今日二回目の投稿になります。
陳王使使者賀趙令趣發兵西入關
陳(張楚)王陳勝は使者をつかわして趙を祝賀させ、兵を発して西へ関に入るよう促(うなが)した。
張耳陳餘說武臣曰王王趙
趙右丞相張耳、趙大将軍陳余は趙王武臣に説(と)いた曰く、「王が趙で王になるは、
非楚意特以計賀王楚已滅秦
楚の意(い)では非(あら)ず、ただ計(はか)りごとを以って王を祝賀しているだけです。楚が秦を滅ぼし終えたら、
必加兵於趙願王毋西兵北徇燕代
必ず戦いを趙に加(くわ)えることでしょう。願わくは王は西に戦うことなかれ。北に燕、代、を求め、
南收河內以自廣趙南據大河北有燕代
南に河内を収(おさ)めて自らを広(ひろ)げるを以ってするのです。趙が南に大河に拠(よ)り、北に燕、代を有(ゆう)すれば、
楚雖勝秦必不敢制趙
楚が秦に勝ったとしても、必ず敢(あ)えて趙を制(せい)することはないでしょう」と。
趙王以為然因不西兵而使韓廣略燕
趙王武臣はその通りだと思い、因(よ)りて兵を西に進めず、しこうして韓広をして燕を略取させ、
李良略常山張黡略上黨
李良をして常山を略取させ、張黡をして上党を略取させた。
韓廣至燕燕人因立廣為燕王
趙将軍韓広が燕に至(いた)ると、燕人は因(よ)りて趙将軍韓広を立てて燕王と為した。
趙王乃與張耳陳餘北略地燕界
趙王武臣はそこで趙右丞相張耳、趙大将軍陳余とともに北に進み燕の境界で地を略取した。
趙王出為燕軍所得燕將囚之
趙王武臣がこっそりと外出したとき、燕軍の得(え)るところと為った。燕の将軍はこれを囚(とら)え、
欲與分趙地半乃歸王使者往
ともに趙の地を半分に分けたら、そこで趙王武臣を帰そうと欲した。趙使者が往(い)くと、
燕輒殺之以求地張耳陳餘患之
燕はそのたびごとにこれを殺し土地を求めるを以ってした。趙右丞相張耳、趙大将軍陳余はこれを患(うれ)えた。
陳王使使者賀趙令趣發兵西入關
陳(張楚)王陳勝は使者をつかわして趙を祝賀させ、兵を発して西へ関に入るよう促(うなが)した。
張耳陳餘說武臣曰王王趙
趙右丞相張耳、趙大将軍陳余は趙王武臣に説(と)いた曰く、「王が趙で王になるは、
非楚意特以計賀王楚已滅秦
楚の意(い)では非(あら)ず、ただ計(はか)りごとを以って王を祝賀しているだけです。楚が秦を滅ぼし終えたら、
必加兵於趙願王毋西兵北徇燕代
必ず戦いを趙に加(くわ)えることでしょう。願わくは王は西に戦うことなかれ。北に燕、代、を求め、
南收河內以自廣趙南據大河北有燕代
南に河内を収(おさ)めて自らを広(ひろ)げるを以ってするのです。趙が南に大河に拠(よ)り、北に燕、代を有(ゆう)すれば、
楚雖勝秦必不敢制趙
楚が秦に勝ったとしても、必ず敢(あ)えて趙を制(せい)することはないでしょう」と。
趙王以為然因不西兵而使韓廣略燕
趙王武臣はその通りだと思い、因(よ)りて兵を西に進めず、しこうして韓広をして燕を略取させ、
李良略常山張黡略上黨
李良をして常山を略取させ、張黡をして上党を略取させた。
韓廣至燕燕人因立廣為燕王
趙将軍韓広が燕に至(いた)ると、燕人は因(よ)りて趙将軍韓広を立てて燕王と為した。
趙王乃與張耳陳餘北略地燕界
趙王武臣はそこで趙右丞相張耳、趙大将軍陳余とともに北に進み燕の境界で地を略取した。
趙王出為燕軍所得燕將囚之
趙王武臣がこっそりと外出したとき、燕軍の得(え)るところと為った。燕の将軍はこれを囚(とら)え、
欲與分趙地半乃歸王使者往
ともに趙の地を半分に分けたら、そこで趙王武臣を帰そうと欲した。趙使者が往(い)くと、
燕輒殺之以求地張耳陳餘患之
燕はそのたびごとにこれを殺し土地を求めるを以ってした。趙右丞相張耳、趙大将軍陳余はこれを患(うれ)えた。