及長身自賊殺無罪者一人令吏論殺無罪者六人
劉長は身(み)みずから無罪者一人を賊殺するに及んで、役人に令して無罪者六人を論殺し、
為亡命棄市罪詐捕命者以除罪擅罪人罪人無告劾
亡命者、棄市罪者、偽(いつわ)って復命(命令されたことを実行してその結果を報告する 捕(ぶ)=復(ぶ)?)した者の為(ため)に、罪を除(のぞ)くを以ってし、罪人を思うままにして、罪人は調書を告げられること無く、
系治城旦舂以上十四人赦免罪人死罪十八人城旦舂以下五十八人
つないで城旦、舂(いずれも労役の刑名)以上を治(おさ)めたもの十四人、罪人を赦免(しゃめん)するは、死罪者十八人、城旦、舂(いずれも労役の刑名)以下のもの五十八人、
賜人爵關內侯以下九十四人前日長病陛下憂苦之使使者賜書棗脯
人に爵の関内侯以下を賜(たま)わるは九十四人。前日、劉長は病にかかり、陛下はこれを憂(うれ)い心配されて、使者をつかわし、手紙、棗(なつめ)、脯(干し肉)を賜(たま)わらせたが、
長不欲受賜不肯見拜使者南海民處廬江界中者反淮南吏卒擊之
劉長は賜わりものを授(さず)かることを欲さず、使者に見(まみ)え拝(はい)することをよしとしなかった。南海民の廬江の界中に処(ところ)する者が叛(そむ)き、淮南の吏卒がこれを撃(う)ち、
陛下以淮南民貧苦遣使者賜長帛五千匹以賜吏卒勞苦者
陛下は淮南民の貧苦を以って、使者を遣(つか)わし劉長に絹織物五千匹(匹=布四丈の長さ)を賜(たま)わらせ、吏卒の労苦者に賜(たまわ)らせるを以ってされたが、
長不欲受賜謾言曰無勞苦者南海民王織上書獻璧皇帝忌擅燔其書不以聞
劉長は賜わりものを授かることを欲さず、いつわって言った曰く、『労苦者はいない』と。
南海民の王織は上書して皇帝に璧(へき)を献(けん)じようとしたが、蕑忌は思うままにその手紙を焼き、申し上げるを以ってしなかった。
吏請召治忌長不遣謾言曰忌病春又請長願入見
役人が蕑忌を取り調べに召し寄せることを請(こ)うたが、劉長は遣(つか)わさず、いつわって言った曰く、『蕑忌は病である』と。淮南丞相春はまた劉長に請(こ)うて入見を願ったが、
長怒曰女欲離我自附漢長當棄市臣請論如法
劉長は怒って曰く、『なんじは我(われ)を漢に附(つ)くことから引き離すことを欲するのか』と。
劉長は棄市罪に当(あ)たり、わたしたちは、法の如(ごと)く論告することを請(こ)うのです」と。
劉長は身(み)みずから無罪者一人を賊殺するに及んで、役人に令して無罪者六人を論殺し、
為亡命棄市罪詐捕命者以除罪擅罪人罪人無告劾
亡命者、棄市罪者、偽(いつわ)って復命(命令されたことを実行してその結果を報告する 捕(ぶ)=復(ぶ)?)した者の為(ため)に、罪を除(のぞ)くを以ってし、罪人を思うままにして、罪人は調書を告げられること無く、
系治城旦舂以上十四人赦免罪人死罪十八人城旦舂以下五十八人
つないで城旦、舂(いずれも労役の刑名)以上を治(おさ)めたもの十四人、罪人を赦免(しゃめん)するは、死罪者十八人、城旦、舂(いずれも労役の刑名)以下のもの五十八人、
賜人爵關內侯以下九十四人前日長病陛下憂苦之使使者賜書棗脯
人に爵の関内侯以下を賜(たま)わるは九十四人。前日、劉長は病にかかり、陛下はこれを憂(うれ)い心配されて、使者をつかわし、手紙、棗(なつめ)、脯(干し肉)を賜(たま)わらせたが、
長不欲受賜不肯見拜使者南海民處廬江界中者反淮南吏卒擊之
劉長は賜わりものを授(さず)かることを欲さず、使者に見(まみ)え拝(はい)することをよしとしなかった。南海民の廬江の界中に処(ところ)する者が叛(そむ)き、淮南の吏卒がこれを撃(う)ち、
陛下以淮南民貧苦遣使者賜長帛五千匹以賜吏卒勞苦者
陛下は淮南民の貧苦を以って、使者を遣(つか)わし劉長に絹織物五千匹(匹=布四丈の長さ)を賜(たま)わらせ、吏卒の労苦者に賜(たまわ)らせるを以ってされたが、
長不欲受賜謾言曰無勞苦者南海民王織上書獻璧皇帝忌擅燔其書不以聞
劉長は賜わりものを授かることを欲さず、いつわって言った曰く、『労苦者はいない』と。
南海民の王織は上書して皇帝に璧(へき)を献(けん)じようとしたが、蕑忌は思うままにその手紙を焼き、申し上げるを以ってしなかった。
吏請召治忌長不遣謾言曰忌病春又請長願入見
役人が蕑忌を取り調べに召し寄せることを請(こ)うたが、劉長は遣(つか)わさず、いつわって言った曰く、『蕑忌は病である』と。淮南丞相春はまた劉長に請(こ)うて入見を願ったが、
長怒曰女欲離我自附漢長當棄市臣請論如法
劉長は怒って曰く、『なんじは我(われ)を漢に附(つ)くことから引き離すことを欲するのか』と。
劉長は棄市罪に当(あ)たり、わたしたちは、法の如(ごと)く論告することを請(こ)うのです」と。