奔揚會礧石相擊硠硠礚礚
吹き揚(あ)がって、大きな石に会し、ぶつかり合って、硠硠礚礚(ろうろうかいかい)と石の打ち合う音をたて、
若雷霆之聲聞乎數百里之外
雷(かみなり)のとどろきのごとくの音がして、聞こえるは数百里の外(そと)にまでとどきそうです。
將息獠者擊靈鼓起烽燧
まさに猟者を休息させんとして、霊鼓(つづみの名)を撃(う)ち、のろしを起こすと、
車案騎就隊纚乎淫班乎裔裔
車は列を整え、騎兵は隊をつくり、連なるさまは淫淫(いんいん)とどんどん増えていき、連ね並んで、裔裔(えいえい)とつづきます。
於是楚王乃登陽雲之臺泊乎無為
ここに於いて楚王はそこで陽雲の台に登(のぼ)り、休息するは、何もせず、
澹乎自持勺藥之和具而後御之
みちたりるは、自ら芍薬(しゃくやく)の和具(男女が互いに芍薬をおくりあって思いを結ぶ)
を手にとり、しこうして後(のち)にこれを御(君主が夫人をかわいがること)されます。
不若大王終日馳騁而不下輿
大王(斉王)は終日(しゅうじつ)馬を走らせて輿(こし)から下(お)りられず、
脟割輪淬自以為娛
あばら肉はさかれ、車輪は赤く染められ、自ら歓(よろこ)びと為すを以ってするに過ぎません。
臣竊觀之齊殆不如
わたしはひそかにこれを観(み)るに、斉はほとんど及(およ)ばないでしょう、と。
於是王默然無以應仆也
ここに於いて斉王は黙然(もくぜん)と黙り込んで、わたしに応(こた)えることは無かったので
あります』と。
烏有先生曰是何言之過也
烏有先生曰く『これは、なんと過(あやま)ったことを言われるのか。
足下不遠千里來況齊國王悉發境內之士
足下(そっか)は一千里(一里150m換算で約150km)も遠いと思わず来られて、況(いわん)や、斉国はなおのことであり、斉王はことごとく境内の士を発して、
而備車騎之衆以出田
しこうして、車騎の衆を備(そな)えて、狩りに出るを以ってし、
乃欲力致獲以娛左右也何名為夸哉
そこで、力いっぱい獲(と)るをきわめ、左右を歓(よろこ)ばせるを以ってしようと欲したのであって、どうして自慢したと評価するのでしょうかな。
吹き揚(あ)がって、大きな石に会し、ぶつかり合って、硠硠礚礚(ろうろうかいかい)と石の打ち合う音をたて、
若雷霆之聲聞乎數百里之外
雷(かみなり)のとどろきのごとくの音がして、聞こえるは数百里の外(そと)にまでとどきそうです。
將息獠者擊靈鼓起烽燧
まさに猟者を休息させんとして、霊鼓(つづみの名)を撃(う)ち、のろしを起こすと、
車案騎就隊纚乎淫班乎裔裔
車は列を整え、騎兵は隊をつくり、連なるさまは淫淫(いんいん)とどんどん増えていき、連ね並んで、裔裔(えいえい)とつづきます。
於是楚王乃登陽雲之臺泊乎無為
ここに於いて楚王はそこで陽雲の台に登(のぼ)り、休息するは、何もせず、
澹乎自持勺藥之和具而後御之
みちたりるは、自ら芍薬(しゃくやく)の和具(男女が互いに芍薬をおくりあって思いを結ぶ)
を手にとり、しこうして後(のち)にこれを御(君主が夫人をかわいがること)されます。
不若大王終日馳騁而不下輿
大王(斉王)は終日(しゅうじつ)馬を走らせて輿(こし)から下(お)りられず、
脟割輪淬自以為娛
あばら肉はさかれ、車輪は赤く染められ、自ら歓(よろこ)びと為すを以ってするに過ぎません。
臣竊觀之齊殆不如
わたしはひそかにこれを観(み)るに、斉はほとんど及(およ)ばないでしょう、と。
於是王默然無以應仆也
ここに於いて斉王は黙然(もくぜん)と黙り込んで、わたしに応(こた)えることは無かったので
あります』と。
烏有先生曰是何言之過也
烏有先生曰く『これは、なんと過(あやま)ったことを言われるのか。
足下不遠千里來況齊國王悉發境內之士
足下(そっか)は一千里(一里150m換算で約150km)も遠いと思わず来られて、況(いわん)や、斉国はなおのことであり、斉王はことごとく境内の士を発して、
而備車騎之衆以出田
しこうして、車騎の衆を備(そな)えて、狩りに出るを以ってし、
乃欲力致獲以娛左右也何名為夸哉
そこで、力いっぱい獲(と)るをきわめ、左右を歓(よろこ)ばせるを以ってしようと欲したのであって、どうして自慢したと評価するのでしょうかな。