郭解軹人也字翁伯善相人者許負外孫也
郭解は軹の人であり、字(あざな)は翁伯で、善い人相見者の許負の外孫(そとまご)である。
解父以任俠孝文時誅死
郭解の父は任侠を以ってして、漢孝文帝劉恒時に誅死した。
解為人短小精悍不飲酒
郭解の人と為りは身長が小さく、精悍(せいかん)で、酒を飲まなかった。
少時陰賊慨不快意身所殺甚眾
少年時、ひそかな賊気(ぞくき)があって、いきどおって気持ちよくないと、身(み)みずから殺したところは甚(はなは)だ多かった。
以軀借交報仇藏命作姦剽攻
身を以って交友を助け仇(あだ)に報(むく)い、亡命者を隠(かく)し、不正を行い、おどして攻(せ)め、
(不)休(及)[乃]鑄錢掘冢固不可勝數
休まず銭を鋳(い)たり墳墓を掘(ほ)ったりするに及んでは、固(もと)よりすべて数えあげることはできない。
適有天幸窘急常得脫若遇赦
たまたま天の幸いが有り、急なことで困っても常(つね)に脱することを得られ、もしくは恩赦(おんしゃ)に遇(あ)った。
及解年長更折節為儉以報怨厚施而薄望
郭解が年長に及んで、改めて、へりくだってつつましくなり、徳を以って怨(うら)みに報(むく)い、
厚く施(ほどこ)して、望みは少なくした。
然其自喜為俠益甚
然(しか)るにその自ら喜んで俠と為るはますます甚(はなは)だしくなった。
既已振人之命不矜其功
すでに人の命を救っても、その功をほこらなかった。
其陰賊著於心卒發於睚金故云
そのひそかな賊気(ぞくき)は心にあらわれ、にわかにまなじりを見開くは以前と同じ(金(きん)=鈞(きん)?)であったという。
郭解は軹の人であり、字(あざな)は翁伯で、善い人相見者の許負の外孫(そとまご)である。
解父以任俠孝文時誅死
郭解の父は任侠を以ってして、漢孝文帝劉恒時に誅死した。
解為人短小精悍不飲酒
郭解の人と為りは身長が小さく、精悍(せいかん)で、酒を飲まなかった。
少時陰賊慨不快意身所殺甚眾
少年時、ひそかな賊気(ぞくき)があって、いきどおって気持ちよくないと、身(み)みずから殺したところは甚(はなは)だ多かった。
以軀借交報仇藏命作姦剽攻
身を以って交友を助け仇(あだ)に報(むく)い、亡命者を隠(かく)し、不正を行い、おどして攻(せ)め、
(不)休(及)[乃]鑄錢掘冢固不可勝數
休まず銭を鋳(い)たり墳墓を掘(ほ)ったりするに及んでは、固(もと)よりすべて数えあげることはできない。
適有天幸窘急常得脫若遇赦
たまたま天の幸いが有り、急なことで困っても常(つね)に脱することを得られ、もしくは恩赦(おんしゃ)に遇(あ)った。
及解年長更折節為儉以報怨厚施而薄望
郭解が年長に及んで、改めて、へりくだってつつましくなり、徳を以って怨(うら)みに報(むく)い、
厚く施(ほどこ)して、望みは少なくした。
然其自喜為俠益甚
然(しか)るにその自ら喜んで俠と為るはますます甚(はなは)だしくなった。
既已振人之命不矜其功
すでに人の命を救っても、その功をほこらなかった。
其陰賊著於心卒發於睚金故云
そのひそかな賊気(ぞくき)は心にあらわれ、にわかにまなじりを見開くは以前と同じ(金(きん)=鈞(きん)?)であったという。