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Channel: 倭人伝を解く
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其頗不得失之旁郡國

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其頗不得失之旁郡國黎來會春溫舒頓足嘆曰

その頗(すこぶ)るつかまえられずに、傍(かたわ)らの郡国に失(うしな)い、犂(すき)で耕す時期が来て(黎(れい)=犂(れい)?)、時に春になり、河内太守王温舒はじだんだを踏んで嘆息(たんそく)して曰く、

嗟乎令冬月益展一月足吾事矣

「ああ、冬月に一月(ひとつき)増やし延(の)ばせれば、吾(われ)の事業は足(た)るのだが」と。

其好殺伐行威不愛人如此

その殺伐(さつばつ)を好(この)み、威(い)を行って人を愛さずは、この如(ごと)くであった。

天子聞之以為能遷為中尉

天子(漢孝武帝劉徹)はこれを聞いて、能力があると思い、(河内太守王温舒を)遷(うつ)して中尉と為さしめた。

其治復放河內徙諸名禍猾吏與從事

(漢中尉王温舒の)その治(ち)はふたたび河内を模倣(もほう)して、諸(もろもろ)の悪賢さで名高い役人を移してともに従事(じゅうじ)させた。

河內則楊皆麻戊關中楊贛成信等

河内はすなわち楊皆、麻戊で、関中は楊贛、成信らであった。

義縱為內史憚未敢恣治

義縦は内史に為っており、(漢中尉王温舒は)憚(はばか)って未(ま)だ敢(あ)えて治(ち)を思うままにしなかった。

及縱死張湯敗後徙為廷尉而尹齊為中尉

義縦が死に、張湯が敗(やぶ)れた後(のち)に及んで、(漢中尉王温舒は)移されて廷尉と為り、しこうして、尹斉が中尉に為った。

尹齊者東郡茌平人

尹斉という者は東郡の茌平の人である。

以刀筆稍遷至御史事張湯張湯數稱以為廉武

刀筆吏を以って次第に遷(うつ)されて御史に至った。張湯に仕(つか)えた。張湯はたびたび称(たた)え、廉平で武人あると思った。

使督盜賊所斬伐不避貴戚

盗賊の見張りにつかわし、斬伐(ざんばつ)するところは貴戚(貴族の親類)も避(さ)けなかった。

遷為關內都尉聲甚於寧成

遷(うつ)されて関内都尉と為り、聞こえは寧成より甚(はなは)だしかった。

上以為能遷為中尉吏民益凋敝

上(漢孝武帝劉徹)は能力があると思い、遷(うつ)して中尉と為さしめ、吏民はますます生気がなくなり疲弊していった。

尹齊木彊少文豪惡吏伏匿而善吏不能為治以故事多廢抵罪

漢中尉尹斉は頑固で融通がきかず、法文にとぼしく、豪悪な役人がかくれひそみ、しこうして善い役人は治(ち)を為すことができず、故(ゆえ)を以って、事の多くが廃され、罪にふれた。

上復徙溫舒為中尉而楊仆以嚴酷為主爵都尉

上(漢孝武帝劉徹)はふたたび漢廷尉王温舒を移して中尉と為さしめ、しこうして楊仆は厳酷を以って主爵都尉に為った。

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