又東北二百里曰剡山

又東北二百里曰剡山多金玉

また東北に二百里（一里１５０ｍ換算で約３０ｋｍ）、曰く剡山と。金玉（金属や玉）が多い。

有獸焉其狀如彘而人面

獣がいて、その状（かたち）は貂（テン　彘（チー）＝貂（チョウ）？）の如（ごと）くにして人のような面（かお）で、

黃身而赤尾其名曰合窳其音如嬰兒

黄色い身（からだ）にして茶色い（赤（チー）＝茶（チャー）？）い尾（しっぽ）で、その名は曰く合窳と。その音（鳴き声）は嬰児（赤ん坊）の如（ごと）し。

是獸也食人亦食蟲蛇見則天下大水

この獣は人を襲う（食（シー）＝襲（シー）？）。また虫（むし）、鳥（とり　蛇（タ）＝鳥（テウ）？）を食べ、見（あらわれる）れば天下は大水（おおみず）になる。（おそらくキエリテン？）

又東二百里曰太山上多金玉木

また東へ二百里（一里１５０ｍ換算で約３０ｋｍ）、曰く太山と。上には金玉（金属や玉）、木（ねずみもち）が多い。

有獸焉其狀如牛而白首一目而蛇尾其名曰蜚

獣がいて、その状（かたち）は禺（＝狖（イタチ）　牛（ギュウ）＝禺（グウ）？）の如（ごと）くにして、白い首（あたま）で、狖（いたち　一（イツ）＝狖（イウ）？）のような目（め）にして狖（いたち　蛇（イー）＝狖（イウ）？）のような尾（しっぽ）で、その名は曰く蜚と。

行水則竭行草則死見則天下大疫

水（川）を行けば滑（すらすらと通る(泳ぐ）さま　竭（カツ）＝滑（カツ）？）として、山（やま　草（サウ）＝山（サン）？）を行けば、上（木にのぼる　死（スー）＝上（ショウ）？）し、見（あらわれる）れば天下は大疫（疫病の大流行）になる。（おそらくヨーロッパケナガイタチ？）

鉤水出焉而北流注于勞水其中多鱃魚

鉤水が出でて、そして北に流れて労水に注ぐ。その中には鱃魚（ハイイロペリカン？既出）が多い。

凡東次四經之首自北號之山至于大山凡八山一千七百二十里

凡（およ）そ東次四経の首（依拠する）は北号の山より大山（太山）に至るまでの、凡（およ）そ八つの山で、一千七百二十里（一里１５０ｍ換算で約２５８ｋｍ）。

東經之山志凡四十六山萬八千八百六十里

東経の山の志（おぼえがき）は凡（およ）そ四十六の山で、一万八千八百六十里（一里１５０ｍ換算で約２８２９ｋｍ）である。


今日で山海経　東山経は終わりです。明日からは中山経に入ります。