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Channel: 倭人伝を解く
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或以為昆蟲之所長聖人不能與爭

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或以為昆蟲之所長聖人不能與爭

或(あ)るものは昆虫の長ずるところは、聖人が争いに与(くみ)することができないと思った。

其處吉凶別然否多中於人

その吉凶を処するは、然(しか)りか否(いな)かを区別して、多くが人に中(あ)てた。

至高祖時因秦太卜官

高祖の時に至り、因(よ)りて太卜の官を奏(かな)でた。

天下始定兵革未息

天下が定まったばかりで、戦争は未(ま)だ止(や)んでおらず、

及孝惠享國日少呂后女主孝文孝景因襲掌故

漢孝恵帝が国を受けて日が浅いのに及んで、呂后が女主人になり、漢孝文帝、漢孝景帝は因(よ)りて
しきたりを踏襲(とうしゅう)し、

未遑講試雖父子疇官世世相傳其精微深妙多所遺失

未(ま)だ講(こう)じ試(ため)すいとまがなく、父子が官を等(ひと)しくして、代々に相(あい)伝えたと雖(いえど)も、その精微深妙は多くが抜(ぬ)けて失われるところになった。

至今上即位博開藝能之路悉延百端之學

今上(漢孝武帝)の即位に至り、ひろく芸能の路(みち)を開き、ことごとく百端(多くのはしばしの)の学問を延(の)べて、

通一伎之士咸得自效絕倫超奇者為右

一技能に通じる士はあまねく自ら学ぶことを得て、絕倫(ぜつりん)超奇(ちょうき)の者が補佐と為り、

無所阿私數年之太卜大集

ひそかに阿(おもね)るところは無くなり、数年の間、太卜は大いにやわらいだ。

會上欲擊匈奴西攘大宛南收百越

このとき、上(漢孝武帝劉徹)が匈奴を撃つことを欲し、西に大宛を追い払い、南に百越を収(おさ)め、

卜筮至預見表象先圖其利

卜筮はあらかじめ表れたかたちを見て、先んじてその利(り)を図(はか)った。

及猛將推鋒執節獲勝於彼而蓍龜時日亦有力於此

猛将が鋒(ほこ)を推し進めて旗を執(と)って、かしこに於いて勝ちを獲(え)るに及んで、しこうして、日時を蓍亀で占うもまたここに於いて力を有(ゆう)した。

上尤加意賞賜至或數千萬

上(漢孝武帝劉徹)が最も心喜び(加(か)=嘉(か)?)、賞賜は或(あ)るものは数千万にも至った。

如丘子明之屬富溢貴寵傾於朝廷

丘子明の仲間の如(ごと)くは、富(とみ)が溢(あふ)れ、貴は寵愛があり、朝廷を傾(かたむ)けた。

至以卜筮射蠱道巫蠱時或頗中

卜筮を以って蠱道を射(い)るに至って、巫蠱(ふこ)の乱の時、或(あ)るものは頗(すこぶ)る中(あ)てた。

素有啊〃幀×因公行誅恣意所傷

素(もと)より(啊〃幀×脱字等により不明)を有(ゆう)し、役所に因(よ)り誅(ちゅう)を行い、意をおもうままにして傷つけたところの

以破族滅門者不可勝數

族を破り、家門を滅ぼされるを以ってした者は、すべて数えあげることはできない。

百僚蕩恐皆曰龜策能言

多くの役人は非常に恐(おそ)れ、皆(みな)曰く、龜策が言うことができたのです、と。

后事覺姦窮亦誅三族

後に事は発覚して不正は窮(きわ)まり、また三族を誅(ちゅう)した。

夫摓策定數灼龜觀兆變化無窮

それ、策を縫(ぬ)い占いを定め、亀を焼いて兆(きざし)を観(み)て、変化は窮(きわ)まること無く、

是以擇賢而用占焉可謂聖人重事者乎

ここに賢者を択(えら)びて占いに用いるを以ってし、聖人の事に重んじられる者と謂(い)うべきか。

周公卜三龜而武王有瘳

周公は三度亀を卜(うらな)い、しこうして周武王は元気をとりもどした。

紂為暴虐而元龜不占

殷紂王は暴虐を為して、大きな亀は占わなかった。

晉文將定襄王之位卜得黃帝之兆卒受彤弓之命

晋文公姫重耳がまさに周襄王姫鄭の位を定めんとして、卜(うらな)い、黄帝の兆(きざ)しを得て、とうとう彤弓(朱塗りの弓)の命(めい)を授(さず)かった。

獻公貪驪姬之色卜而兆有口象其禍竟流五世

晋献公姫詭諸は驪姫の色を貪(むさぼ)り、卜(うらな)いして兆(きざ)しに口のかたちを有(ゆう)し、その禍(わざわい)はとうとう五世代に流れた。

楚靈將背周室卜而龜逆終被乾谿之敗

楚霊王熊虔はまさに周室に背(そむ)かんとして、卜(うらな)いして亀は「逆」と出て、とうとう
乾谿の敗戦を被(こうむ)った。

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