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Channel: 倭人伝を解く
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天子曰勿捕遣中尉安大行息

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天子曰勿捕遣中尉安大行息即問王王具以情實對

天子曰く、「捕(と)らえることなかれ」と。中尉安、大行息を遣(つか)わして、すなわち衡山王劉賜を問わせた。衡山王劉賜は具(つぶさ)に実情を以って応(こた)えた。

吏皆圍王宮而守之中尉大行還以聞公卿請遣宗正大行與沛郡雜治王

役人は皆(みな)衡山王宮を包囲してこれを守り、中尉安、大行息は還(かえ)り、申し上げるを以ってした。公卿は宗正、大行を遣(つか)わし、沛郡とともに交(まじ)えて衡山王劉賜を取り調べることを請(こ)うた。

王聞即自剄殺孝先自告反除其罪坐與王御婢姦棄市

衡山王劉賜は聞き、そこで自剄して死んだ。劉孝は先(さき)に自ら謀反(むほん)を告白し、その罪は除(のぞ)かれたが、衡山王劉賜の女官と密通したことを罪に問われて棄市罪に処された。

王后徐來亦坐蠱殺前王后乘舒及太子爽坐王告不孝皆棄市

衡山王劉賜の后(きさき)の徐来もまた、前の王后乗舒をまじないで呪い殺したことを罪に問われ、衡山王太子劉爽に及んで、衡山王劉賜が不孝であることを告げたことに罪を問われ、皆(みな)棄市罪に処された。

諸與衡山王謀反者皆族國除為衡山郡

もろもろ(もろもろ)の衡山王劉賜とともに謀反した者は皆(みな)族刑に処された。国は除(のぞ)かれて衡山郡と為った。

太史公曰詩之所謂戎狄是膺荊舒是懲信哉是言也

太史公曰く、詩経に謂(い)う所の、『戎狄は征伐を是(ぜ)とし、荊舒は懲罰(ちょうばつ)を是(ぜ)とする』と。信(まこと)かな、この言は。

淮南衡山親為骨肉疆土千里列為諸侯

淮南、衡山は肉親として親(ちか)く、領土は一千里、諸侯として列し、

不務遵蕃臣職以承輔天子而專挾邪僻之計謀為畔逆

蕃臣の職を遵守(じゅんしゅ)して天子を補佐(ほさ)を以ってすることに務(つろ)めず、しこうして、専(もっぱ)ら、邪僻(じゃへき 不正)の計をたずさえて、叛逆(はんぎゃく)を為そうと謀(はか)り、

仍父子再亡國各不終其身為天下笑

父子によって二度国を失い、各(おのおの)その身(み)を終いまでせず、天下の笑いものと為った。

此非獨王過也亦其俗薄臣下漸靡使然也

これ、ただ王の過(あやまち)だけではないのである、またその俗(ぞく)は軽薄(けいはく)で、臣下もしだいにそこなわれていきそのようにさせたのである。

夫荊楚彊勇輕悍好作亂乃自古記之矣

それ、荊楚は強く勇敢で軽薄でたけだけしく、作乱を好(この)み、すなわち、古(いにしえ)よりこれを記(しる)すのである」と。

今日で史記 淮南衡山列伝は終わりです。明日からは史記 循吏列伝に入ります。

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