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數上書孝文時言削諸侯事及法令可更定者

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數上書孝文時言削諸侯事及法令可更定者

たびたび漢孝文帝劉恒時に上書して、諸侯を削(けず)る事、及び法令の改(あらた)めて定めるべきものを言い、

書數十上孝文不聽然奇其材遷為中大夫

数十(すうじゅう)回書いてたてまつったが、漢孝文帝劉恒は聴き入れなかった。然(しか)るにその才能を奇として、遷(うつ)して漢中大夫と為した。

當是時太子善錯計策袁盎諸大功臣多不好錯

まさにこの時、漢太子(劉啓)は漢中大夫鼂錯の計策を善(よ)しとし、袁盎、諸(もろもろ)の大功臣は多くが漢中大夫鼂錯を好まなかった。

景帝即位以錯為內史

漢孝景帝劉啓が即位すると、漢中大夫鼂錯を以って内史と為した。

錯常數請言事輒聽寵幸傾九卿法令多所更定

漢内史鼂錯はいつもひそかに事(こと)を言うをたびたび請(こ)い、そのたびごとに聴き入れられ、寵幸は九卿を弱まらせ、法令の多くが改(あらた)めて定めた所であった。

丞相申屠嘉心弗便力未有以傷

漢丞相申屠嘉の心は安(やす)らかではなかったが、力(ちから)は未(ま)だ傷(きず)つけるを以ってするにはなかった。

內史府居太上廟壖中門東出不便

內史府は漢太上廟(高祖の父の廟)の壖(垣にそったまわりの低い土地)の中に居(お)り、東に出る門は、不便だった。

錯乃穿兩門南出鑿廟壖垣

漢内史鼂錯はそこで、南に出る二つの門を穿(うが)ち、廟の壖垣に穴(あな)をあけた。

丞相嘉聞大怒欲因此過為奏請誅錯

漢丞相申屠嘉は聞くと、大いに怒り、この過(あやま)ちに因(よ)りて奏上を為して、漢内史鼂錯を誅(ちゅう)することを請(こ)おうと欲した。

錯聞之即夜請具為上言之

漢内史鼂錯はこれを聞き、すぐに夜、具(つぶさ)に上言するために間(ま)を請(こ)うた。

丞相奏事因言錯擅鑿廟垣為門請下廷尉誅

漢丞相申屠嘉が事(こと)を奏(かな)でるは、因(よ)りて、漢内史鼂錯が廟垣を思うままに穴をあけて門を作ったことを言い、廷尉に下(くだ)して誅(ちゅう)することを請(こ)うた。

上曰此非廟垣乃壖中垣不致於法

上(漢孝景帝劉啓)曰く、「これは廟垣ではなく、すなわち壖中垣であり、法(ほう)にはかけられない」と。

丞相謝罷朝怒謂長史曰

漢丞相申屠嘉は謝(しゃ)した。朝廷を退出すると、怒って漢長史に謂(い)った、曰く、

吾當先斬以聞乃先請為兒所賣固誤

「吾(われ)はまさに先(さき)に斬って申し上げるを以ってするべきであった。すなわち先(さき)に請(こ)うたので、小僧のあざむかれるところと為ってしまったのは、まことに誤(あやま)りであった」と。

丞相遂發病死錯以此愈貴

漢丞相申屠嘉は遂(つい)に病(やまい)を発して死んだ。漢内史鼂錯はこれを以っていよいよ貴(とうと)ばれていった。

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