蟃蜒貙豻
躯幹(くかん 胴体のこと 貙豻=躯幹?)を長く延(の)べてつやつやとして美しく、
兕象野犀窮奇獌狿
兕(野牛)、象(ぞう)、野犀(さい)は觩觭(きゅうき つのがかたむいて曲がったさま 窮奇=觩觭?)は長く延(の)びて美しいです。
於是乃使專諸之倫手格此獸
ここに於いてすなわち、専諸(春秋時代の刺客)に匹敵する者をして、これらの獣(けもの)を手でふせがせ、
楚王乃駕馴駁之駟乘雕玉之輿
楚王はそこで、熟練した斑馬(ぶちうま)の四頭立て馬車を駕(が)して、美しい石をかざった輿(こし)に乗り、
靡魚須之橈旃曳明月之珠旗建干將之雄戟
魚須の橈旃(柄の曲がった赤い旗)をなびかせ、明月の珠旗をたなびかせ、干将の立派なほこを建(た)て、
左烏嗥之雕弓右夏服之勁箭
左に烏嗥の玉をかざった弓(ゆみ)、右に夏服の強い矢(や)、
陽子驂乘纖阿為御案節未舒
陽子が驂乗(御者の右に乗る護衛)し、纖阿が御者(ぎょしゃ)に為り、旗(はた)をなでおさえて未だ広がらないうちに、
即陵狡獸轔邛邛蹵距虛軼野馬而韢騊駼
すなわち、すばやい獣にせまり、車輪が邛邛ときしる音をたて、虚空(こくう)をけっておどりあがり、
野生馬をおいこし 騊駼(青毛の馬のような獣)と互い違いにせりあい、
乘遺風而射游騏儵眒凄浰雷動熛至
速い馬に乗って、走りまわる騏(青黒い馬)を射(い)るは、光のように目をみはるほどすさまじく速く、雷(いかずち)のようにはげしくふるい動いてきらめき至り、
星流霆擊弓不虛發中必決眥洞胸達腋
星が流れるようになりはためいて撃(う)ち、弓はむだに発されず、中(あ)てるは必ず目を凝らしてみて、胸をつらぬき腋(わき)に達し、
絕乎心系獲若雨獸揜草蔽地
心臓の脈を絶ち、獲(と)るは獣(けもの)を降(ふ)らせるがごとく、草をおおいつつみ、地をおおいました。
於是楚王乃弭節裴回翱翔容與
ここに於いて楚王はすなわち、旗をとめて徘徊(はいかい)し、得意そうにふるまって満足そうにして、
躯幹(くかん 胴体のこと 貙豻=躯幹?)を長く延(の)べてつやつやとして美しく、
兕象野犀窮奇獌狿
兕(野牛)、象(ぞう)、野犀(さい)は觩觭(きゅうき つのがかたむいて曲がったさま 窮奇=觩觭?)は長く延(の)びて美しいです。
於是乃使專諸之倫手格此獸
ここに於いてすなわち、専諸(春秋時代の刺客)に匹敵する者をして、これらの獣(けもの)を手でふせがせ、
楚王乃駕馴駁之駟乘雕玉之輿
楚王はそこで、熟練した斑馬(ぶちうま)の四頭立て馬車を駕(が)して、美しい石をかざった輿(こし)に乗り、
靡魚須之橈旃曳明月之珠旗建干將之雄戟
魚須の橈旃(柄の曲がった赤い旗)をなびかせ、明月の珠旗をたなびかせ、干将の立派なほこを建(た)て、
左烏嗥之雕弓右夏服之勁箭
左に烏嗥の玉をかざった弓(ゆみ)、右に夏服の強い矢(や)、
陽子驂乘纖阿為御案節未舒
陽子が驂乗(御者の右に乗る護衛)し、纖阿が御者(ぎょしゃ)に為り、旗(はた)をなでおさえて未だ広がらないうちに、
即陵狡獸轔邛邛蹵距虛軼野馬而韢騊駼
すなわち、すばやい獣にせまり、車輪が邛邛ときしる音をたて、虚空(こくう)をけっておどりあがり、
野生馬をおいこし 騊駼(青毛の馬のような獣)と互い違いにせりあい、
乘遺風而射游騏儵眒凄浰雷動熛至
速い馬に乗って、走りまわる騏(青黒い馬)を射(い)るは、光のように目をみはるほどすさまじく速く、雷(いかずち)のようにはげしくふるい動いてきらめき至り、
星流霆擊弓不虛發中必決眥洞胸達腋
星が流れるようになりはためいて撃(う)ち、弓はむだに発されず、中(あ)てるは必ず目を凝らしてみて、胸をつらぬき腋(わき)に達し、
絕乎心系獲若雨獸揜草蔽地
心臓の脈を絶ち、獲(と)るは獣(けもの)を降(ふ)らせるがごとく、草をおおいつつみ、地をおおいました。
於是楚王乃弭節裴回翱翔容與
ここに於いて楚王はすなわち、旗をとめて徘徊(はいかい)し、得意そうにふるまって満足そうにして、