諸國文身各異

諸國文身各異或左或右或大或小尊卑有差

諸国の文身（からだのいれずみ）はおのおの異なり、或いは左、或いは右、或いは大、或いは小と、尊卑に差が有る。

計其道里當在會稽東冶之東

その道里を計るに、会稽（前出の会稽とは同音の別の地だと思います。おそらく音から上海？）東冶の東に在るにちがいない。

其風俗不淫男子皆露紒以木緜招頭

その風俗は、殷（派手　淫（イン）＝殷（イン）？）ではなく、男子は皆、紒（ひもで結ぶ）して立（立てる　露（ルー）＝立（リー）？）て、木綿を以て頭を装（つつむ　招（ショウ）＝装（ショウ）？）する。

其衣幅但結束相連略無縫

その衣は袙腹（はらまき　横（ホン）＝袙（ボー）？　幅（フク）＝腹（フク）？）で、但（ただ）、結束して相（あい）連ね、略（ほぼ）縫わない。

婦人被髮屈紒作衣如單被穿其中央貫頭衣之

婦人は被髪（ざんばら髪）に紒（ひもで結ぶ）して垂（たらす　屈（チュエ）＝垂（チョイ）？）らす。
衣を作るは単被（一重の夜着）の如くで、その中央を穿（穴をあける）ち、頭を通してこれを着る。