中庶子聞扁鵲言目眩然而不瞚
虢中庶子は扁鵲の言を聞き、目は眩然としてくらみてまばたきせず、
舌撟然而不下乃以扁鵲言入報虢君
舌(した)は撟然として上がったまま、下(さ)がらず、すなわち扁鵲の言を以って入り虢君に報告した。
虢君聞之大驚出見扁鵲於中闕曰
虢君はこれを聞いて大いに驚き、出て中門に於いて扁鵲に見えて曰く、
竊聞高義之日久矣然未嘗得拜謁於前也
「ひそかに高義(こうぎ)を聞く日々が久(ひさ)しく、然(しか)るに未(いま)だ嘗(かつ)て御前において拝謁(はいえつ)を得られませんでした。
先生過小國幸而舉之偏國寡臣幸甚
先生がわが国に立ち寄られ、幸いにもこれを挙(あ)げてくだり、へんぴな国のわたしは幸いであること甚(はなだ)であります。
有先生則活無先生則棄捐填溝壑
先生がいれば活(い)きかえり、先生がいなければ、すてて溝(みぞ)の穴にうめられ、
長終而不得反言末卒因噓唏
永遠にして生き返れなかったでしょう」と。言葉の末(すえ)にとうとう、よりてすすり泣いて
虢中庶子は扁鵲の言を聞き、目は眩然としてくらみてまばたきせず、
舌撟然而不下乃以扁鵲言入報虢君
舌(した)は撟然として上がったまま、下(さ)がらず、すなわち扁鵲の言を以って入り虢君に報告した。
虢君聞之大驚出見扁鵲於中闕曰
虢君はこれを聞いて大いに驚き、出て中門に於いて扁鵲に見えて曰く、
竊聞高義之日久矣然未嘗得拜謁於前也
「ひそかに高義(こうぎ)を聞く日々が久(ひさ)しく、然(しか)るに未(いま)だ嘗(かつ)て御前において拝謁(はいえつ)を得られませんでした。
先生過小國幸而舉之偏國寡臣幸甚
先生がわが国に立ち寄られ、幸いにもこれを挙(あ)げてくだり、へんぴな国のわたしは幸いであること甚(はなだ)であります。
有先生則活無先生則棄捐填溝壑
先生がいれば活(い)きかえり、先生がいなければ、すてて溝(みぞ)の穴にうめられ、
長終而不得反言末卒因噓唏
永遠にして生き返れなかったでしょう」と。言葉の末(すえ)にとうとう、よりてすすり泣いて