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Channel: 倭人伝を解く
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乃召博士衛平而問之曰今寡人夢見一丈夫

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乃召博士衛平而問之曰今寡人夢見一丈夫

そこで博士の衛平を召してこれを問うて曰く、『今、わたしは夢で一人の立派な人に見た、

延頸而長頭衣玄繡之衣而乘輜車來見夢於寡人曰

頸(くび)を延(の)ばして、頭を長くして、黒い刺繍の衣(ころも)を来て、荷車に乗り、わたしの夢枕に立って曰く、

我為江使於河而幕網當吾路

我(われ)は江の使者として河へ行き、しこうして、幕網が吾(われ)の往く手に当(あ)たった。

泉陽豫且得我我不能去

泉陽の豫且が我(われ)を得て、我(われ)は去ることができない。

身在患中莫可告語王有義故來告訴是何物也

身(み)は患(うれ)いの中に在(あ)り、話しを告げるべきものがなく、王は、徳、義が有り、故(ゆえ)に訴えを告げに来た、と。これは何ものなのか?』と。

衛平乃援式而起仰天而視月之光觀斗所指定日處鄉

宋博士衛平はそこで式(占いに用いる道具)をひきよせて、立ち上がり、天を仰(あお)ぎ、月の光を視(み)て、北斗の指すところを観(み)て、日(太陽?)の場所を定め、

規矩為輔副以權衡四維已定八卦相望

規矩(コンパスとものさし)が補佐し、たすけるにおもりの秤(はかり)と竿(さお)を以ってした。
四維(西北、西南、東北、東南)がすでに定まると、八卦が相望まれた。

視其吉凶介蟲先見乃對元王曰今昔壬子宿在牽牛

その吉凶を視(み)ると、介虫(かたい殻で身体をおおっている虫類)が先に現(あらわ)れた。
そこで宋元王に応(こた)えて曰く、『ゆうべは壬子(みずのえね)の日で星宿は牽牛(けんぎゅう)に在(ありました。

河水大會鬼神相謀漢正南北江河固期南風新至江使先來

河水が大いに会して、鬼神が相(あい)謀(はか)られ、漢水(天の川?)は南北を正し、江、河は約束を固(かた)め、南風が新たに至り、江の使者が先んじて来たのです。

白雲壅漢萬物盡留斗柄指日使者當囚

白い雲が漢水(天の川?)をふさぎ、万物はことごとく留(とど)まりました。斗柄(北斗七星のひしゃくの柄の部分)が指(さ)した日(時間?)に、(江の)使者がまさに囚(とら)われたのです。

玄服而乘輜車其名為龜

黒い服にして荷車に乗り、その名は亀(かめ)といいます。

王急使人問而求之王曰善

王は急いで人をつかわし問わせてこれを求めてください』と。宋元王曰く、『よろしい』と。

於是王乃使人馳而往問泉陽令曰

ここに於いて宋元王はすなわち人をつかわして馳(は)せさせて泉陽令に問いに往かせた、(使者は)曰く、

漁者幾何家名誰為豫且

『漁者はどのくらいの家があるのか?名前は誰が豫且というのか?

豫且得龜見夢於王王故使我求之

豫且が亀を得て、王に夢を見させ、王は故(ゆえ)に我(われ)に使いさせてこれを求めさせたのだ』と。

泉陽令乃使吏案籍視圖水上漁者五十五家

泉陽令はそこで役人をして籍を調べ図を視(み)させた。川のほとりの漁者は五十五家で、

上流之廬名為豫且泉陽令曰諾

上流の民家が名が豫且といった。泉陽令曰く『わかった』と。

乃與使者馳而問豫且曰今昔汝漁何得

そこで使者とともに馳(は)せて豫且に問うて曰く、『ゆうべ汝(なんじ)は漁をして何を得たのか?』と。

豫且曰夜半時舉網得龜使者曰

豫且曰く、『夜半時に網(あみ)を挙(あ)げたら亀をつかまえました』と。使者曰く、

今龜安在曰在籠中

『今、亀はいずこにいるのか?』と。曰く、『籠(かご)の中にいます』と。

使者曰王知子得龜故使我求之

使者曰く、『王はなんじが亀を得たことを知っており、故(ゆえ)に我(われ)をつかわしこれを求めさせたのだ』と。

豫且曰諾即系龜而出之籠中獻使者

豫且曰く、『わかりました』と。そこで亀をつないで、籠の中から出して、使者に献じた。

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