察日月之行以揆歲星順逆
太陽、月の行(みちすじ)を察(さつ つまびらかにする)して、歳星(木星)の順行と逆行を揆(き みつもる)するを以ってした。
曰東方木主春日甲乙
曰く、東方木(東方の木星)、春を主(しゅ つかさどる)して、日(太陽)は甲乙、と。
義失者罰出歲星
義が失われた者は罰(ばつ)が歳星(木星)から出る。
歲星贏縮以其捨命國
歳星(木星)は贏縮(えいしゅく 進退)して、その、国を命(=明? 照らす)することを捨(す)てるを以ってする。
所在國不可伐可以罰人
国に在(あ)るところは討(う)つべきではなく、人を罰するを以ってすることができる。
其趨舍而前曰贏退舍曰縮
その舎(星宿)を趨(すう 急ぎ足で歩く)して、前に進むは曰く、贏(えい)、舎(星宿)を退くは曰く、縮(しゅく)と。
贏其國有兵不復縮其國有憂將亡國傾敗
贏(えい)すれば、その国は兵(たたかい)が復(ふく もう一度)さないことを有(ゆう)し、
縮(しゅく)すれば、その国は憂(うれ)いを有(ゆう)し将(まさ)に亡(ほろ)ばんとして国が傾敗(けいはい かたむきやぶれる)する。
其所在五星皆從而聚於一舍其下之國可以義致天下
その在(あ)るところ、五星(火星、水星、木星、金星、土星)が皆(みな)従いて一つの舎(星宿)に聚(しゅう あつまる)した時、その下(した)の国は義を以って天下に致(いた)すことができる。
以攝提格歲歲陰左行在寅歲星右轉居丑
攝提格の歳(年)を以ってするに、歳(木星)の陰(いん ものかげ)の星は左に行って寅に在(あ)り、歳星(木星)は右に転じて丑に居(い)る。
正月與斗牽牛晨出東方名曰監
正月、斗(南斗)、牽牛(二十八宿の一つ)とともに東方から出て、名は曰く、監徳、と。
色蒼蒼有光其失次有應見柳
色は蒼蒼(そうそう 青々)として光を有(ゆう)する。その次(じ 順次)を失ったときは、(西方の)柳(鳥注 注は二十八宿の一つ 律書より)を見て応ずるを有(ゆう)する。
歲早水晚旱
歳(木星)が(動きが)早ければ、水害、晩(おそ)ければ、旱魃(かんばつ)。
歲星出東行十二度
歳星(木星)が出て東に十二度行くのは、
百日而止反逆行
百日にして止まり、反(かえ)して逆行し、
逆行八度百日復東行
逆行は八度で、百日。ふたたび東に行く。
歲行三十度十六分度之七
歳(一年)に行くは三十度と十六分度の七。
率日行十二分度之一十二歲而周天
率(りつ おおむね)、一日に行くは十二分度の一、十二年にして天を一周する。
出常東方以晨入於西方用昏
出るは常に東方で、晨(しん よあけ)を以ってし、西方に入るは昏(こん 日暮れ)を用いる。
太陽、月の行(みちすじ)を察(さつ つまびらかにする)して、歳星(木星)の順行と逆行を揆(き みつもる)するを以ってした。
曰東方木主春日甲乙
曰く、東方木(東方の木星)、春を主(しゅ つかさどる)して、日(太陽)は甲乙、と。
義失者罰出歲星
義が失われた者は罰(ばつ)が歳星(木星)から出る。
歲星贏縮以其捨命國
歳星(木星)は贏縮(えいしゅく 進退)して、その、国を命(=明? 照らす)することを捨(す)てるを以ってする。
所在國不可伐可以罰人
国に在(あ)るところは討(う)つべきではなく、人を罰するを以ってすることができる。
其趨舍而前曰贏退舍曰縮
その舎(星宿)を趨(すう 急ぎ足で歩く)して、前に進むは曰く、贏(えい)、舎(星宿)を退くは曰く、縮(しゅく)と。
贏其國有兵不復縮其國有憂將亡國傾敗
贏(えい)すれば、その国は兵(たたかい)が復(ふく もう一度)さないことを有(ゆう)し、
縮(しゅく)すれば、その国は憂(うれ)いを有(ゆう)し将(まさ)に亡(ほろ)ばんとして国が傾敗(けいはい かたむきやぶれる)する。
其所在五星皆從而聚於一舍其下之國可以義致天下
その在(あ)るところ、五星(火星、水星、木星、金星、土星)が皆(みな)従いて一つの舎(星宿)に聚(しゅう あつまる)した時、その下(した)の国は義を以って天下に致(いた)すことができる。
以攝提格歲歲陰左行在寅歲星右轉居丑
攝提格の歳(年)を以ってするに、歳(木星)の陰(いん ものかげ)の星は左に行って寅に在(あ)り、歳星(木星)は右に転じて丑に居(い)る。
正月與斗牽牛晨出東方名曰監
正月、斗(南斗)、牽牛(二十八宿の一つ)とともに東方から出て、名は曰く、監徳、と。
色蒼蒼有光其失次有應見柳
色は蒼蒼(そうそう 青々)として光を有(ゆう)する。その次(じ 順次)を失ったときは、(西方の)柳(鳥注 注は二十八宿の一つ 律書より)を見て応ずるを有(ゆう)する。
歲早水晚旱
歳(木星)が(動きが)早ければ、水害、晩(おそ)ければ、旱魃(かんばつ)。
歲星出東行十二度
歳星(木星)が出て東に十二度行くのは、
百日而止反逆行
百日にして止まり、反(かえ)して逆行し、
逆行八度百日復東行
逆行は八度で、百日。ふたたび東に行く。
歲行三十度十六分度之七
歳(一年)に行くは三十度と十六分度の七。
率日行十二分度之一十二歲而周天
率(りつ おおむね)、一日に行くは十二分度の一、十二年にして天を一周する。
出常東方以晨入於西方用昏
出るは常に東方で、晨(しん よあけ)を以ってし、西方に入るは昏(こん 日暮れ)を用いる。