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濟北王侍者韓女病要背痛寒熱

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濟北王侍者韓女病要背痛寒熱

済北王の侍者の韓の女が腰背痛、寒熱を病(や)み、

眾醫皆以為寒熱也

多くの医者が皆(みな)寒熱だと思いました。

臣意診脈曰內寒月事不下也

わたしは脈を診(み)て曰く、「内(うち)に寒く、月のものが下(さ)がらないのであります』と。

即竄以藥旋下病已

そこで、追放するに薬を以ってし、しだいに下がり、病(やまい)はいえました。

病得之欲男子而不可得也

病(やまい)は男子を欲しても得ることができなかったことから得られたのであります。

所以知韓女之病者診其脈時

韓女の病を知ったわけとは、その脈を診(み)た時、

切之腎脈也嗇而不屬

これを診断して、腎脈であり、つまって続かなかったからです。

嗇而不屬者其來難堅故曰月不下

つまって続かないのは、その脈があがるときに難、堅になり、故(ゆえ)に月のものが下がらないと言い、

肝脈弦出左口故曰欲男子不可得也

肝脈が弦(ぴんと張った琴の弦のような脈)し、左口に出て、故(ゆえ)に男子を欲しても
得ることができないといったのであります。

臨菑氾里女子薄吾病甚

臨菑の氾里の女子の薄吾が病(や)むこと甚(はなは)だしく、

眾醫皆以為寒熱篤當死不治

多くの医者は皆(みな)寒熱篤で、まさに残念ながら治(なお)らないであろうと思いました。

臣意診其脈曰蟯瘕

わたしはその脈を診(み)て曰く、『蟯(ぎょう虫の名)瘕(下痢)です』と。

蟯瘕為病腹大上膚黃麤循之戚戚然

蟯瘕が病(やまい)と為すは、腹(はら)が大きくなり、皮膚は黄色く荒(あ)れて、これを手でなでる
こと戚戚然と心なやませます。

臣意飲以芫華一撮即出蟯可數

わたしは飲ませるに芫華ひとつまみを以ってし、すなわち蟯(ぎょう虫名)を出すこと何度もでき、

病已三十日如故

病はいえて、三十日で前の如(ごと)くになりました。

病蟯得之於寒溼寒溼氣宛篤不發化為蟲

蟯(ぎょう虫名)を病(や)むは寒溼から得て、寒溼の気はたくわえられて重病になって発されず、かわって虫病と為るのです。

臣意所以知薄吾病者切其脈

わたしが薄吾の病(やまい)を知ったわけとは、その脈を診断したとき、

循其尺其尺索刺麤

その手首をなでて、その手首が縄(なわ)のとげのように荒(あ)れて、

而毛美奉發是蟲氣也

そして毛が美しくはねるを助け、これは虫の気であったからです。

其色澤者中藏無邪氣重病

その顔色がしめるのは、中の臓器は邪気が無く重病になるからです。

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