故堅革利兵不足以為勝高城深池不足以為固
故(ゆえ)に堅(かた)い装具、鋭い武器は勝ちを為すを以ってするには足(た)らず、高い城壁、深い池は固(かた)めを為すを以ってするには足(た)らず、
嚴令繁刑不足以為威
厳(おごそ)かな令、多くの刑罰は威(い)と為すを以ってするには足(た)らない。
由其道則行不由其道則廢
その道に由(よ)れば行われ、その道に由(よ)らなければ廃(すた)れる。
楚人鮫革犀兕所以為甲堅如金石
楚人は、鮫(さめ)の革(かわ)、犀(さい)、兕(野牛)で鎧(よろい)を作るを以ってするところは、金属、石の如(ごと)く堅(かた)い。
宛之鉅鐵施鉆如蜂蠆
宛の鋼鉄(こうてつ)が矛(ほこ)をこしらえるは、はち、さそりの如(ごと)し。
輕利剽遫卒如熛風
輕利(身軽ですばやい)剽遫(すばしこくてはやい)で、兵ははげしい風の如(ごと)し。
然而兵殆於垂涉唐昧死焉
然(しか)して戦いは垂涉(垂沙)に於いてあやうくなり、楚将唐昧(唐蔑)が死に、
莊蹻起楚分而為四參
莊蹻(楚莊王の苗裔)が起こり、楚は分かれて四つ、三つに為った。
是豈無堅革利兵哉其所以統之者非其道故也
ここにどうして堅革利兵(堅(かた)い装具、鋭い武器)が無かっただろうかな?その、これを統(す)べるを以ってするところの者がその道(みち)故(ゆえ)ではなかったからである。
汝潁以為險江漢以為池
汝潁は険阻(けんそ)と為すを以ってし、江、漢は池と為すを以ってし、
阻之以林,緣之以方城。
これを阻(はば)むは林を以ってし、取り囲むは方城を以ってした。
然而秦師至鄢郢舉若振槁
然(しか)して秦軍が鄢、郢に至ると、攻め落とすは枯れ木を振(ふ)りはらうがごとし。
是豈無固塞險阻哉
ここに、どうして固(かた)い塞(とりで)険阻(けんそ)が無かっただろうかな?
其所以統之者非其道故也
その、これを統(す)べるを以ってするところの者がその道(みち)故(ゆえ)ではなかったからである。
故(ゆえ)に堅(かた)い装具、鋭い武器は勝ちを為すを以ってするには足(た)らず、高い城壁、深い池は固(かた)めを為すを以ってするには足(た)らず、
嚴令繁刑不足以為威
厳(おごそ)かな令、多くの刑罰は威(い)と為すを以ってするには足(た)らない。
由其道則行不由其道則廢
その道に由(よ)れば行われ、その道に由(よ)らなければ廃(すた)れる。
楚人鮫革犀兕所以為甲堅如金石
楚人は、鮫(さめ)の革(かわ)、犀(さい)、兕(野牛)で鎧(よろい)を作るを以ってするところは、金属、石の如(ごと)く堅(かた)い。
宛之鉅鐵施鉆如蜂蠆
宛の鋼鉄(こうてつ)が矛(ほこ)をこしらえるは、はち、さそりの如(ごと)し。
輕利剽遫卒如熛風
輕利(身軽ですばやい)剽遫(すばしこくてはやい)で、兵ははげしい風の如(ごと)し。
然而兵殆於垂涉唐昧死焉
然(しか)して戦いは垂涉(垂沙)に於いてあやうくなり、楚将唐昧(唐蔑)が死に、
莊蹻起楚分而為四參
莊蹻(楚莊王の苗裔)が起こり、楚は分かれて四つ、三つに為った。
是豈無堅革利兵哉其所以統之者非其道故也
ここにどうして堅革利兵(堅(かた)い装具、鋭い武器)が無かっただろうかな?その、これを統(す)べるを以ってするところの者がその道(みち)故(ゆえ)ではなかったからである。
汝潁以為險江漢以為池
汝潁は険阻(けんそ)と為すを以ってし、江、漢は池と為すを以ってし、
阻之以林,緣之以方城。
これを阻(はば)むは林を以ってし、取り囲むは方城を以ってした。
然而秦師至鄢郢舉若振槁
然(しか)して秦軍が鄢、郢に至ると、攻め落とすは枯れ木を振(ふ)りはらうがごとし。
是豈無固塞險阻哉
ここに、どうして固(かた)い塞(とりで)険阻(けんそ)が無かっただろうかな?
其所以統之者非其道故也
その、これを統(す)べるを以ってするところの者がその道(みち)故(ゆえ)ではなかったからである。