今公所謂賢者皆可為羞矣
今、公らが謂(い)うところの賢者は、皆(みな)羞(は)じを為すことができる。
卑疵而前孅趨而言
卑(いや)しめて悪口を言って前に進み出て、からだをくねらせておもねり進んで言い、
相引以勢相導以利
相(あい)引き立てあって、勢いを以ってし、相(あい)導(みちび)きあって利(り)するを以ってし、
比周賓正以求尊譽以受公奉
悪事をするために仲間を作って正しいことをしりぞけ、尊(とうと)い誉(ほまれ)を求めるを以って、
公の禄(ろく)を受けるを以ってする。
事私利枉主法獵農民
個人的な利益を事(こと)として、主(あるじ)の法規を曲(ま)げて、農民からしぼり取り、
以官為威以法為機求利逆暴
官を以って威厳と為して、法規を以って契機(けいき きっかけ)と為し、利(り)を求めて道理にはずれ乱暴で、
譬無異於操白刃劫人者也
たとえると白刃を操(あやつ)って人をおびやかす者に異(こと)ならないのである。
初試官時倍力為巧詐
官に仕(つか)えた(試(し)=仕(し)?)ばかりの時、力いっぱい巧(たく)みな偽(いつわ)りをつくり、
飾虛功執空文以罔主上用居上為右
嘘(うそ)の手柄(てがら)を飾(かざ)り、いつわりの文章を執(と)り、主上をあざむくを以ってし、用いられて上に居(い)て補佐と為る。
試官不讓賢陳功見偽實以無為有
官に仕(つか)えて(試(し)=仕(し)?)賢者に譲(ゆず)らず、功をならべ、偽(いつわ)りを考えて事実に増(ま)し、無を以って有と為し、
以少為多以求便勢尊位
少を以って多と為し、便勢、尊位を求めるを以ってし、
食飲驅馳從姬歌兒不顧於親
食べたり飲んだり、馬を走らせて狩りをする時、姫、歌う子供を従(したが)え、親(おや)を顧(かえり)みず、
犯法害民虛公家
法を犯(おか)して、民を害(がい)し、公室を虚弱(きょじゃく)にし、 此夫為盜不操矛弧者也攻而不用弦刃者也
これはそれ、矛(ほこ)、弓(ゆみ)を操(あやつ)らずして盗みを為す者であり、弓のつる、刃(やいば)を用いずに攻(せ)める者である。
欺父母未有罪而弒君未伐者也
父母を欺(あざむ)いても未(ま)だ罪にならず、君を殺しても未(ま)だ討(う)たれない者である。
何以為高賢才乎
何ものを以って高才(すぐれた才能)、賢才(才知(さいち)のある人)と為すのか?
今、公らが謂(い)うところの賢者は、皆(みな)羞(は)じを為すことができる。
卑疵而前孅趨而言
卑(いや)しめて悪口を言って前に進み出て、からだをくねらせておもねり進んで言い、
相引以勢相導以利
相(あい)引き立てあって、勢いを以ってし、相(あい)導(みちび)きあって利(り)するを以ってし、
比周賓正以求尊譽以受公奉
悪事をするために仲間を作って正しいことをしりぞけ、尊(とうと)い誉(ほまれ)を求めるを以って、
公の禄(ろく)を受けるを以ってする。
事私利枉主法獵農民
個人的な利益を事(こと)として、主(あるじ)の法規を曲(ま)げて、農民からしぼり取り、
以官為威以法為機求利逆暴
官を以って威厳と為して、法規を以って契機(けいき きっかけ)と為し、利(り)を求めて道理にはずれ乱暴で、
譬無異於操白刃劫人者也
たとえると白刃を操(あやつ)って人をおびやかす者に異(こと)ならないのである。
初試官時倍力為巧詐
官に仕(つか)えた(試(し)=仕(し)?)ばかりの時、力いっぱい巧(たく)みな偽(いつわ)りをつくり、
飾虛功執空文以罔主上用居上為右
嘘(うそ)の手柄(てがら)を飾(かざ)り、いつわりの文章を執(と)り、主上をあざむくを以ってし、用いられて上に居(い)て補佐と為る。
試官不讓賢陳功見偽實以無為有
官に仕(つか)えて(試(し)=仕(し)?)賢者に譲(ゆず)らず、功をならべ、偽(いつわ)りを考えて事実に増(ま)し、無を以って有と為し、
以少為多以求便勢尊位
少を以って多と為し、便勢、尊位を求めるを以ってし、
食飲驅馳從姬歌兒不顧於親
食べたり飲んだり、馬を走らせて狩りをする時、姫、歌う子供を従(したが)え、親(おや)を顧(かえり)みず、
犯法害民虛公家
法を犯(おか)して、民を害(がい)し、公室を虚弱(きょじゃく)にし、 此夫為盜不操矛弧者也攻而不用弦刃者也
これはそれ、矛(ほこ)、弓(ゆみ)を操(あやつ)らずして盗みを為す者であり、弓のつる、刃(やいば)を用いずに攻(せ)める者である。
欺父母未有罪而弒君未伐者也
父母を欺(あざむ)いても未(ま)だ罪にならず、君を殺しても未(ま)だ討(う)たれない者である。
何以為高賢才乎
何ものを以って高才(すぐれた才能)、賢才(才知(さいち)のある人)と為すのか?