凡姦聲感人而逆氣應之逆氣成象而淫樂興焉
凡そ不正な声(響き)が人に感じさせると逆気がこれに応(おう)じ、逆気が象(かたど)りを成すと、
淫(みだ)らな音楽が興(おこ)る。
正聲感人而順氣應之順氣成象而和樂興焉
正しい声(響き)が人に感じさせると順気がこれに応(おう)じ、順気が象(かたど)りを成すと和(わ)の音楽が興(おこ)る。
倡和有應回邪曲直各歸其分
みだれると和(わ)するは応(こた)えが有り、回邪(よこしま、ねじけ)、曲直は各(おのおの)その分(ぶん)に帰り、
而萬物之理以類相動也
しこうして、万物の理は類(たぐい)を以って相(あい)動くのである。
是故君子反情以和其志比類以成其行
この故(ゆえ)に君子は情に反(かえ)ってその志を和(わ)するを以ってし、類(たぐい)をならべてその行いを成(な)すを以ってする。
姦聲亂色不留聰明淫樂廢禮不接於心術
不正な声(響き)、乱色は聡明を留(とど)めず、淫(みだ)らな音楽は礼を廃(すた)れさせ心の術(すべ)に接(せっ)しない。
惰慢邪辟之氣不設於身體,
惰慢、邪辟の気は身体に設(もう)けられず、
使耳目鼻口心知百體皆由順正以行其義
耳、目、鼻、口、心知、百体をして皆(みな)順正に由(よ)れば、その義を行うを以ってする。
然後發以聲音文以琴瑟
然(しか)る後に声(響き)音(旋律?)を以って発し、文(あや)は琴(こと)瑟(おおごと)を以ってする。
動以干戚飾以羽旄從以簫管
動くはたてとまさかりを以ってし、飾るは羽、旄(旗)を以ってし、従えるは簫(しょう)のふえを以ってし、
奮至之光動四氣之和以著萬物之理
至徳(しとく)の光を奮(ふる)い、四気の和を動かし、万物の理をあらわすを以ってする。
是故清明象天廣大象地
この故(ゆえ)に清く明るく天を象(かたど)り、広く大きく地を象(かたど)り、
終始象四時周旋象風雨
終始(しゅうし)四季を象(かたど)り、周旋(しゅうせん)して風雨を象(かたど)り、
五色成文而不亂八風從律而不姦百度得數而有常
五色は文(あや)を成(な)して乱れず、八風は律(りつ)を従えて不正せず、百度は法則を得て常(つね)を有(ゆう)する。
小大相成終始相生
小も大も相(あい)成(な)って、終始(しゅうし)相(あい)生まれ、
倡和清濁代相為經
みだれるも和(わ)も清いも濁(にご)りもかわるがわる相(あい)経(みち)をつくる。
故樂行而倫清耳目聰明
故(ゆえ)に音楽の行いにして倫清で、耳目は聡明で、
血氣和平移風易俗天下皆寧
血気は和平で、風習を移し俗を変えれば、天下は皆(みな)やすんじるのである。
故曰樂者樂也
故(ゆえ)に曰く、「音楽とは楽しむである」と。
君子樂得其道小人樂得其欲
君子の音楽はその道を得て、とるにたらない者の音楽はその欲(よく)を得る。
以道制欲則樂而不亂
道を以って欲(よく)を制すれば、楽しんで乱れず、
以欲忘道則惑而不樂
欲(よく)を以って道を忘れれば、惑(まど)いて楽しまない。
是故君子反情以和其志廣樂以成其教
この故(ゆえ)に君子は情に反(かえ)ってその志を和(わ)するを以ってし、音楽を広めてその教えを成(な)すを以ってする。
樂行而民鄉方可以觀矣
音楽が行われて民は方正に向い、徳を観(み)るを以ってすることができるのである。
凡そ不正な声(響き)が人に感じさせると逆気がこれに応(おう)じ、逆気が象(かたど)りを成すと、
淫(みだ)らな音楽が興(おこ)る。
正聲感人而順氣應之順氣成象而和樂興焉
正しい声(響き)が人に感じさせると順気がこれに応(おう)じ、順気が象(かたど)りを成すと和(わ)の音楽が興(おこ)る。
倡和有應回邪曲直各歸其分
みだれると和(わ)するは応(こた)えが有り、回邪(よこしま、ねじけ)、曲直は各(おのおの)その分(ぶん)に帰り、
而萬物之理以類相動也
しこうして、万物の理は類(たぐい)を以って相(あい)動くのである。
是故君子反情以和其志比類以成其行
この故(ゆえ)に君子は情に反(かえ)ってその志を和(わ)するを以ってし、類(たぐい)をならべてその行いを成(な)すを以ってする。
姦聲亂色不留聰明淫樂廢禮不接於心術
不正な声(響き)、乱色は聡明を留(とど)めず、淫(みだ)らな音楽は礼を廃(すた)れさせ心の術(すべ)に接(せっ)しない。
惰慢邪辟之氣不設於身體,
惰慢、邪辟の気は身体に設(もう)けられず、
使耳目鼻口心知百體皆由順正以行其義
耳、目、鼻、口、心知、百体をして皆(みな)順正に由(よ)れば、その義を行うを以ってする。
然後發以聲音文以琴瑟
然(しか)る後に声(響き)音(旋律?)を以って発し、文(あや)は琴(こと)瑟(おおごと)を以ってする。
動以干戚飾以羽旄從以簫管
動くはたてとまさかりを以ってし、飾るは羽、旄(旗)を以ってし、従えるは簫(しょう)のふえを以ってし、
奮至之光動四氣之和以著萬物之理
至徳(しとく)の光を奮(ふる)い、四気の和を動かし、万物の理をあらわすを以ってする。
是故清明象天廣大象地
この故(ゆえ)に清く明るく天を象(かたど)り、広く大きく地を象(かたど)り、
終始象四時周旋象風雨
終始(しゅうし)四季を象(かたど)り、周旋(しゅうせん)して風雨を象(かたど)り、
五色成文而不亂八風從律而不姦百度得數而有常
五色は文(あや)を成(な)して乱れず、八風は律(りつ)を従えて不正せず、百度は法則を得て常(つね)を有(ゆう)する。
小大相成終始相生
小も大も相(あい)成(な)って、終始(しゅうし)相(あい)生まれ、
倡和清濁代相為經
みだれるも和(わ)も清いも濁(にご)りもかわるがわる相(あい)経(みち)をつくる。
故樂行而倫清耳目聰明
故(ゆえ)に音楽の行いにして倫清で、耳目は聡明で、
血氣和平移風易俗天下皆寧
血気は和平で、風習を移し俗を変えれば、天下は皆(みな)やすんじるのである。
故曰樂者樂也
故(ゆえ)に曰く、「音楽とは楽しむである」と。
君子樂得其道小人樂得其欲
君子の音楽はその道を得て、とるにたらない者の音楽はその欲(よく)を得る。
以道制欲則樂而不亂
道を以って欲(よく)を制すれば、楽しんで乱れず、
以欲忘道則惑而不樂
欲(よく)を以って道を忘れれば、惑(まど)いて楽しまない。
是故君子反情以和其志廣樂以成其教
この故(ゆえ)に君子は情に反(かえ)ってその志を和(わ)するを以ってし、音楽を広めてその教えを成(な)すを以ってする。
樂行而民鄉方可以觀矣
音楽が行われて民は方正に向い、徳を観(み)るを以ってすることができるのである。