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元朔六年中衡山王使人上書

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元朔六年中衡山王使人上書請廢太子爽立孝為太子

元朔六年中、衡山王劉賜は人をつかわし上書させ太子劉爽を廃し、劉孝を立てて太子と為さしめることを請(こ)うた。

爽聞即使所善白嬴之長安上書言孝作輣車鏃矢

太子劉爽は聞いて、すなわち、仲善くしているところの白嬴をつかわし長安に行かせて上書させ、劉孝が戦車、鏃(やじり)矢、を作り、

與王御者姦欲以敗孝白嬴至長安未及上書吏捕嬴以淮南事系

王の女官と密通していると言い、劉孝をおとしめようと欲した。白嬴が長安に至り、未(ま)だ上書に及ばないうちに、役人が白嬴を捕(と)らえ、淮南の事を以って牢(ろう)に繋(つな)いだ。

王聞爽使白嬴上書恐言國陰事即上書反告太子爽所為不道棄市罪事

衡山王劉賜は太子劉爽が白嬴をつかわし上書させたことを聞き、国の陰事を言うことを恐れ、すなわち、
上書して逆に太子劉爽の無道(むどう)で棄市罪の事を為したところを告(つ)げた。

事下沛郡治元(朔七)[狩元]年冬有司公卿下沛郡求捕所與淮南謀反者未得

事は沛郡に下(くだ)され取り調べられた。元狩元年冬、役人、公卿は沛郡に下(くだ)して、淮南の謀反(むほん)に関与したところの者を捕(と)らえることを求めたが、未だつかまえられなかった。 

得陳喜於衡山王子孝家吏劾孝首匿喜

陳喜を衡山王劉賜の子の劉孝の家に於いてつかまえた。役人は劉孝が頭(かしら)になって陳喜を匿(かくま)ったと弾劾した。                          

孝以為陳喜雅數與王計謀反恐其發之聞律先自告除其罪

劉孝は陳喜がつねにたびたび衡山王劉賜と謀反を計(はか)っていたことを思い、そのこれが発覚することを恐れ、法律は先んじて自ら告白(こくはく)すれば、その罪を除(のぞ)かれると聞き、

又疑太子使白嬴上書發其事即先自告告所與謀反者救赫陳喜等

また、太子劉爽が白嬴をつかわし上書させその事を発(あば)いたと疑(うたが)い、すなわち先(さき)に自ら告白し、謀反をともにしたところの者の救赫、陳喜らを告白した。

廷尉治驗公卿請逮捕衡山王治之

廷尉は証拠を取り調べ、公卿は衡山王劉賜を逮捕してこれを取り調べることを請(こ)うた。

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