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Channel: 倭人伝を解く
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意家居詔召問

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意家居詔召問所為治病死生驗者幾何人也主名為誰

淳于意が家住まいをしているとき、詔(みことのり)して召し寄せ、病を治(なお)す方法、死生の試(こころ)みた者は幾人(いくにん)で、主(おも)な名は誰であるのかを問うた。

詔問故太倉長臣意方伎所長及所能治病者

詔(みことのり)して前の太倉長臣意(淳于意)に問(と)うた、「医術のうでまえの長ずるところ、及び病を治(なお)すことができたところのものは?

有其書無有皆安受學受學幾何歲

その書は有るのか無いのか?皆(みな)いずこで学問をさずかったのか?学問をさずかったのは何年か?

嘗有所驗何縣里人也何病醫藥已

嘗(かつ)て試(ため)した所の有るものは、何県何里の人であるのか?何の病(やまい)か?医薬がなおすは、

其病之狀皆何如具悉而對臣意對曰

その病(やまい)の症状は皆(みな)どのようなごとくであるのか?ことごとく具(つぶさ)にして応(こた)えよ」と。臣意(淳于意)は応(こた)えて曰く、

自意少時喜醫藥醫藥方試之多不驗者

「わたしの若い時より、医薬を喜び、医薬の術が試(ため)されましたが多くが効能のないものでした。

至高后八年得見師臨菑元里公乘陽慶

漢高后呂雉八年に至り、臨菑元里の公乗陽慶に見(まみ)え師事(しじ)するを得ました。

慶年七十餘意得見事之

陽慶は年七十余歳で、わたしはこれに見(まみ)えて仕(つか)えることを得ました。

謂意曰盡去而方書非是也

わたしに謂(い)いました、『ことごとくなんじの医術書を棄て去りなさい、正しくないからである。

慶有古先道遺傳黃帝扁鵲之脈書

わたしは古(いにしえ)のてびき書が有(あ)るので贈(おく)って、黄帝、扁鵲の脈書、

五色診病知人生死決嫌疑

五色診病で、人の生死を知り、疑(うたが)いを決(き)め、

定可治及藥論書甚精我家給富

治療すべきを定(さだ)めることを伝え、及び薬論書を贈って、甚(はなは)だ詳(くわ)しく伝(つた)えよう。我(わ)が家は余裕が十分にあり、

心愛公欲盡以我禁方書悉教公

心から公を愛(まな)で、我(わ)が秘伝の医術書を以ってことごとく公に教えるを以ってし尽(つ)くすことを欲する』と。

臣意即曰幸甚非意之所敢望也

わたしはすなわち曰く、『非常に幸(しあわ)せであり、わたしの敢(あ)えて望(のぞ)むところでは非(あら)ざるなり』と。

臣意即避席再拜謁受其脈書上下經

わたしはすぐに席(せき)をしりぞいて再拝(さいはい)して求(もと)め、その脈書上下巻、

五色診奇咳術揆度陰陽外變藥論

五色診、奇咳術、揆度(ほかと比べて考えること)陰陽外変、薬論、

石神接陰陽禁書受讀解驗之可一年所

石鍼(神(しん)=鍼(しん)?)、接陰陽禁書をさずかりました。これを読解(どくかい)して試(ため)すことを学び、一年ほどでできるようになりました。

明歲即驗之有驗然尚未精也

明くる年、すなわちこれを試(ため)し、効能が有りましたが、然(しか)るに尚(なお)未(ま)だ詳(くわ)しくなかったので、

要事之三年所即嘗已為人治

これに仕(つか)えること三年ほど要(よう)しました。すなわち、嘗(かつ)てすでに人の為(ため)に治(なお)し、

診病決死生有驗精良

病(やまい)を診(み)て死生を決(けっ)し、すぐれて良い効能が有(あ)ったのです。

今慶已死十年所臣意年盡三年年三十九歲也

今、陽慶はすでに死んで十年ほどで、わたしの年は三年を尽(つ)くして、年三十九歳であります。

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