濫(あふれる)は会(あ)うを立てるを以ってし、
会(あ)うは多くを集めるを以ってする。
君子聽竽笙簫管之聲則思畜聚之臣
君子が竽(しょうの笛の大きいもの)笙(しょうの笛)簫管(しょうの笛)の声(ひびき)を聴けば家畜を集める臣を思う。
鼓鼙之聲讙讙以立動動以進眾
鼓(つづみ)、鼙(攻めつづみ)の声(響き)は讙(かまびすしい)で、讙(かまびすしい)は動くを立てるを以ってし、動くは衆人を進(すす)めるを以ってする。
君子聽鼓鼙之聲則思將帥之臣
君子が鼓(つづみ)鼙(攻めつづみ)の声(響き)を聴けば将帥(しょうすい)の臣を思う。
君子之聽音非聽其鏗鎗而已也彼亦有所合之也
君子が音(曲)を聴くは、その鏗鎗(こうそう 金属や宝玉のふれあう音)を聴いてそれのみでは非(あら)ざるなり、彼(か)のまたこれを合わせるところを有するのであります」と。