物有所拘亦有所據
物にはとらえるところが有り、またすがるところが有る。
罔有所數亦有所疏
網(あみ)には目が細かいところが有り、また目の粗(あら)いところも有る。
人有所貴亦有所不如何可而適乎
人には貴(とうと)ぶところが有り、また及ばないところも有る。どうしてほどよくできるだろうか。
物安可全乎天尚不全故世為屋
物はいずこが完全にできるだろうか。天も尚(なお)不全である、故(ゆえ)に君主が家をつくるとき、
不成三瓦而陳之以應之天
三枚の瓦(かわら)にしてこれをならべることを成(な)さずに、天に応(おう)ずるを以ってする。
天下有階物不全乃生也
天下には階段が有って、物は不全で、すなわち生きるのである」と。
褚先生曰漁者舉網而得神龜龜自見夢宋元王
褚先生曰く、「漁者が網(あみ)を挙(あ)げて神亀をつかまえ、亀は自(みずか)ら宋元王の夢枕に立ち、
元王召博士衛平告以夢龜狀平運式定日月
宋元王は宋博士衛平を召(め)して夢を以って亀のようすを告げ、宋博士衛平は式(占いの道具)を運(はこ)んで、日月を定め、
分衡度視吉凶占龜與物色同
はかりとものさしを分けて、吉凶を視(み)て、亀とありさまが同じであると占い、
平諫王留神龜以為國重寶美矣
宋博士衛平は宋元王に神亀を留(とど)めて国の大切な宝にするように諌(いさ)めたが、よいことであった。
古者筮必稱龜者以其令名所從來久矣余述而為傳
古(いにしえ)の者の占いが必ず亀を称(たた)えたのは、そのよい聞こえを以って、由来(ゆらい)するところが久(ひさ)しいからである。わたしは述(の)べて伝(でん)をつくった。
三月二月正月十二月十一月中關內高外下
三月二月正月十二月十一月中(ちゅう)は、(甲羅の)椀(わん 背中の甲羅の形から? 関(わん)=椀(わん)?)の内側が高く、外側が低くなり、
四月首仰足開肣開首俛大五月
四月は首を仰(あお)ぎ足を開き、臗(こん またの骨(しっぽ) 肣(こん)=臗(こん)?))が開き、首がうつむくのはおおまかに五月、
吉首俛大六月七月八月九月十月
(甲羅が?)水平に広がって弛(ゆる)(吉=弛(ち)?)み、首がうつむくのは、おおまかに六月七月八月九月十月。
卜禁曰子亥戌不可以卜及殺龜
禁(きん)を卜(うらな)って曰く、子、亥、戌の日は卜(うらな)うを以って亀を殺すに及ぶことはできない。
日中如食已卜暮昏龜之徼也不可以卜
真昼に食事の終えるに及んで卜(うらな)い、日暮れは亀(かめ)の暁(あかつき 夜行性? 徼(ぎょう)=暁(ぎょう))であるので、卜(うらな)うを以ってすることはできない。
物にはとらえるところが有り、またすがるところが有る。
罔有所數亦有所疏
網(あみ)には目が細かいところが有り、また目の粗(あら)いところも有る。
人有所貴亦有所不如何可而適乎
人には貴(とうと)ぶところが有り、また及ばないところも有る。どうしてほどよくできるだろうか。
物安可全乎天尚不全故世為屋
物はいずこが完全にできるだろうか。天も尚(なお)不全である、故(ゆえ)に君主が家をつくるとき、
不成三瓦而陳之以應之天
三枚の瓦(かわら)にしてこれをならべることを成(な)さずに、天に応(おう)ずるを以ってする。
天下有階物不全乃生也
天下には階段が有って、物は不全で、すなわち生きるのである」と。
褚先生曰漁者舉網而得神龜龜自見夢宋元王
褚先生曰く、「漁者が網(あみ)を挙(あ)げて神亀をつかまえ、亀は自(みずか)ら宋元王の夢枕に立ち、
元王召博士衛平告以夢龜狀平運式定日月
宋元王は宋博士衛平を召(め)して夢を以って亀のようすを告げ、宋博士衛平は式(占いの道具)を運(はこ)んで、日月を定め、
分衡度視吉凶占龜與物色同
はかりとものさしを分けて、吉凶を視(み)て、亀とありさまが同じであると占い、
平諫王留神龜以為國重寶美矣
宋博士衛平は宋元王に神亀を留(とど)めて国の大切な宝にするように諌(いさ)めたが、よいことであった。
古者筮必稱龜者以其令名所從來久矣余述而為傳
古(いにしえ)の者の占いが必ず亀を称(たた)えたのは、そのよい聞こえを以って、由来(ゆらい)するところが久(ひさ)しいからである。わたしは述(の)べて伝(でん)をつくった。
三月二月正月十二月十一月中關內高外下
三月二月正月十二月十一月中(ちゅう)は、(甲羅の)椀(わん 背中の甲羅の形から? 関(わん)=椀(わん)?)の内側が高く、外側が低くなり、
四月首仰足開肣開首俛大五月
四月は首を仰(あお)ぎ足を開き、臗(こん またの骨(しっぽ) 肣(こん)=臗(こん)?))が開き、首がうつむくのはおおまかに五月、
吉首俛大六月七月八月九月十月
(甲羅が?)水平に広がって弛(ゆる)(吉=弛(ち)?)み、首がうつむくのは、おおまかに六月七月八月九月十月。
卜禁曰子亥戌不可以卜及殺龜
禁(きん)を卜(うらな)って曰く、子、亥、戌の日は卜(うらな)うを以って亀を殺すに及ぶことはできない。
日中如食已卜暮昏龜之徼也不可以卜
真昼に食事の終えるに及んで卜(うらな)い、日暮れは亀(かめ)の暁(あかつき 夜行性? 徼(ぎょう)=暁(ぎょう))であるので、卜(うらな)うを以ってすることはできない。