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Channel: 倭人伝を解く
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化不時則不生男女無別則亂登此天地之情也

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化不時則不生男女無別則亂登此天地之情也

教化が時(とき)でなければ生じず、男女が別(べつ)が無くなれば、頭の冠、簪(かんざし)を乱す(登(とう)=頭(とう)?)。これが天、地の情である。

及夫禮樂之極乎天而蟠乎地行乎陰陽而通乎鬼神

それ、礼、楽の極みか天にして、とぐろを巻くか地に、行われるか陰陽にして、通うか鬼神に、

窮高極遠而測深厚樂著太始而禮居成物

高いに窮(きわ)まり遠いを極(きわ)めて深さ厚(あつ)みを測(はか)るに及んで、音楽は太始をあらわして、礼は成物を据(す)える。

著不息者天也著不動者地也

あらわれて休まないのは天であり、あらわれて動かないのは地である。

一動一靜者天地之也故聖人曰禮云樂云

一(いつ)に動き、一(いつ)に静かなのは天地の間である。故(ゆえ)に聖人曰く、「礼は云々(うんぬん)、楽は云々(うんぬん)」と。

昔者舜作五弦之琴以歌南風

昔、帝舜が五つの弦の琴(こと)を作り、南風を歌うを以ってした。

夔始作樂以賞諸侯

夔(舜の臣下で音楽をつかさどった人)が音楽を作り始めたときは、諸侯を賞するを以ってした。

故天子之為樂也以賞諸侯之有者也

故(ゆえ)に天子が音楽をつくったのであり、諸侯の有徳者を賞するを以ってしたのである。

盛而教尊五穀時孰然後賞之以樂

徳が盛んで教えが尊く、五穀が時に熟(じゅく)し、然(しか)る後にこれを賞するに音楽を以ってした。

故其治民勞者其舞行級遠

故(ゆえ)にその民の苦労を治(おさ)めるのは、その舞いは級遠を行い、

其治民佚者,其舞行級短

その民の逸楽(いつらく)を治(おさ)めるは、その舞いは級短を行った。

故觀其舞而知其聞其謚而知其行

故(ゆえ)にその舞いを観(み)てその徳を知り、そのおくり名を聞いてその行いを知った。

大章章之也咸池備也

大章はこれを章(あきら)かにするであり、咸池は備(そな)えであり、

韶繼也夏大也殷周之樂盡也

韶は継(つ)ぐであり、夏は大であり、殷、周の音楽は尽(ことごと)くである。

天地之道寒暑不時則疾風雨不節則饑

天、地の道は、寒い暑いが時(とき)でなければ病気になり、風、雨が節(せつ)がなければ餓(う)える。

教者民之寒暑也教不時則傷世

教えとは民の寒暑であり、教えが時(とき)でなければ世を傷(きず)つけ、

事者民之風雨也事不節則無功

事とは、民の風雨であり、事が節(せつ)がなければ手柄(てがら)は無い。

然則先王之為樂也以法治也善則行象矣

然(しか)らば、先王が音楽をつくったのは、治(ち)を法(のっと)るを以ってしたのであり、
善ければ、徳を象(かたど)るを行ったのである。

夫豢豕為酒非以為禍也

それ、豢豕が酒を作るは、禍(わざわい)をつくるを以ってするのでは非(あら)ざるなり、

而獄訟益煩則酒之流生禍也

しこうして、獄訟(うったえ 争い)が益々(ますます)煩(わずら)わしくなるは、すなわち酒が禍(わざわい)を生んで流れたからである。

是故先王因為酒禮一獻之禮

この故(ゆえ)に先王は因(よ)りて酒の礼を作り、一献(いっこん)の礼、

賓主百拜終日飲酒而不得醉焉

賓客、主(あるじ)が何度も拝(はい)し、終日(しゅうじつ)酒を飲んでも酔(よ)うを得られないのであり、

此先王之所以備酒禍也

これが先王の酒の禍(わざわい)に備(そな)えた所以(ゆえん)である。

故酒食者所以合歡也

故(ゆえ)に宴会とは、歓(よろこ)びを合わせる所以(ゆえん)である。

樂者所以象也

音楽とは、徳を象(かたど)る所以(ゆえん)であり、

禮者所以閉淫也

礼とは淫(みだ)らを閉(し)める所以(ゆえん)である。

是故先王有大事必有禮以哀之

この故(ゆえ)に先王は大事を有すると、必ず礼を有してこれを哀(かな)しむを以ってし、

有大福必有禮以樂之

大福を有すると、必ず礼を有して音楽を以ってした。

哀樂之分皆以禮終

哀(かな)しみ、楽しみの分(ぶ)は皆(みな)礼を以って終わる。

樂也者施也禮也者報也

音楽なりとは、施(ほどこ)すであり、礼なりとは、報(むく)いるである。

樂樂其所自生

音楽はその自ら生じたところを楽しみ、

而禮反其所自始

しこうして礼はその自ら始めたところに返(かえ)る。

樂章禮報情反始也

音楽は徳を章(あきら)かにして、礼は情に報(むく)いて始(はじ)めに返(かえ)るのである。

所謂大路者天子之輿也

所謂(いわゆる)大路とは、天子の輿(こし)なのである。

龍旂九旒天子之旌也

龍旂、九旒は天子の旗(はた)なのである。

青緣者天子之葆龜也

青黒縁とは、天子の宝亀なのである。

從之以牛羊之群則所以贈諸侯也

従えるは牛、羊(ひつじ)の群れを以ってするのは、すなわち諸侯に贈(おく)る所以(ゆえん)である。

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