史記 歴書 始め
昔自在古歷建正作於孟春 昔、古(いにしえ)に在(あ)るより、歴(天体の運行)は正(=政? 基準)を孟春(春の初め)に建(た)てた。 於時冰泮發蟄百草奮興秭鳺先滜 時(とき)は氷(こおり)が溶(と)けて、蟄(冬眠していた虫)が目をさまし、多くの草(くさ)が奮(ふる)い興(おこ)り、秭鳺(子規鳥=うぐいす)が滜(沢、沼)に先(さき)んずる。 物乃歲具生於東次順四時卒于冬分...
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少暤氏之衰也九黎亂民神雜擾 少暤氏(しょうこうし 黄帝の長男 玄囂(青陽))が衰(おとろ)えて、九黎(官名)が徳を乱(みだ)し、民、神が雜擾(ざつじょう)といりみだれ、 不可放物禍菑薦至莫盡其氣 物に倣(ほう まねる)することができず、禍菑(かさい わざわい)は薦(せん しばしば)至り、その気を尽(ことごと)くして莫(ばく なにもない)した。顓頊受之乃命南正重司天以屬神 帝顓頊(せんぎょく...
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夏正以正月殷正以十二月周正以十一月 夏の正(年のはじめ)は正月を以ってし、殷の正(年のはじめ)は十二月を以ってし、周の正(年のはじめ)は十一月を以ってした。 蓋三王之正若循環窮則反本 思うに三王朝の正(年のはじめ)は循環するがごとく、窮(きわ)まれば本(もと)に返(かえ)るだろう。 天下有道則不失紀序 天下に道が有れば、紀序(きじょ 順序を記す)を失わず、 無道則正朔不行於諸侯...
View Article而亦因秦滅六國兵戎極煩
而亦因秦滅六國兵戎極煩 しこうして、また秦に因(よ)りて六国を滅ぼし、兵戎(戦乱)は煩(わずら)わしさを極(きわ)め、 又升至尊之日淺未暇遑也 至尊(しそん 天子の敬称)を昇(のぼ)す日は浅(あさ)く、未(ま)だ暇遑(いとま)がなかった。 而亦頗推五勝而自以為獲水之瑞 しこうして、また頗(すこぶ)る五勝を推(お)し進め、しこうして、自ら水徳の瑞(めでたい前しらせ)を獲(え)たと思い、...
View Article至孝文時魯人公孫臣
至孝文時魯人公孫臣以終始五上書 漢孝文帝劉恒の時に至り、魯人の公孫臣が五徳を終始(しゅうし しまいまでやりとおす)するを以って上書し、 言漢得土宜更元改正朔易服色 言った、「漢は土徳を得ており、宜(よろ)しく元(元号)を改(あらた)め、正朔(年のはじめと月のはじめ)を改(あらた)め、服色を変えるべきです。 當有瑞瑞黃龍見事下丞相張蒼 まさに瑞(ずい めでたい前しらせ)があり、瑞(ずい...
View Article朕唯未能循明也紬績日分
朕唯未能循明也紬績日分 朕はただ未だ、順明(循(じゅん)=順(じゅん)?)するは、日の分を紬績(ちゅうせき つむぐ)することができず、 率應水之勝今日順夏至 とうとう水徳の勝(勝(しょう)=祥(しょう)?=瑞 前知らせ)に応じた。今、日は夏正(夏至=夏正? )に順(じゅん)ずる。 黃鐘為宮林鐘為徵太蔟為商...
View Article歷術甲子篇太初元年
歷術甲子篇太初元年 歴術の甲子篇(十干と十二支を組み合わせた60周期篇)の、太初元年は、歲名焉逢攝提格月名畢聚 歳(とし)名は、焉逢(甲)攝提格(寅)、月名は、畢聚、 日得甲子夜半朔旦冬至 日は甲子(きのえね)を得て、夜半に朔旦(新月)冬至(とうじ)になった。 正北十二無大餘無小餘 正北、(一年は)十二ヶ月、大(月の日)の余(あま)りは無く、小(月の日の端数)の余りは無く、 無大餘無小餘...
View Article十二大餘五十六小餘一百八十四
以下訳は省略します。 十二大餘五十六小餘一百八十四大餘五十七小餘二十四端蒙(乙)赤奮若(丑)四年 十二大餘五十小餘五百三十二大餘三無小餘游兆攝提格征和元年 閏十三大餘四十四小餘八百八十大餘八小餘八彊梧單閼二年 十二大餘八小餘七百八十七大餘十三小餘十六徒維執徐三年 十二大餘三小餘一百九十五大餘十八小餘二十四祝犁大芒落四年 閏十三大餘五十七小餘五百四十三大餘二十四無小餘商敦牂後元元年...
View Article史記 天官書 始め
中宮天極星其一明者太一常居也 中宮(ちゅうぐう)の天の極(最上)の星で、その一(はじめ)に明るいものは、太一(おそらくシリウス)が常(つね)に居(い)るのである。 旁三星三公或曰子屬 傍(かたわ)らの三つの星(おそらくオリオン座の三星)は三人の公で、或(あ)るものは曰く、子供たち、と。 後句四星末大星正妃 後ろの句(く...
View Article北斗七星所謂旋璣玉衡以齊七政
北斗七星所謂旋璣玉衡以齊七政 北斗七星は所謂(いわゆる)、「璿璣(せんき 天文を測る機械)玉衡(璣衡きこう 球体の表面に天文をえがきこれを回転させて天文を観測する機械 )は七政(七正)を整えるを以ってする」である。 杓攜龍角衡殷南斗魁枕參首 杓(ひしゃくの柄の持つところの二星を直線で結んだ線)は龍角(おそらくアークツルス)に携(けい...
View Article斗魁戴匡六星曰文昌宮
斗魁戴匡六星曰文昌宮 斗(北斗七星)の魁(口の部分の第一星)は、六つの星に匡(きょう 助ける)し戴(いただ)かれて、 曰く、文昌宮、と。 一曰上將二曰次將三曰貴相四曰司命五曰司中六曰司祿 最初の星曰く、上将、二番目の星曰く、次将、三番目の星曰く、貴相、四番目の星曰く、司命、五番目の星曰く、司中、六番目の星曰く、司禄、と。 在斗魁中貴人之牢...
View Article東宮蒼龍房心
東宮蒼龍房心 東宮は蒼龍で、房、心。 心為明堂大星天王前後星子屬 心(さそり座のあたり?)で明堂と為し、大きい星は天王(アンタレス?)で、前後の星は子供の属(ぞく)。 不欲直直則天王失計 真っ直ぐを欲さず、真っ直ぐになれば、天王(アンタレス?)は計(はか)りごとを失う。 房為府曰天駟其陰右驂 房は府(ふ)と為し、曰く、天の駟(四頭立て馬車)、と。その陰(いん 暗い)のは、右驂(御者の右に乗る護衛)。...
View Article南宮朱鳥權衡
南宮朱鳥權衡 南宮は朱鳥で、権(おもり)、衡(さお)。 衡太微三光之廷 (南宮の)衡は、太微(非常に星が少ない? デネボラ、レグルスの下あたり)で、三光(太陽、月、五星)の廷(庭 軌道)。 匡衛十二星藩臣 (中宮の)匡衛(助けまもる)十二の星は,藩臣(はんしん)で、 西將東相 西側は将軍、東側は相(大臣)、 南四星執法 南側の四つの星は法を執(と)る。 中端門 中間は、端門(中宮の宮殿の正門...
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東井為水事 東の井(井戸)は水事を為す。 其西曲星曰鉞 その西の曲(=極(きょく)?)星(プロキオン?)は曰く、鉞(まさかり)と、と。 鉞北北河南南河兩河天闕為關梁 鉞(プロキオン?)は、北は北河(端門の北門のところ?)で、南は南河(端門の南門のところ?)で、二つの河、天闕(天の門、端門)の間(あいだ)の関梁(橋げた?)と為す。 輿鬼鬼祠事中白者為質...
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西宮咸池曰天五潢 西宮は咸池(天の川の池?咸(かん)=漢(かん)?)で、曰く、天の五潢(潢=いけ)、と。 五潢五帝車舍 五潢は五帝の車が泊まる。 火入旱金兵水水 火星が入ると、旱(旱魃(かんばつ))、金星は兵(戦い)、水星は水(洪水)。 中有三柱;柱不具兵起 中には三つの柱(はしら)が有り、柱が具(そろう)さないと、兵(戦い)が起こる。 奎曰封豕為溝瀆婁為聚眾...
View Article畢曰罕車為邊兵主弋獵
畢曰罕車為邊兵主弋獵 畢(おそらく二十八宿の一つ濁にあたる 律書より)は、曰く、罕車(旗車)、と。辺境の戦いと為し、 弋(ほこ)猟(ゆみ)を主(しゅ つかさどる)する。 其大星旁小星為附耳 その大きな星(おそらくアルデバラン)の傍(かたわ)らの小さな星は附耳(耳を附(つ)ける)と為す。 附耳搖動有讒亂臣在側 附耳が揺動(ようどう)すれば、讒乱(ざんらん...
View Article北宮玄武虛危
北宮玄武虛危 北宮は玄武で、虚(二十八宿の一つ)、危(二十八宿の一つ)。 危為蓋屋虛為哭泣之事 危は蓋屋(屋根を蓋(おお)う)と為す。虚は哭泣の事と為す。 其南有眾星曰羽林天軍 その南には衆(多くの)星が有り(みざがめ座のあたり?)、曰く、羽林天軍、と。 軍西為壘或曰鉞 軍の西は壘(るい とりで)と為す。或(あ)るものは曰く、鉞(まさかり)と、 旁有一大星為北落...
View Article杵臼四星在危南
杵臼四星在危南 杵(きね)、臼(うす)四つの星は危の南に在(あ)る。 匏瓜有青星守之魚鹽貴 匏瓜(ほうか ひょうたん)は青黒星が有ってこれを守り、魚塩が貴ばれる。 南斗為廟其北建星 南斗(いて座)は廟(びょう)と為し、その北は建星(二十八宿の一つ 律書より) 建星者旗也 建星とは、旗である。 牽牛為犧牲其北河鼓 牽牛(牛をひく 二十八宿の一つ 律書より...
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察日月之行以揆歲星順逆 太陽、月の行(みちすじ)を察(さつ つまびらかにする)して、歳星(木星)の順行と逆行を揆(き みつもる)するを以ってした。 曰東方木主春日甲乙 曰く、東方木(東方の木星)、春を主(しゅ つかさどる)して、日(太陽)は甲乙、と。 義失者罰出歲星 義が失われた者は罰(ばつ)が歳星(木星)から出る。歲星贏縮以其捨命國 歳星(木星)は贏縮(えいしゅく 進退)して、その、国を命(=明?...
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