於是酒中樂酣天子芒然而思
ここに於いて酒宴中(じゅう)が楽しんで酔(よ)い、天子は茫然(ぼうぜん)とぼんやりして思い、
似若有亡曰嗟乎此泰奢侈
亡(な)くしたものが有るかのごとくで、曰く、ああ、これははなはだ贅沢(ぜいたく)だ。
朕以覽聽餘無事棄日
朕(ちん)は政治をみたり聴いたりするを以って暇(ひま)を余(あま)したとき、日をむだにすることが無いように、
順天道以殺伐時休息於此
天道に順じて殺伐を以ってし、ときどきここに於いて休息するが、
恐後世靡麗遂往而不反
後世の靡麗(びれい)さを恐れる。きわまり往(ゆ)きてかえりみないことは、
非所以為繼嗣創業垂統也
継嗣(けいし)、創業(そうぎょう)、垂統(すいとう)を為すを以ってするところではないのである、と。
於是乃解酒罷獵而命有司曰
ここに於いて、すなわち酒宴を解(と)いて猟をやめ、しこうして、役人に命じました、曰く、
地可以墾辟悉為農郊
土地は、荒地をきりひらいて耕地とするを以って、ことごとく作物をつくる田野と為すべきで、
以贍萌隸隤墻填塹
人民を豊かにするを以って、かきねをくずし、掘りをうずめ、
使山澤之民得至焉
山沢の民をして至(いた)らせるを得(え)さしめるのである。
實陂池而勿禁虛宮觀而勿仞
陂池(ひち)を、みたして、つかまえる(禁(きん)=禽(きん)?)ことなかれ、
宮観をからにして、満たすことなかれ。
ここに於いて酒宴中(じゅう)が楽しんで酔(よ)い、天子は茫然(ぼうぜん)とぼんやりして思い、
似若有亡曰嗟乎此泰奢侈
亡(な)くしたものが有るかのごとくで、曰く、ああ、これははなはだ贅沢(ぜいたく)だ。
朕以覽聽餘無事棄日
朕(ちん)は政治をみたり聴いたりするを以って暇(ひま)を余(あま)したとき、日をむだにすることが無いように、
順天道以殺伐時休息於此
天道に順じて殺伐を以ってし、ときどきここに於いて休息するが、
恐後世靡麗遂往而不反
後世の靡麗(びれい)さを恐れる。きわまり往(ゆ)きてかえりみないことは、
非所以為繼嗣創業垂統也
継嗣(けいし)、創業(そうぎょう)、垂統(すいとう)を為すを以ってするところではないのである、と。
於是乃解酒罷獵而命有司曰
ここに於いて、すなわち酒宴を解(と)いて猟をやめ、しこうして、役人に命じました、曰く、
地可以墾辟悉為農郊
土地は、荒地をきりひらいて耕地とするを以って、ことごとく作物をつくる田野と為すべきで、
以贍萌隸隤墻填塹
人民を豊かにするを以って、かきねをくずし、掘りをうずめ、
使山澤之民得至焉
山沢の民をして至(いた)らせるを得(え)さしめるのである。
實陂池而勿禁虛宮觀而勿仞
陂池(ひち)を、みたして、つかまえる(禁(きん)=禽(きん)?)ことなかれ、
宮観をからにして、満たすことなかれ。