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Channel: 倭人伝を解く
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由此觀之賢人深謀於廊廟

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由此觀之賢人深謀於廊廟論議朝廷

これに由(よ)りこれを観(み)るに、賢人が廊廟に於いて深く謀(はか)り、朝廷で論議(ろんぎ)し、

守信死節隱居巖穴之士設為名高者安歸乎

信を守り節に死し、隠居(いんきょ)、巌穴の士が名高き者に為るを設(もう)けるは、いずこに帰(き)するのか?

歸於富厚也是以廉吏久久更富廉賈歸富

帰するは富厚(ふこう)に於いてである。ここに欲のない役人を以って久しくすれば、久しくいよいよ富(と)み、欲のない商人も富(とみ)に帰する。

富者人之情性所不學而俱欲者也

富(とみ)とは、人の情性で、学ばずしてともに欲するところの者なのである。

故壯士在軍攻城先登陷陣卻敵

故(ゆえ)に壮士が軍に在(あ)って、城攻めは先登(さきがけ)し、陣(じん)を陥(おとしい)れて敵(てき)を退(しりぞ)け、

斬將搴旗前蒙矢石不避湯火之難者為重賞使也

将軍を斬り、旗をぬきとり、矢石を蒙(こうむ)っても前進し、湯、火の難(なん)を避けないのは、大きな褒美(ほうび)のためにさせているのである。

其在閭巷少年攻剽椎埋劫人作姦掘冢鑄幣

その民間に在(あ)る少年は、攻めおびやかし、打ち殺して埋(う)め、人を脅(おど)して不正をはたらき、墳墓を掘り返し、貨幣(かへい)を鋳造(ちゅうぞう)したり、

任俠并兼借交報仇篡逐幽隱不避法禁

任侠(男気)があわせ兼(か)ねられて、とりかわしを拠り所にして仇(あだ)に報い、奥深く隠れたところでおいはぎをしたり、法の禁を避(さ)けず、

走死地如騖者其實皆為財用耳

死地に走るは務(つと)めの如(ごと)くするのは、その実(じつ)は皆(みな)財(ざい)の為(ため)に用いているだけである。

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