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Channel: 倭人伝を解く
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王者功成作樂治定制禮

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王者功成作樂治定制禮

王者は功を成(な)して音楽を作り、治が定まって礼を制する。

其功大者其樂備其治辨者其禮具

その功の大きな者はその音楽が備(そな)わり、その治のわきまえる者はその礼が具(つぶさ)である。

干戚之舞非備樂也

たてとほこの舞(まい)は音楽に備えるのでは非(あら)ざるなり。

亨孰而祀非達禮也

亨孰(よく煮ること)して祀(まつ)るのは、礼を達するのでは非(あら)ざるなり。

五帝殊時不相沿樂

五帝が時を殊(こと)にして、相(あい)音楽に沿(そ)わず、

三王異世不相襲禮

三王は世を異(こと)にして、相(あい)礼を踏襲(とうしゅう)しなかった。

樂極則憂禮粗則偏矣

音楽がねじければ(極(きょく)=曲(きょく)?)憂(うれ)え、礼が粗(あら)ければ偏(かたよ)る。

及夫敦樂而無憂禮備而不偏者其唯大聖乎

それ、音楽にまごころをこめて憂(うれ)いを無くし、礼がつぶさになって偏(かたよ)らなくなるに及んだ者は、その唯(ただ)大聖のみか。

天高地下萬物散殊而禮制行也

天は高く、地は下で、万物は散(ち)って殊(こと)なり、そして、礼制は行われるのである。

流而不息合同而化而樂興也

流れて休(やす)まず、合同(ごうどう)して教化し、そして、音楽が盛んになるのである。

春作夏長仁也

春は作り、夏は成長するのが仁(じん)である。

秋斂冬藏義也

秋は取り入れて、冬は蔵(くら)に納めるのが義(ぎ)である。

仁近於樂義近於禮

仁は音楽に近く、義は礼に近い。

樂者敦和率神而從天

音楽とは和(わ)をとうとび、神を率(ひき)いて天に従(したが)う。

禮者辨宜居鬼而從地

礼とは宜(よろ)しきを区別して、鬼を住まわせて地に従(したが)う。

故聖人作樂以應天作禮以配地

故(ゆえ)に聖人は音楽を作って天に応ずるを以ってし、礼を作って地に配(はい)するを以ってする。

禮樂明備天地官矣

礼、楽が備(そな)えを明らかにして、天地が任用するのである。

天尊地卑君臣定矣

天が尊(とうと)く、地は低(ひく)く、君臣が定まり、

高卑已陳貴賤位矣

高い低いがすでに並んで、貴賎(きせん)が位置する。

動靜有常小大殊矣

動靜は常(つね)を有(ゆう)し、小大は殊(こと)なる。

方以類聚物以群分則性命不同矣

大地は類(たぐい)を以って集まり、物は群れを以って分(わか)れ、すなわち性命(天からあたえられたもちまえ)は同じではない。

在天成象在地成形如此則禮者天地之別也

天に在(あ)って象(かたど)るを成(な)し、地に在(あ)って形を成(な)し、この如(ごと)くはすなわち、礼であり天地の区別なのである。

地氣上隮天氣下降陰陽相摩

地の気が上昇(じょうしょう)し、天の気が下降(かこう)して、陰陽が相(あい)擦(こす)れ、

天地相蕩鼓之以雷霆奮之以風雨

天、地が相(あい)動いて、これを鳴(な)らすに雷(かみなり)のとどろきを以ってし、これを奮(ふる)うに風雨を以ってし、

動之以四時煖之以日月

これを動かすに四季を以ってし、これをあたためるに太陽、月を以ってし、

而百[物]化興焉如此則樂者天地之和也

しこうして多くが化(か)して盛んになる、この如(ごと)くはすなわち、音楽であり天地 の和(わ)なのである。

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