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Channel: 倭人伝を解く
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後漢書 烏丸伝 始め

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烏桓者本東胡也漢初匈奴冒頓滅其國餘類保烏桓山因以為號焉

烏桓とは、本(もと)は東胡(東の匈奴)である。漢の初め、匈奴冒頓がその国を滅ぼし、余類(残った仲間)が烏桓山に保(たてこもる)したので、因りて、号と為すを以てした。

俗善騎射弋獵禽獸為事隨水草放牧居無常處以穹廬為舍東開向日

俗は騎射(馬に乗って射ること)が善(上手い)で、禽獣を弋獵(いぐるみ猟)することを事と為す。
水(川)、草に随して放牧し、居は常処(つねにとどまる)が無く、穹廬(匈奴が住む天幕の住居)を以て舎(いえ)と為す。東に日(太陽)に向かって開く。

食肉飲酪以毛毳為衣貴少而賤老其性悍塞

肉を食べ、酪を飲む。毛毳(毛織物)を以て衣(ころも)をつくる。少(わかい)を貴びて老(おい)を賤(さげすむ)する。その性質は悍粗(あらあらしい 塞(サイ)=粗(ソ)?)である。

怒則殺父兄而終不害其母以母有族類父兄無相仇報故也

怒れば父兄を殺すが、終(さいごまで)その母を害さない。母は族類が有るのを以てし、父兄は、仇(あだ)して故(ゆえ)に報いることを相(みる)することが無いからである。

有勇健能理決鬥訟者推為大人無世業相繼

勇健で決闘、訟を理(さばく)する者がいて、推して大人と為す。世(代々)業は相継しない。

邑落各有小帥數百千落自為一部大人有所召呼則刻木為信雖無文字而部眾不敢違犯

邑落には各(おのおの)、小帥がいて、数百千落自で一部落と為す。大人が召呼する所が有って、則ち、木を刻んで信(通信)を為す。文字は無いと雖も、而して、部衆は敢えて違反しない。

氏姓無常以大人健者名字為姓大人以下各自畜牧營產不相傜役

氏姓は常は無く、大人の健者の名字を以て姓と為す。大人以下は、各自、畜牧、営産し、互いに徭役することはない。

其嫁娶則先略女通情或半歲百日然後送牛馬羊畜以為娉幣

その嫁娶は則ち、先に女を率(したがえる 略(リュエ)=率(リュイ)?)して情を通じ、或いは半年百日、然る後に牛馬羊畜を送って、娉幣と為すを以てする

婿隨妻還家妻家無尊卑旦旦拜之而不拜其父母

婿は妻に随して家に還り、妻の家は尊卑は無く、旦旦(毎朝)、これに拝し、而して、その父母から拝すことはない。(不拝自其父母(三国志魏書烏丸伝より)

為妻家僕役一二年妻家乃厚遣送女居處財物一皆為辦

妻の家の僕役を為すこと、一、二年間、妻の家はそこで、厚く女を遣送し、居処の財物は一に皆、幣(贈り物 辦(ハン)=幣(ヘイ)?)と為す。

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