及徙豪富茂陵也

及徙豪富茂陵也解家貧不中訾吏恐不敢不徙

豪富を茂陵に移すに及んで、郭解の家は貧しく、財産家に中（あた）らなかったが、役人は恐れ、移さないわけにはいかなかった。

衛將軍為言郭解家貧不中徙

衛青将軍は言上を為し、「郭解の家は貧しく移すに中（あた）りません」と。

上曰布衣權至使將軍為言此其家不貧

上（漢孝武帝劉徹）曰く、「無位無冠の者の権力が将軍をして言上を為させるに至るは、これ、その家は貧しくはない」と。

解家遂徙諸公送者出千餘萬

郭解の家は遂（つい）に移った。諸（もろもろ）の公たちの見送った者は千余万も出て、

軹人楊季主子為縣掾舉徙解

軹人の楊季主の子が県掾と為って、挙（あ）げて郭解を移した。

解兄子斷楊掾頭由此楊氏與郭氏為仇

郭解の兄の子が楊県掾の頭を断（た）った。これに由（よ）り、楊氏と郭氏は仇（かたき）と為った。

解入關關中賢豪知與不知聞其聲爭交驩解

郭解が関に入ると、関中の賢豪の知る者も知らない者も、そのうわさを聞いて、争って郭解とよろこんで交（まじ）わった。