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Channel: 倭人伝を解く
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陳餘曰吾度前終不能救趙徒盡亡軍

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陳餘曰吾度前終不能救趙徒盡亡軍

趙大将軍陳余曰く、「吾(われ)は前進しても終いまで趙を救うことはできず、無駄に軍を滅ぼし尽(つ)くすだけであると考える。

且餘所以不俱死欲為趙王張君報秦

且(か)つ、わたしがともに死なないことを以ってするところとは、趙王、張君の為(ため)に秦に報(むく)いることを欲しているからだ。

今必俱死如以肉委餓虎何益

今、必ずともに死ぬは、肉を以って餓(う)えた虎(とら)に委(ゆだ)ねるようなもので、どうして
益(えき)になりましょうか」と。

張黶陳澤曰事已急

張黶、陳沢曰く、「事(こと)はすでにさしせまっており、

要以俱死立信安知後慮

要(よう)はともに死んで信(しん)を立(た)てるを以ってすることで、どこに後(のち)の慮(おもんばか)りを知る必要があろうか」と。

陳餘曰吾死顧以為無益

趙大将軍陳余曰く、「吾(われ)の死は顧(かえり)みて無益(むえき)と為すを以ってするだろう。

必如公言乃使五千人令張黶

どうしてもというなら公(こう)の言の如(ごと)くしよう」と。そこで五千人をつかわし、張黶、

陳澤先嘗秦軍至皆沒

陳沢に令(れい)して先(さき)に秦軍に試みさせたが、皆(みな)死ぬに至った。

當是時燕齊楚聞趙急皆來救

ちょうどこの時、燕、斉、楚が趙の急(さしせまった状況)を聞き、皆(みな)救援に来た。

張敖亦北收代兵得萬餘人

(もと陳(張楚)成都君)楚成都君張敖(張耳の子)もまた北に進み、代(地方名)の兵を収(おさ)め、一万余人を得て、

來皆壁餘旁未敢擊秦

来たが、皆(みな)、趙大将軍陳余の傍(かたわ)らで塁壁を築き、未(ま)だ敢(あ)えて秦を撃(う)たないうちに、

項羽兵數絕章邯甬道王離軍乏食

楚上将軍項羽の兵がたびたび秦将章邯の甬道を絶ち、秦将王離軍は食糧に乏(とぼ)しくなり、

項羽悉引兵渡河遂破章邯

楚上将軍項羽はことごとく兵を引き、河を渡(わた)り、遂(つい)に秦将章邯を破(やぶ)った。

章邯引兵解諸侯軍乃敢擊圍鉅鹿秦軍

秦将章邯は兵を引いて解(と)いたので、(救援の)諸侯軍はそこで敢(あ)えて鉅鹿を包囲している秦軍を撃(う)ち、

遂虜王離涉自殺

遂(つい)に秦将王離をいけどりにした。秦将涉間は自殺した。

卒存鉅鹿者楚力也

とうとう鉅鹿城を存(ながら)えさせたのは、楚の力なり。

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