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Channel: 倭人伝を解く
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乃陰屬尉史曰

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乃陰屬尉史曰是人吾所急也至踐更時脫之

そこでひそかに、尉史にたのんで曰く、「この人は、吾(われ)の大切なところであるから、踐更の時に至ったら、これを免除してください」と。

每至踐更數過吏弗求

踐更に至るごとに、たびたび通りすぎて、役人は求めなかった。

怪之問其故乃解使脫之

これを怪(あや)しみ、その故(ゆえ)を問うと、すなわち郭解がこれを免除させたと。

箕踞者乃肉袒謝罪少年聞之愈益慕解之行

あぐらをかいた者はそこで、肌ぬぎになって謝罪した。少年はこれを聞いて、愈々(いよいよ)益々(ますます)郭解の行いを慕(した)った。

雒陽人有相仇者邑中賢豪居者以十數終不聽

雒陽の人に相(あい)仇(あだ)する者が有り、邑中の賢豪の間に立って尽力する者は、十を以って数えたが、とうとう聴き入れなかった。

客乃見郭解解夜見仇家仇家曲聽解

客がそこで郭解に見えた。郭解は夜に仇(かたき)の家に見(まみ)え、仇(かたき)の家は曲(ま)げて郭解を聴き入れた。

解乃謂仇家曰吾聞雒陽諸公在此多不聽者

郭解はそこで仇(かたき)の家に謂(い)った、曰く、「吾(われ)は雒陽の諸(もろもろ)の公がこの間に立って尽力したが、聴き入れられなかった者が多かったと聞く。

今子幸而聽解解柰何乃從他縣奪人邑中賢大夫權乎

今、なんじは幸いにもわたしを聴き入れ、わたしはいかんせん、すなわち他県より人(ひと)の邑中の賢大夫の権利を奪(うば)うのか」と。

乃夜去不使人知曰且無用(待我)待我去令雒陽豪居其乃聽之

そこで、夜に去って、人に知らせないようにして曰く、「まさに我(われ)をもてなすは無用です、我(われ)が去ったのを待って、雒陽の豪者に令してその間に立って尽力してもらい、そこで聴き入れなさい」と。

解執恭敬不敢乘車入其縣廷

郭解は恭敬を執(と)り、敢(あ)えて乗車してその県廷に入らなかった。

之旁郡國為人請求事事可出出之

傍(かたわ)らの郡国に行き、人の為(ため)に事を求(もと)めることを請(こ)い、事が出すことができれば、これを出し、

不可者各厭其意然後乃敢嘗酒食

できない者は、各(おのおの)がその意(い)に満足して然(しか)る後、そこで敢(あ)えて酒食を味わった。

諸公以故嚴重之爭為用

諸(もろもろ)の公は故(ゆえ)を以ってこれを厳(おごそ)かに重んじ、争って用を為した。

邑中少年及旁近縣賢豪

邑中の少年及び傍(かたわ)らの近県の賢豪が、

夜半過門常十餘車請得解客舍養之

夜半に門に立ち寄ること常(つね)に車十余台で、郭解の客を得て、家でこれを養(やしな)うことを請(こ)うた。

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