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Channel: 倭人伝を解く
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兆應信誠於內

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兆應信誠於內而時人明察見之於外可不謂兩合者哉

兆(きざ)しは内(うち)にまごごろに応(おう)じ、しこうして、好機は人が外(そと)に於いて明察してこれを知る、二つが合わさるものと謂(い)わないべきかな。

君子謂夫輕卜筮無神明者悖

君子は謂(い)う、それ、卜筮を軽んじ、神明(しんめい)で無い者はおろかで、

背人道信禎祥者鬼神不得其正

人道に背(そむ)き、禎祥(めでたいしるし)にそむく(信(しん)=侵(しん)?)者は、鬼神がその正(ただ)すを得ないと。

故書建稽疑五謀而卜筮居其二

故(ゆえ)に稽疑(疑いを考える)を書いて建(た)て、五つの謀(はかりごと)にして卜筮はその二つにあり、

五占從其多明有而不專之道也

五人が占(うらな)ってその多いものに従(したが)い、有して専(もっぱ)らにせずの道を明らかにしたのである。

余至江南觀其行事問其長老

わたしは江南に至り、その事を行うを観(み)て、その長老に問うた、

云龜千歲乃遊蓮葉之上蓍百莖共一根

云(い)う、亀は一千才で蓮葉の上に遊び、蓍(のこぎりそう)の百本の茎(くき)は一つの根を共(とも)にし、

又其所生獸無虎狼草無毒螫

また、その生ずるところには、獣(けもの)は虎(とら)狼(おおかみ)はおらず、草は毒(どく)、とげのあるものは無く、

江傍家人常畜龜飲食之以為能導引致氣

江の傍(かたわ)らの家の人は常(つね)に亀を飼(か)って、これを飲食して、導引(一種の深呼吸)して気(き)をまねくことができ、

有益於助衰養老豈不信哉

衰(おとろ)えを助け、老(お)いをなおすことに於いて有益(ゆうえき)だと為すを以ってする、と。どうして信じられないだろうかな」と。

褚先生曰臣以通經術受業博士

褚先生曰く、「わたしは経術に通じるを以って、博士の業をさずかり、

治春秋以高第為郎幸得宿衛

春秋を治(おさ)め、優等で及第(きゅうだい)するを以って郎(官名)と為り、幸いにも宿衛を得て、

出入宮殿中十有餘年

宮殿中を出入りすること十と余年。

竊好太史公傳太史公之傳曰

ひそかに太史公伝を好んだ。太史公の伝曰く、

三王不同龜四夷各異卜然各以決吉凶

三王(夏禹王、殷湯王、周武王)は亀を同じにせず、四方の異民族は各(おのおの)卜(うらな)いを異(こと)にし、然(しか)るに各(おのおの)は吉凶を決するを以ってし、

略闚其要故作龜策列傳

その要点をあらましながめ、故(ゆえ)に亀策列伝を作った、と。

臣往來長安中求龜策列傳不能得

わたしは、長安中を往来(おうらい)して、亀策列伝を求めたが得ることができず、

故之大卜官問掌故文學長老習事者

故(ゆえ)に太卜の官に行き、しきたり、文学、長老の事に習熟した者を問い、

寫取龜策卜事編于下方

亀策の卜(うらな)いの事を写(うつ)し取り、下の方に書きならべた。

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