Quantcast
Channel: 倭人伝を解く
Viewing all articles
Browse latest Browse all 2176

季布弟季心氣蓋關中遇人恭謹

$
0
0
季布弟季心氣蓋關中遇人恭謹

季布の弟の季心は、人気は関中を蓋(おお)い、人にもてなすは恭(うやうや)しく謹(つつし)み、

為任俠方數千里士皆爭為之死

男気を為し、四方数千里、士は皆(みな)争って命がけでこの為(ため)にした。

嘗殺人亡之吳從袁絲匿

嘗(かつ)て人を殺し、逃げて呉に行き、袁絲に従(したが)って匿(かくま)われた。

長事袁絲弟畜灌夫籍福之屬

長く袁絲に仕(つか)え、灌夫、籍福の仲間を弟子にして養(やしな)った。

嘗為中司馬中尉郅都不敢不加禮

嘗(かつ)て中司馬に為ったとき、中尉郅都は敢(あ)えて礼を加えないことはなかった。

少年多時時竊籍其名以行當是時

少年たちの多くが時々、ひそかにその名をかりて行うを以ってした。まさにこの時、

季心以勇布以諾著聞關中

李心は勇(いさ)ましさを以って、季布は承諾(しょうだく)を以って、関中に著(いちじる)しく聞こえた。

季布母弟丁公為楚將

季布の母の弟の丁公は楚将と為った。

丁公為項羽逐窘高祖彭城西

楚将丁公は項羽の為(ため)に彭城の西で漢高祖劉邦を追いかけてゆきづまらせ、

短兵接高祖急顧丁公曰

刀剣兵が近づき、漢高祖劉邦はさしせまって、楚将丁公を顧(かえり)みて曰く、

兩賢豈相戹哉

「二人の賢者がどうして相(あい)苦しむのかな」と。

於是丁公引兵而還漢王遂解去

ここに於いて楚将丁公は兵を引いて、還(かえ)った。漢王劉邦は遂(つい)に解(と)かれて去(さ)った。

及項王滅丁公謁見高祖

項王(項羽)が滅ぶに及(およ)んで、楚将丁公は漢高祖劉邦に謁見(えっけん)した。

高祖以丁公徇軍中曰丁公為項王臣不忠

漢高祖劉邦は楚将丁公を以って軍じゅうに広く知らせた、曰く、「丁公は項王(項羽)の臣下として不忠(ふちゅう)で、

使項王失天下者乃丁公也

項王(項羽)をして天下を失(うしな)わせたのは、すなわち丁公である」と。

遂斬丁公曰使後世為人臣者無效丁公

遂(つい)に楚将丁公を斬り、曰く、「後世の人の臣下と為る者をして、丁公をまねること無かれ」と。

Viewing all articles
Browse latest Browse all 2176

Trending Articles