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故濟北王阿母自言足熱而懣

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故濟北王阿母自言足熱而懣臣意告曰

前の済北王の乳母(うば)が自(みずか)ら足が熱(あつ)く、もだえ苦しんでいると言い、わたしは告げて曰く、

熱蹶也則刺其足心各三所案之無出血病旋已

『熱蹶であります』と。すなわちその足心の三箇所に出血しないように調べながら(鍼を)刺(さ)し、
病(やまい)はしだいに癒(い)えていきました。

病得之飲酒大醉

病(やまい)は飲酒で大いに酔(よ)ったことから得られたのです。

濟北王召臣意診脈諸女子侍者

済北王はわたしを召し寄せて諸(もろもろ)の女子の侍者の脈を診(み)させました。

至女子豎豎無病

女子のわらべに至り、わらべは病(や)んではいませんでしたが、

臣意告永巷長曰豎傷脾

わたしは永巷長に告げて曰く、『わらべは脾(ひ)が傷ついており、

不可勞法當春嘔血死

労働するべきではありません。病法ではまさに春に血を吐(は)いて死ぬと』と。

臣意言王曰才人女子豎何能

わたしは済北王に言いました、曰く、『芸人である女子のわらべは何ができるのですか?』と。

王曰是好為方多伎能

済北王曰く、『これはまさに方術を為すを好み、技能は多く、

為所是案法新往年市之民所四百七十萬曹偶四人

正すところは方法を案じて新(あら)たにつくり、先年、これを、仲間四人で四百七十万銭
民のところに売り上げた』と。

王曰得毋有病乎臣意對曰

済北王曰く、『病を有することなきを得られるか?』と。わたしは応(こた)えて曰く、

豎病重在死法中王召視之

『わらべの病は重く、死の法では中(ちゅう)に在(あ)ります』と。済北王が召し寄せてこれを
視(み)ると、

其顏色不變以為不然不賣諸侯所

その顔色は変わらず、そうではないと思い、諸侯の所に売りませんでした。

至春豎奉劍從王之廁王去

春に至り、わらべが剣を奉(たてまつ)って済北王に従って厠(かわや)へ行き、済北王が去(さ)るとき、

豎後王令人召之即仆於廁嘔血死

わらべが後(おく)れ、済北王は人に令してこれを召し寄せさせたが、すなわち、厠(かわや)に於いて
たおれ、血を吐(は)いて死んでいました。

病得之流汗流汗者(同)法病內重

病(やまい)は汗(あせ)を流すことを得ました。汗を流すのは、法では病(やまい)は内に重く、

毛發而色澤脈不衰

毛がはねて顔色が濡(ぬ)れて、脈が衰(おとろ)えずは、

此亦(關)內[關]之病也

これもまた内関の病(やまい)なのであります。

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