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Channel: 倭人伝を解く
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王坐東宮召伍被

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王坐東宮召伍被與謀曰將軍上被悵然曰

淮南王劉安は東宮に座(ざ)して、伍被を召(め)してともに謀(はか)ろうとして、曰く、「将軍は上(あ)がりなさい」と。伍被は悵然(ちょうぜん)と気が重そうに曰く、

上赦大王王復安得此亡國之語乎臣聞子胥諫吳王

「上は大王を寛赦(かんしゃ)したのに、王はまたどうしてこのように亡国(ぼうこく)の話しをすることができるのですか。わたしは聞きます、呉子胥が呉王夫差を諌(いさ)めたとき、

吳王不用乃曰臣今見麋鹿游姑蘇之臺也

呉王は用いず、すなわち曰く、『わたしは今に大鹿や鹿が姑蘇の台に遊ぶのを見ることでしょう』と。

今臣亦見宮中生荊棘露霑衣也王怒系伍被父母囚之三月

今にわたしもまた宮中に荊棘(いばら)が生(は)え、衣をやぶりぬらしているのを見ることでしょう」と。淮南王劉安は怒って、伍被の父母を繋(つな)ぎ、これを三ヶ月間牢(ろう)に入れた。

復召曰將軍許寡人乎被曰不直來為大王畫耳

ふたたび召(め)して曰く、「将軍はわたしを聴き入れたか?」と。伍被曰く、「いいえ、ただ大王の為(ため)に画策(かくさく)しようと来ただけです。

臣聞聰者聽於無聲明者見於未形故聖人萬舉萬全

わたしは聞きます、聡(さと)い者は声が無いときより聞こえ、賢明な者は未(ま)だ形にならないときより見えると。故(ゆえ)に聖人の万(よろず)の挙動(きょどう)は万全(ばんぜん)であるのです。

昔文王一動而功顯于千世列為三代

昔、周文王姫昌が一度動いただけで、功が千世に顕(あきら)かになり、三代(夏、殷、周)として列(れっ)っせられ、

此所謂因天心以動作者也故海內不期而隨

これは所謂(いわゆる)天の心に因(よ)りて動作(どうさ)するを以ってしたのであり、故(ゆえ)に海内は期せずして随(したが)ったのであります。

此千歲之可見者夫百年之秦近世之吳楚亦足以喻國家之存亡矣

これは千年前の見ることができる者です。それ、百年前の秦、近世の呉楚もまた国家の存亡をたとえるを以ってするに足(た)ります。

臣不敢避子胥之誅願大王毋為吳王之聽

わたしは敢(あ)えて呉子胥の誅罰(ちゅうばつ)を避(さ)けません。願わくは、大王には呉王夫差の聴取(ちょうしゅ)を為すことなかれ。

昔秦絕聖人之道殺術士燔詩書棄禮義

昔、秦は聖人の道を絶(た)ち、術士を殺し、詩書を焼き、礼儀を棄(す)て、

尚詐力任刑罰轉負海之粟致之西河

詐欺(さぎ)と暴力をとうとび、刑罰にゆだね、海を背にするところの粟(あわ)を転送してこれを西河に
送り、

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