武帝情存遠略志闢四方南誅百越北討強胡西伐大宛東并朝鮮
漢武帝の情は遠略に存(ある)し、四方を闢(ひろげる)することを志し、南に百越を誅し、北に強胡を討ち、西に大宛を伐し、東に朝鮮を併せた。
因文景之蓄藉天下之饒數十年官民俱匱
文帝、景帝の天下の饒を蓄積(籍(せき)=積(セキ)?)すること数十年間に因り、官民は俱(とも)に匱(とぼしい)した。
乃興鹽鐵酒榷之利設告緡重稅之令民不堪命起為盜賊關東紛擾道路不通
そこで、塩、鉄、酒権の利を興して、告緡重稅の令を設けたが、民は命令に堪えられず、起(立ち上がる)きて盗賊と為り、関東は紛擾し、道路は不通になった。
繡衣直指之使奮鈇鉞而並出既而覺悟乃息兵罷役封丞相為富人侯
繡衣直指の使が鉄鉞を奮いて並び出た。既(まもなく)にして、覚悟し、そこで、兵(いくさ)を息(とめる)し、役を罷(やめる)した。丞相を封じて富人侯と為した。
故主父偃曰夫務戰勝窮武事未有不悔者也
故に主父偃が曰く、夫れ、戦勝に務め、武事を窮めて、悔やまなかった者は未だいないのである、と。
夫以世宗神武將相良猛財賦充實所拓廣遠猶有悔焉況今人財並乏事劣昔時乎
夫れ、世宗神武、将相良猛を以て、財賦が充実し、開拓したところが広遠でも、猶(なお)悔やみが有った。況や、今、人、財、並びに乏しく、事は昔時より劣る。
漢武帝の情は遠略に存(ある)し、四方を闢(ひろげる)することを志し、南に百越を誅し、北に強胡を討ち、西に大宛を伐し、東に朝鮮を併せた。
因文景之蓄藉天下之饒數十年官民俱匱
文帝、景帝の天下の饒を蓄積(籍(せき)=積(セキ)?)すること数十年間に因り、官民は俱(とも)に匱(とぼしい)した。
乃興鹽鐵酒榷之利設告緡重稅之令民不堪命起為盜賊關東紛擾道路不通
そこで、塩、鉄、酒権の利を興して、告緡重稅の令を設けたが、民は命令に堪えられず、起(立ち上がる)きて盗賊と為り、関東は紛擾し、道路は不通になった。
繡衣直指之使奮鈇鉞而並出既而覺悟乃息兵罷役封丞相為富人侯
繡衣直指の使が鉄鉞を奮いて並び出た。既(まもなく)にして、覚悟し、そこで、兵(いくさ)を息(とめる)し、役を罷(やめる)した。丞相を封じて富人侯と為した。
故主父偃曰夫務戰勝窮武事未有不悔者也
故に主父偃が曰く、夫れ、戦勝に務め、武事を窮めて、悔やまなかった者は未だいないのである、と。
夫以世宗神武將相良猛財賦充實所拓廣遠猶有悔焉況今人財並乏事劣昔時乎
夫れ、世宗神武、将相良猛を以て、財賦が充実し、開拓したところが広遠でも、猶(なお)悔やみが有った。況や、今、人、財、並びに乏しく、事は昔時より劣る。