和鸞之聲步中武象
和鸞之聲步中武象 和鸞(天子の車につける金の鈴)の音が歩けば武象(周武王の音楽の名)に中(あた)り、 驟中韶濩所以養耳也 走れば韶濩(殷湯王の音楽の名)に中(あた)り、耳を養(やしな)うを以ってするところであり、 龍旂九斿所以養信也 龍旂(龍の模様をかきはしに鈴をつけた旗)、九斿(虯(きゅう みずち?)の模様のへりに飾りをつけた旗?)は信を養(やしな)うを以ってするところであり、...
View Article人茍生之為見若者必死
人茍生之為見若者必死 人がいやしくも生きることを願って予想をすれば、このような者は必ず死ぬ。茍利之為見若者必害 いやしくも利(り)を願って、予想をすれば、このような者は必ず害される。 怠惰之為安若者必危 怠惰(たいだ なまけること)で安んずるを為せば、このような者は必ず危(あやう)くなる。 情勝之為安若者必滅 勝ちの情況に安んずるを為せば、このような者は必ず滅びる。 故聖人一之於禮義則兩得之矣...
View Article故堅革利兵不足
故堅革利兵不足以為勝高城深池不足以為固 故(ゆえ)に堅(かた)い装具、鋭い武器は勝ちを為すを以ってするには足(た)らず、高い城壁、深い池は固(かた)めを為すを以ってするには足(た)らず、 嚴令繁刑不足以為威 厳(おごそ)かな令、多くの刑罰は威(い)と為すを以ってするには足(た)らない。 由其道則行不由其道則廢 その道に由(よ)れば行われ、その道に由(よ)らなければ廃(すた)れる。...
View Article紂剖比干囚箕子為炮格
紂剖比干囚箕子為炮格 殷紂王は比干を裂き、箕子を囚(とら)え、火あぶりの刑をつくり、 刑殺無辜時臣下懔然莫必其命 罪の無いものを刑殺し、時に臣下は懔然(りんぜん)とおそれて、必ずその言明(命(めい)=明(めい)?)をするものはなかった。 然而周師至而令不行乎下不能用其民 然(しか)して周軍が至ると、令は下に行われず、その民を用いることはできなかった。 是豈令不嚴刑不陖哉其所以統之者非其道故也...
View Article是故刑罰省而威行如流
是故刑罰省而威行如流 これ故(ゆえ)に刑罰が省(はぶ)かれても威(い)が流れるが如(ごと)く行くのは、 無他故焉由其道故也 他(ほか)故(ゆえ)は無く、その道(みち)故(ゆえ)に由(よ)るからである。 故由其道則行不由其道則廢 故(ゆえ)にその道に由(よ)れば行われ、その道に由(よ)らなければ廃(すた)れる。 古者帝堯之治天下也 古(いにしえ)の帝堯の天下を治するは、 蓋殺一人刑二人而天下治...
View Article故有天下者事七世
故有天下者事七世有一國者事五世 故(ゆえ)に天下を有(ゆう)する者は七世に仕(つか)え、一国を有(ゆう)する者は五世に仕(つか)え、 有五乘之地者事三世有三乘之地者事二世 五乗(馬車五台)の地を有(ゆう)する者は三世に仕(つか)え、三乗(馬車三台)の地を有(ゆう)する者は二世に仕(つかえ)え、 有特牲而食者不得立宗廟 雄牛(おうし)を有(ゆう)して食べる者は宗廟を立てることは得られない。...
View Article故尊之上玄尊也
故尊之上玄尊也俎之上腥魚也豆之先大羹一也 故(ゆえ)に尊(酒器)の上等な黒い酎(濃い酒 尊=酎?であり、俎(祭りのとき供物を盛るうつわ)の上等な生(なま)の魚であり、豆(たかつき)のなま(先(せん)=鮮(せん)?)の大羹(あつもの用の肉)が、根本である。 利爵弗啐也成事俎弗嘗也三侑之弗食也...
View Article太史公曰至矣哉立隆以為極
太史公曰至矣哉立隆以為極 太史公曰く、「この上ないかな、隆(高い 盛ん)を立てて極(きわ)みと為るを以って、 而天下莫之能益損也本末相順 しこうして、天下には損益(減らしたり増やしたりすること)をできる者はいないのである。本(もと)と末(すえ)が相(あい)順(じゅん)じ、 終始相應至文有以辨至察有以說...
View Article史記 楽書 始め
太史公曰余每讀虞書至於君臣相敕 太史公曰く、「わたしは虞書を読む毎(ごと)に、君臣が相(あい)いましめ、 維是几安而股肱不良 これ、ここにほとんど愚(おろ)か(几=幾? 安=暗?)にして股肱(君主のためにその手足となって仕える家来)は良くなく、 萬事墮壞未嘗不流涕也 万事が墮壞(だかい くずれること)した、に至ると、未(いま)だ嘗(かつ)て涕(なみだ)を流さなかったことはないのである」と。...
View Article治道虧缺而鄭音興起封君世辟
治道虧缺而鄭音興起封君世辟 治道(ちどう)が虧缺(きけつ 欠けること)して、鄭の音楽(淫らな音楽)が盛んに起こり、(鄭の)封君は代々ならい、 名顯鄰州爭以相高 名は隣州に顕(あきら)かになり、争って相(あい)高めるを以ってした。 自仲尼不能與齊優遂容於魯 仲尼(孔子)が斉の芸人に与(あず)かることがきず遂(つい)に魯に於いて容(い)れられてより、 雖退正樂以誘世作五章以剌時猶莫之化...
View Article高祖過沛詩三侯之章令小兒歌之
高祖過沛詩三侯之章令小兒歌之 高祖(劉邦)が沛にたちより三侯の章を詩にし、子供に令してこれを歌わせた。 高祖崩令沛得以四時歌儛宗廟 漢高祖(劉邦)が崩じ、沛に令して四季を以って宗廟で歌舞を得さしめた。 孝惠孝文孝景無所更 漢孝恵帝劉盈、漢孝文帝劉恒、漢孝景帝劉啓は増やし改めるところは無く、 於樂府習常肄舊而已 樂府に於いて常に習い旧をならってそれのみであった。 至今上即位作十九章...
View Article中尉汲黯進曰凡王者作樂
中尉汲黯進曰凡王者作樂 漢中尉汲黯が進み出て曰く、「凡(およ)そ王者が楽を作るは、 上以承祖宗下以化兆民 上は祖宗を承(うけたまわ)るを以ってし、下は万民を教化するを以ってします。 今陛下得馬詩以為歌 今、陛下は馬を得て、詩にして歌を作るを以ってし、 協於宗廟先帝百姓豈能知其音邪 宗廟に協和させようとしていますが、先帝や百姓がどうしてその音を理解できるでしょうか」と。 上默然不說丞相公孫弘曰...
View Article是故其哀心感者其聲噍以殺
是故其哀心感者其聲噍以殺 これ故(ゆえ)に、その哀(かな)しい心の感とは、その声(響き)は思いなやんで殺(けずる)を以ってする。 其樂心感者其聲啴以緩 その楽しい心の感とは、その声(響き)はのびやかで緩(ゆるやか)を以ってする。 其喜心感者其聲發以散 その喜びの心の感とは、その声(響き)は撥(は)ねて散(ちる)を以ってする。 其怒心感者其聲麤以...
View Article凡音者生於人心者也
凡音者生於人心者也 凡(およ)そ音(旋律、メロディー?)とは、人の心に生まれるものである。 樂者通於倫理者也 音楽とは、倫理(りんり)に通じるのである。 是故知聲而不知音者禽獸是也 これ故(ゆえ)に声(響き)を知って、音(旋律?)を知らないものは、禽獣(きんじゅう)がこれである。 知音而不知樂者眾庶是也 音(旋律?)を知って音楽を知らないものは、多くの民がこれである。 唯君子為能知樂是故審聲以知音...
View Article樂者為同禮者為異
樂者為同禮者為異 音楽とは同じをつくり、礼とは異(こと)なるをつくる。 同則相親異則相敬 同じになれば相(あい)親(した)しみ、異(こと)なれば相(あい)敬(うやま)う。 樂勝則流禮勝則離 音楽が勝(まさ)れば流れ、礼が勝(まさ)れば離れる。 合情飾貌者禮樂之事也 情を合わせたり、貌(かお)を飾ったりするのは、礼、楽の事である。 禮義立則貴賤等矣 礼義が立てば、貴賎(きせん)は等(ひと)しくなる。...
View Article王者功成作樂治定制禮
王者功成作樂治定制禮 王者は功を成(な)して音楽を作り、治が定まって礼を制する。 其功大者其樂備其治辨者其禮具 その功の大きな者はその音楽が備(そな)わり、その治のわきまえる者はその礼が具(つぶさ)である。 干戚之舞非備樂也 たてとほこの舞(まい)は音楽に備えるのでは非(あら)ざるなり。 亨孰而祀非達禮也 亨孰(よく煮ること)して祀(まつ)るのは、礼を達するのでは非(あら)ざるなり。...
View Article化不時則不生男女無別則亂登此天地之情也
化不時則不生男女無別則亂登此天地之情也 教化が時(とき)でなければ生じず、男女が別(べつ)が無くなれば、頭の冠、簪(かんざし)を乱す(登(とう)=頭(とう)?)。これが天、地の情である。 及夫禮樂之極乎天而蟠乎地行乎陰陽而通乎鬼神 それ、礼、楽の極みか天にして、とぐろを巻くか地に、行われるか陰陽にして、通うか鬼神に、 窮高極遠而測深厚樂著太始而禮居成物...
View Article樂也者情之不可變者也
樂也者情之不可變者也 音楽なりとは、情の変えるべきではないものである。 禮也者理之不可易者也 礼なりとは、理(り)の替(か)えるべきではないものである。 樂統同禮別異禮樂之說貫乎人情矣 音楽は同じを統(す)べり、礼は異(こと)なるを別(わ)け、礼、楽の説(と)くは人情(にんじょう)を貫(つらぬ)くのである。 窮本知變樂之情也 本(もと)を窮(きわ)めて変化を知るは音楽の情(じょう)である。...
View Article樂者聖人之所樂也而可以善民心
樂者聖人之所樂也而可以善民心 音楽とは、聖人の楽しむところであり、そして民心を善くするを以ってすることができる。 其感人深其風移俗易故先王著其教焉 その人に感じさせるは深く、その風習は移り俗は替(か)わり、故(ゆえ)に先王はその教えをあきらかにしたのである。 夫人有血氣心知之性而無哀樂喜怒之常 それ、人には血気、心知の性が有り、しこうして、哀楽喜怒の情(常=情?)が無くても、...
View Article凡姦聲感人而逆氣應之
凡姦聲感人而逆氣應之逆氣成象而淫樂興焉 凡そ不正な声(響き)が人に感じさせると逆気がこれに応(おう)じ、逆気が象(かたど)りを成すと、 淫(みだ)らな音楽が興(おこ)る。 正聲感人而順氣應之順氣成象而和樂興焉 正しい声(響き)が人に感じさせると順気がこれに応(おう)じ、順気が象(かたど)りを成すと和(わ)の音楽が興(おこ)る。 倡和有應回邪曲直各歸其分...
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