時坐席中酒酣據地歌曰
ときどき中で席に座(すわ)り、酒を飲んで楽しみ、地面をおさえて歌って曰く、
陸沈於俗避世金馬門
「俗世間に於いてかくれて生活する隠者は、金馬門で世(よ)を避(さ)ける。
宮殿中可以避世全身
宮殿の中は世(よ)を避(さ)け身(み)を全(まっと)うすることができる。
何必深山之中蒿廬之下
どうして深い山の中のよもぎの粗末な小屋の下(もと)である必要があろうか」と。
金馬門者宦[者]署門也
金馬門とは、宦署の門であり、
門傍有銅馬故謂之曰金馬門
門の傍(かたわ)らに銅製の馬が有るので、故(ゆえ)にこれを謂(い)うに曰く、金馬門と。
時會聚宮下博士諸先生與論議,
時に宮の下(もと)の博士、諸(もろもろ)の先生を集め会しともに論議した。
共難之曰蘇秦張儀一當萬乘之主
ともにこれを非難して曰く、「蘇秦、張儀はひとたび万乗の主に当たると、
而都卿相之位澤及後世
卿相の位に登り(都(と)=登(と)?)、恩沢は後世に及びました。
今子大夫修先王之術慕聖人之義
今、貴方は、先王の術を修(おさ)め、聖人の義(ぎ)を慕(した)い、
諷誦詩書百家之言不可勝數
詩、書、百家の言を暗誦(あんしょう)するは、すべて数えあげることはできません。
著於竹帛自以為海內無雙即可謂博聞辯智矣
竹や、絹布に著(あらわ)して、自らを海内に二人といないと思い、すなわち博聞、弁智と謂(い)うべきか。
然悉力盡忠以事聖帝曠日持久
然(しか)るに力をありったけ出して、忠を尽くして、聖帝に仕(つか)えるを以ってして、長い時間を無駄にすごして、
積數十年官不過侍郎
数十年を積み重ねても官は侍郎に過ぎず、
位不過執戟意者尚有遺行邪
位は戟(ほこ)を執(と)るにすぎず、思うのは、久(ひさ)しくあやまった行いを有(ゆう)するのかと。
其故何也
その故(ゆえ)は何なのか?」と。
ときどき中で席に座(すわ)り、酒を飲んで楽しみ、地面をおさえて歌って曰く、
陸沈於俗避世金馬門
「俗世間に於いてかくれて生活する隠者は、金馬門で世(よ)を避(さ)ける。
宮殿中可以避世全身
宮殿の中は世(よ)を避(さ)け身(み)を全(まっと)うすることができる。
何必深山之中蒿廬之下
どうして深い山の中のよもぎの粗末な小屋の下(もと)である必要があろうか」と。
金馬門者宦[者]署門也
金馬門とは、宦署の門であり、
門傍有銅馬故謂之曰金馬門
門の傍(かたわ)らに銅製の馬が有るので、故(ゆえ)にこれを謂(い)うに曰く、金馬門と。
時會聚宮下博士諸先生與論議,
時に宮の下(もと)の博士、諸(もろもろ)の先生を集め会しともに論議した。
共難之曰蘇秦張儀一當萬乘之主
ともにこれを非難して曰く、「蘇秦、張儀はひとたび万乗の主に当たると、
而都卿相之位澤及後世
卿相の位に登り(都(と)=登(と)?)、恩沢は後世に及びました。
今子大夫修先王之術慕聖人之義
今、貴方は、先王の術を修(おさ)め、聖人の義(ぎ)を慕(した)い、
諷誦詩書百家之言不可勝數
詩、書、百家の言を暗誦(あんしょう)するは、すべて数えあげることはできません。
著於竹帛自以為海內無雙即可謂博聞辯智矣
竹や、絹布に著(あらわ)して、自らを海内に二人といないと思い、すなわち博聞、弁智と謂(い)うべきか。
然悉力盡忠以事聖帝曠日持久
然(しか)るに力をありったけ出して、忠を尽くして、聖帝に仕(つか)えるを以ってして、長い時間を無駄にすごして、
積數十年官不過侍郎
数十年を積み重ねても官は侍郎に過ぎず、
位不過執戟意者尚有遺行邪
位は戟(ほこ)を執(と)るにすぎず、思うのは、久(ひさ)しくあやまった行いを有(ゆう)するのかと。
其故何也
その故(ゆえ)は何なのか?」と。