誇而目巧教為象郎將至於天又有玉床
誇大でうわべを見て、象牙(ぞうげ)の高楼(郎(ろう)=楼(ろう)?)をつくることを教え、まさに天(てん)に至らんとした。また美しい石の床(ゆか)が有った。
犀玉之器象箸而羹聖人剖其心壯士斬其胻
犀(さい)の角、美しい石の器(うつわ)に、象牙(ぞうげ)の箸(はし)で羹(あつもの)を食べた。
聖人はその心臓を切り開かれ、壮士はそのすねを斬られた。
箕子恐死被髪佯狂殺周太子歷囚文王昌
箕子は死を恐れ、ざんばら髪にして狂人をよそおった。周太子李歴を殺し、周文王姫昌を囚(とら)え、
投之石室將以昔至明陰兢活之與之俱亡
これを石室に投げて、まさに夕方を以って明け方に至り、陰兢がこれを活(い)かして、これとともに逃げた。
入於周地得太公望興卒聚兵與紂相攻
周の地に入り、太公望呂尚を得た。兵を興(おこ)し武器を集め、殷紂王と相(あい)攻めあった。
文王病死載尸以行太子發代將號為武王
周文王姫昌が病死すると、屍(しかばね)を載(の)せて行くを以ってした。周太子姫発が将軍に代わって、号して武王と為った。
戰於牧野破之華山之陽紂不勝敗而還走圍之象郎
牧野に於いて戦い、崋山の陽でこれを破った。殷紂王は勝たずに負けて還(かえ)り走り、これを象牙(ぞうげ)の高楼(郎(ろう)=楼(ろう)?)に包囲(ほうい)した。
自殺宣室身死不葬頭懸車軫四馬曳行
宣室(まわりを丸くとりまいた形の部屋)で自殺し、身は死んでも葬(ほうむ)られなかった。頭は車の横木に懸(か)けられて、四頭の馬が曳(ひ)いて行った。
寡人念其如此腸如涫湯是人皆富有天下而貴至天子然而大傲
わたしはその、この如(ごと)くを念(ねん)じると、腸(ちょう)は沸騰(ふっとう)した湯(ゆ)の如(ごと)くになる。この人は皆(みな)富んで天下を有(ゆう)し、そして地位か高くなって天子に至り、然(しか)しながら大いに驕(おご)った。
欲無猒時舉事而喜高貪很而驕
欲するは満足する時が無く、事を挙(あ)げて高みを喜び、欲張りで荒々しくて驕(おご)っている。
不用忠信聽其諛臣而為天下笑
忠信を用いず、そのへつらう臣下を聴き入れ、しこうして天下の笑いものに為った。
今寡人之邦居諸侯之曾不如秋毫
今、わたしの国は、諸侯の間に居住して、すなわち秋毫(しゅうごう ごく細いもののたとえ)にすぎない。
舉事不當又安亡逃
事を挙(あ)げて当(あ)たらなければ、またいずこに逃亡しようか』と。
誇大でうわべを見て、象牙(ぞうげ)の高楼(郎(ろう)=楼(ろう)?)をつくることを教え、まさに天(てん)に至らんとした。また美しい石の床(ゆか)が有った。
犀玉之器象箸而羹聖人剖其心壯士斬其胻
犀(さい)の角、美しい石の器(うつわ)に、象牙(ぞうげ)の箸(はし)で羹(あつもの)を食べた。
聖人はその心臓を切り開かれ、壮士はそのすねを斬られた。
箕子恐死被髪佯狂殺周太子歷囚文王昌
箕子は死を恐れ、ざんばら髪にして狂人をよそおった。周太子李歴を殺し、周文王姫昌を囚(とら)え、
投之石室將以昔至明陰兢活之與之俱亡
これを石室に投げて、まさに夕方を以って明け方に至り、陰兢がこれを活(い)かして、これとともに逃げた。
入於周地得太公望興卒聚兵與紂相攻
周の地に入り、太公望呂尚を得た。兵を興(おこ)し武器を集め、殷紂王と相(あい)攻めあった。
文王病死載尸以行太子發代將號為武王
周文王姫昌が病死すると、屍(しかばね)を載(の)せて行くを以ってした。周太子姫発が将軍に代わって、号して武王と為った。
戰於牧野破之華山之陽紂不勝敗而還走圍之象郎
牧野に於いて戦い、崋山の陽でこれを破った。殷紂王は勝たずに負けて還(かえ)り走り、これを象牙(ぞうげ)の高楼(郎(ろう)=楼(ろう)?)に包囲(ほうい)した。
自殺宣室身死不葬頭懸車軫四馬曳行
宣室(まわりを丸くとりまいた形の部屋)で自殺し、身は死んでも葬(ほうむ)られなかった。頭は車の横木に懸(か)けられて、四頭の馬が曳(ひ)いて行った。
寡人念其如此腸如涫湯是人皆富有天下而貴至天子然而大傲
わたしはその、この如(ごと)くを念(ねん)じると、腸(ちょう)は沸騰(ふっとう)した湯(ゆ)の如(ごと)くになる。この人は皆(みな)富んで天下を有(ゆう)し、そして地位か高くなって天子に至り、然(しか)しながら大いに驕(おご)った。
欲無猒時舉事而喜高貪很而驕
欲するは満足する時が無く、事を挙(あ)げて高みを喜び、欲張りで荒々しくて驕(おご)っている。
不用忠信聽其諛臣而為天下笑
忠信を用いず、そのへつらう臣下を聴き入れ、しこうして天下の笑いものに為った。
今寡人之邦居諸侯之曾不如秋毫
今、わたしの国は、諸侯の間に居住して、すなわち秋毫(しゅうごう ごく細いもののたとえ)にすぎない。
舉事不當又安亡逃
事を挙(あ)げて当(あ)たらなければ、またいずこに逃亡しようか』と。