仆對曰唯唯臣聞楚有七澤
わたしは応(こた)えて曰く、承知いたしました、わたしは楚には七つの沢が有ると聞きます。
嘗見其一未覩其余也
嘗(かつ)てその一つを見ましたが、未(ま)だその残りを見ておりません。
臣之所見蓋特其小小者耳名曰雲夢
わたしの見たところは、思うに特にその小さな小さなものであるだけで、名は雲夢といいます。
雲夢者方九百里其中有山焉
雲夢というのは、方九百里(一里150m換算で約135km四方)で、その中に山が有ります。
其山則盤紆岪郁隆崇崒
その山はすなわちまるく曲がりくねり、 山がたかくでこぼこでけわしく彩色が美しく、高くそびえて崇高(すうこう)で、
岑巖參差日月蔽虧交錯糾紛上干青雲
でこぼこした峰(みね)は長短ふぞろいで、太陽、月はおおわれて欠(か)け、いりまじり重なりあい、上に青雲(せいうん)をおかし、
罷池陂陁下屬江河
堤(つつみ)にかこまれた水を解き放って、ななめに下(くだ)って江(川名)、河(川名)に注(そそ)ぎます。
其土則丹青赭堊雌黃白坿錫碧金銀
その土(つち)はすなわち朱砂、青土、赤土、白土、硫黄と砒素の混合した黄色い土、白坿(石英、水晶の類)、錫(すず)、青緑色の美しい玉石、金、銀、
眾色燿照爛龍鱗
多くの色が光り輝き、龍の鱗(うろこ)を照(て)らして色鮮やかにきらきらと光り輝くようです。
其石則赤玉玫瑰琳瑉琨珸
その石はすなわち赤玉、美しい赤色の玉、琳瑉(美玉の一種)、琨珸(美玉名)、
瑊玏玄瑌石武夫
瑊玏(玉に似た美しい石)、黒くきめの荒い石、瑌石、武夫であります。
其東則有圃衡蘭芷若射干
その東はすなわち香りのよい草が茂る園が有り、杜衡(かんあおい)、蘭(らん)、芷(よろい草)、若(杜若 やぶしょうが)、 射干(ひおうぎ)
穹窮昌蒲江離
穹窮(芎藭おんなかずら 或いは韮(きゅう にら)? )、昌蒲(あやめ)、江離(おんなかずら 或いはせり?)、
わたしは応(こた)えて曰く、承知いたしました、わたしは楚には七つの沢が有ると聞きます。
嘗見其一未覩其余也
嘗(かつ)てその一つを見ましたが、未(ま)だその残りを見ておりません。
臣之所見蓋特其小小者耳名曰雲夢
わたしの見たところは、思うに特にその小さな小さなものであるだけで、名は雲夢といいます。
雲夢者方九百里其中有山焉
雲夢というのは、方九百里(一里150m換算で約135km四方)で、その中に山が有ります。
其山則盤紆岪郁隆崇崒
その山はすなわちまるく曲がりくねり、 山がたかくでこぼこでけわしく彩色が美しく、高くそびえて崇高(すうこう)で、
岑巖參差日月蔽虧交錯糾紛上干青雲
でこぼこした峰(みね)は長短ふぞろいで、太陽、月はおおわれて欠(か)け、いりまじり重なりあい、上に青雲(せいうん)をおかし、
罷池陂陁下屬江河
堤(つつみ)にかこまれた水を解き放って、ななめに下(くだ)って江(川名)、河(川名)に注(そそ)ぎます。
其土則丹青赭堊雌黃白坿錫碧金銀
その土(つち)はすなわち朱砂、青土、赤土、白土、硫黄と砒素の混合した黄色い土、白坿(石英、水晶の類)、錫(すず)、青緑色の美しい玉石、金、銀、
眾色燿照爛龍鱗
多くの色が光り輝き、龍の鱗(うろこ)を照(て)らして色鮮やかにきらきらと光り輝くようです。
其石則赤玉玫瑰琳瑉琨珸
その石はすなわち赤玉、美しい赤色の玉、琳瑉(美玉の一種)、琨珸(美玉名)、
瑊玏玄瑌石武夫
瑊玏(玉に似た美しい石)、黒くきめの荒い石、瑌石、武夫であります。
其東則有圃衡蘭芷若射干
その東はすなわち香りのよい草が茂る園が有り、杜衡(かんあおい)、蘭(らん)、芷(よろい草)、若(杜若 やぶしょうが)、 射干(ひおうぎ)
穹窮昌蒲江離
穹窮(芎藭おんなかずら 或いは韮(きゅう にら)? )、昌蒲(あやめ)、江離(おんなかずら 或いはせり?)、