公見夫談士辯人乎慮事定計必是人也
公らはそれ、談士、弁人を考えてみますか?事を慮(おもんばか)り、計(はか)りごとを定めるは、必ずこれらの人であり、
然不能以一言說人主意故言必稱先王語必道上古
然(しか)るに一言を以って人主の意(い)を悦(よろこ)ばせることはできず、故(ゆえ)に言うは、必ず先王を称(たた)え、話しは必ず上古を語(かた)り、
慮事定計飾先王之成功語其敗害
事を慮(おもんばか)り、計(はか)りごとを定(さだ)め、先王の成功を飾(かざ)り、その敗害を語(かた)り、
以恐喜人主之志以求其欲
人主の志(こころざし)を恐れさせたり喜ばせたりするを以って、その欲(よく)を求めるを以ってした。
多言誇嚴莫大於此矣
誇張(こちょう)、厳(おごそ)かさを言うことが多いのは、これより大きいものはない。
然欲彊國成功盡忠於上非此不立
然(しか)るに国を強くして功を成すことを欲し、上に於いて忠(ちゅう)を尽(つ)くし、此(こ)れで非(あら)ずば、位につけなかった。
今夫卜者導惑教愚也
今、それ、卜(うらない)とは、惑(まど)う者を導(みちび)き、愚者に教えるのである。
夫愚惑之人豈能以一言而知之哉言不厭多
それ、愚惑の人は、どうして一言にしてこれに知らせることができようかな。言葉は多くなるを厭(いと)わない。
故騏驥不能與罷驢為駟
故(ゆえ)に騏驥(きき 一日千里を行くすぐれた馬)は、疲労しきった驢馬(ろば)とともに四頭立て馬車を
ひくことはできず、
而鳳皇不與燕雀為群
そして、鳳皇(鳳凰)は、燕(つばめ)雀(すずめ)と群れを為さず、
而賢者亦不與不肖者同列
そして、賢者もまた不肖(ふしょう)と列を同じにしないのである。
故君子處卑隱以辟眾自匿以辟倫
故(ゆえ)に君子(くんし)の処(ところ)が低く隠れ、衆を避(さ)けるを以ってし、自らを匿(かくま)って仲間を避(さ)けるを以ってし、
微見順以除群害以明天性
ひそかにすなおな徳を考えて、群れることの害を除(のぞ)くを以ってし、天性(てんせい)を明らかにするを以ってし、
助上養下多其功利不求尊譽
上を助け、下を養い、その手柄、利益は多くして、尊位、名誉を求めない。
公之等喁喁者也何知長者之道乎
公らは喁喁(ぎょうぎょう)と君主の徳を仰(あお)ぎしたう者と等(ひと)しいのであり、どうして長者(ちょうじゃ)の道を理解できようか」と。
公らはそれ、談士、弁人を考えてみますか?事を慮(おもんばか)り、計(はか)りごとを定めるは、必ずこれらの人であり、
然不能以一言說人主意故言必稱先王語必道上古
然(しか)るに一言を以って人主の意(い)を悦(よろこ)ばせることはできず、故(ゆえ)に言うは、必ず先王を称(たた)え、話しは必ず上古を語(かた)り、
慮事定計飾先王之成功語其敗害
事を慮(おもんばか)り、計(はか)りごとを定(さだ)め、先王の成功を飾(かざ)り、その敗害を語(かた)り、
以恐喜人主之志以求其欲
人主の志(こころざし)を恐れさせたり喜ばせたりするを以って、その欲(よく)を求めるを以ってした。
多言誇嚴莫大於此矣
誇張(こちょう)、厳(おごそ)かさを言うことが多いのは、これより大きいものはない。
然欲彊國成功盡忠於上非此不立
然(しか)るに国を強くして功を成すことを欲し、上に於いて忠(ちゅう)を尽(つ)くし、此(こ)れで非(あら)ずば、位につけなかった。
今夫卜者導惑教愚也
今、それ、卜(うらない)とは、惑(まど)う者を導(みちび)き、愚者に教えるのである。
夫愚惑之人豈能以一言而知之哉言不厭多
それ、愚惑の人は、どうして一言にしてこれに知らせることができようかな。言葉は多くなるを厭(いと)わない。
故騏驥不能與罷驢為駟
故(ゆえ)に騏驥(きき 一日千里を行くすぐれた馬)は、疲労しきった驢馬(ろば)とともに四頭立て馬車を
ひくことはできず、
而鳳皇不與燕雀為群
そして、鳳皇(鳳凰)は、燕(つばめ)雀(すずめ)と群れを為さず、
而賢者亦不與不肖者同列
そして、賢者もまた不肖(ふしょう)と列を同じにしないのである。
故君子處卑隱以辟眾自匿以辟倫
故(ゆえ)に君子(くんし)の処(ところ)が低く隠れ、衆を避(さ)けるを以ってし、自らを匿(かくま)って仲間を避(さ)けるを以ってし、
微見順以除群害以明天性
ひそかにすなおな徳を考えて、群れることの害を除(のぞ)くを以ってし、天性(てんせい)を明らかにするを以ってし、
助上養下多其功利不求尊譽
上を助け、下を養い、その手柄、利益は多くして、尊位、名誉を求めない。
公之等喁喁者也何知長者之道乎
公らは喁喁(ぎょうぎょう)と君主の徳を仰(あお)ぎしたう者と等(ひと)しいのであり、どうして長者(ちょうじゃ)の道を理解できようか」と。