臣愚竊以為亦過矣
わたしは愚かですが、ひそかにまた過(あやま)ちだと思います。
故善用兵者不以短擊長而以長擊短
故(もと)より兵を善(よ)く用いるとは短所を以って長所を撃(う)たずして、長所を以って短所を撃(う)つのです」と。
韓信曰然則何由廣武君對曰
漢左丞相韓信大将軍曰く、「然(しか)らば何(なに)に由(よ)るのか?」と。広武君李左車は応(こた)えて曰く、
方今為將軍計莫如案甲休兵
「まさに今、将軍の為(ため)に計(はか)らんとするは、よろいを置いて兵を休め、
鎮趙撫其孤百里之內牛酒日至
趙を鎮(しず)め、その戦死者の子を撫(な)で安んじ、百里の内(うち)では、牛、酒が毎日至(いた)り、
以饗士大夫醳兵北首燕路而後遣辯士奉咫尺之書
士大夫をもてなすを以って兵をねぎらい、北に燕の路(みち)に向うにこしたことはありません。
しこうして後(のち)、弁士(べんし)を遣(つか)わし簡単な書状を奉(たてまつ)らせ、
暴其所長於燕燕必不敢不聽從燕已從
その長所を燕にはっきりと示(しめ)せば、燕は必ず敢(あ)えて従(したが)うことを聴き入れないことはしないでしょう。燕がすでに従(したが)えば、
使諠言者東告齊齊必從風而服雖有智者
やかましく言う者をつかわして東に斉に告(つ)げさせれば、斉は必ず勢いに従(したが)って服(ふく)し、智者がいると雖(いえど)も、
亦不知為齊計矣如是則天下事皆可圖也
また、斉の為(ため)に計(はか)ることをさとらないでしょう。このごとくすれば、天下の事は皆(みな)図(はか)り取ることができるのであります。
兵固有先聲而後實者此之謂也
戦いは固(もと)より 先(さき)の評判を有(ゆう)して後(のち)に実行するとは、このことを謂(い)うのであります」と。
わたしは愚かですが、ひそかにまた過(あやま)ちだと思います。
故善用兵者不以短擊長而以長擊短
故(もと)より兵を善(よ)く用いるとは短所を以って長所を撃(う)たずして、長所を以って短所を撃(う)つのです」と。
韓信曰然則何由廣武君對曰
漢左丞相韓信大将軍曰く、「然(しか)らば何(なに)に由(よ)るのか?」と。広武君李左車は応(こた)えて曰く、
方今為將軍計莫如案甲休兵
「まさに今、将軍の為(ため)に計(はか)らんとするは、よろいを置いて兵を休め、
鎮趙撫其孤百里之內牛酒日至
趙を鎮(しず)め、その戦死者の子を撫(な)で安んじ、百里の内(うち)では、牛、酒が毎日至(いた)り、
以饗士大夫醳兵北首燕路而後遣辯士奉咫尺之書
士大夫をもてなすを以って兵をねぎらい、北に燕の路(みち)に向うにこしたことはありません。
しこうして後(のち)、弁士(べんし)を遣(つか)わし簡単な書状を奉(たてまつ)らせ、
暴其所長於燕燕必不敢不聽從燕已從
その長所を燕にはっきりと示(しめ)せば、燕は必ず敢(あ)えて従(したが)うことを聴き入れないことはしないでしょう。燕がすでに従(したが)えば、
使諠言者東告齊齊必從風而服雖有智者
やかましく言う者をつかわして東に斉に告(つ)げさせれば、斉は必ず勢いに従(したが)って服(ふく)し、智者がいると雖(いえど)も、
亦不知為齊計矣如是則天下事皆可圖也
また、斉の為(ため)に計(はか)ることをさとらないでしょう。このごとくすれば、天下の事は皆(みな)図(はか)り取ることができるのであります。
兵固有先聲而後實者此之謂也
戦いは固(もと)より 先(さき)の評判を有(ゆう)して後(のち)に実行するとは、このことを謂(い)うのであります」と。