問臣意曰所期病決死生
臣意(淳于意)に問うた、曰く、「病(やまい)を期(き)し死生を決めたところで、
或不應期何故對曰
或(あ)るものは期(き)に応じずは、何故(なぜ)なのか?」と。応(こた)えて曰く、
此皆飲食喜怒不節
「これは皆(みな)飲食、喜怒はころあいがなく、
或不當飲或不當鍼灸
或(あ)るものは飲薬を不当にし、或(あ)るものは鍼灸(しんきゅう)を不当にし、
以故不中期死也
故(ゆえ)を以って期(き)に中(あた)らずに死ぬのであります」と。
問臣意意方能知病死生
臣意(淳于意)に問うた、「あなたの医術は病の死生をみきわめることができ
論藥用所宜諸侯王大臣有嘗問意者不
薬用の宜(よろ)しきところを論(ろん)ずるが、諸侯王、大臣が嘗(かつ)てあなたに問うた者は
有るのか?ないのか?
及文王病時不求意診治何故
斉文王が病(やまい)にかかった時に及んで、あなたに治療を診(み)るを求めなかったのは何故(なぜ)か?」と。
對曰趙王膠西王濟南王
応(こた)えて曰く、「趙王、膠西王、済南王
吳王皆使人來召臣意臣意不敢往
呉王は皆(みな)人をつかわし、わたしを來招させましたが、わたしは敢(あ)えて往(ゆ)きませんでした。
文王病時臣意家貧欲為人治病
斉文王が病(やまい)にかかった時、わたしの家は貧しく、人の為(ため)に病(やまい)を治(なお)そうと欲し、
誠恐吏以除拘臣意也故移名數
誠(まこと)に役人を恐(おそ)れ、わたしに拘(かか)わるを除(のぞ)くを以ってしました。、
故(ゆえ)に戸籍を移(うつ)し、
左右不修家生出行游國中
あちこちと、家で生活するを修(おさ)めず、出て国中をめぐり行き、
問善為方數者事之久矣見事數師
善(よ)く医術を為(な)す数人の者で久(ひさ)しくこれに仕(つか)えることを問(と)い、
数人の先生に仕(つか)えることを見ました。
悉受其要事盡其方書意及解論之
わたしにことごとくその要(かなめ)の事をさずけ、その医術書を尽(つ)くし、これを解(と)いて論(ろん)ずるに及んで、
身居陽虛侯國因事侯
身(み)は陽虚侯の国に居(お)り、因(よ)りて陽虚侯に仕(つか)えました。
侯入朝臣意從之長安
陽虚侯が入朝したとき、わたしは従って長安に行き、
以故得診安陵項處等病也
故(ゆえ)を以って安陵の項処らの病(やまい)を診(み)るを得たのであります」と。
臣意(淳于意)に問うた、曰く、「病(やまい)を期(き)し死生を決めたところで、
或不應期何故對曰
或(あ)るものは期(き)に応じずは、何故(なぜ)なのか?」と。応(こた)えて曰く、
此皆飲食喜怒不節
「これは皆(みな)飲食、喜怒はころあいがなく、
或不當飲或不當鍼灸
或(あ)るものは飲薬を不当にし、或(あ)るものは鍼灸(しんきゅう)を不当にし、
以故不中期死也
故(ゆえ)を以って期(き)に中(あた)らずに死ぬのであります」と。
問臣意意方能知病死生
臣意(淳于意)に問うた、「あなたの医術は病の死生をみきわめることができ
論藥用所宜諸侯王大臣有嘗問意者不
薬用の宜(よろ)しきところを論(ろん)ずるが、諸侯王、大臣が嘗(かつ)てあなたに問うた者は
有るのか?ないのか?
及文王病時不求意診治何故
斉文王が病(やまい)にかかった時に及んで、あなたに治療を診(み)るを求めなかったのは何故(なぜ)か?」と。
對曰趙王膠西王濟南王
応(こた)えて曰く、「趙王、膠西王、済南王
吳王皆使人來召臣意臣意不敢往
呉王は皆(みな)人をつかわし、わたしを來招させましたが、わたしは敢(あ)えて往(ゆ)きませんでした。
文王病時臣意家貧欲為人治病
斉文王が病(やまい)にかかった時、わたしの家は貧しく、人の為(ため)に病(やまい)を治(なお)そうと欲し、
誠恐吏以除拘臣意也故移名數
誠(まこと)に役人を恐(おそ)れ、わたしに拘(かか)わるを除(のぞ)くを以ってしました。、
故(ゆえ)に戸籍を移(うつ)し、
左右不修家生出行游國中
あちこちと、家で生活するを修(おさ)めず、出て国中をめぐり行き、
問善為方數者事之久矣見事數師
善(よ)く医術を為(な)す数人の者で久(ひさ)しくこれに仕(つか)えることを問(と)い、
数人の先生に仕(つか)えることを見ました。
悉受其要事盡其方書意及解論之
わたしにことごとくその要(かなめ)の事をさずけ、その医術書を尽(つ)くし、これを解(と)いて論(ろん)ずるに及んで、
身居陽虛侯國因事侯
身(み)は陽虚侯の国に居(お)り、因(よ)りて陽虚侯に仕(つか)えました。
侯入朝臣意從之長安
陽虚侯が入朝したとき、わたしは従って長安に行き、
以故得診安陵項處等病也
故(ゆえ)を以って安陵の項処らの病(やまい)を診(み)るを得たのであります」と。